LINEで送る味はもちろん、素材もなるべく体にいいものを
こぢんまりとした和食料理屋として、この町に溶け込んできた「肉鉄なべ 串焼料理 こころ」。店名には、「真心を込めた料理を食べてほしい」というストレートな思いが込められています。店内にその風情を残しつつ、"氷"の暖簾を掲げたのは2023年2月のことでした。
「料理人として20年近く板場に立ってきましたが、あるときに妻と一緒にお店で、いわゆる"創作かき氷"を食べたんです。すごくおいしくてもうびっくり、感銘を受けて『これだ！』と。自分で思い描いた味をこんなふうに表現できたらいいなと思ったのが、かき氷屋をはじめようと思ったきっかけです」
そう話すのは、店主のゆーじさん。コロナ禍も明けてきた2023年、奥さんのあすかさんと共に温めてきたプランをついに実現することになりました。メニューは600円前後のシンプルなものから、こだわり抜いて完成させた1,500円前後のものまでさまざまです。
「正直、1,500円のかき氷は高いと感じる人もいるんじゃないかな。でも、例えば10万円の料理を食べて11万円の価値を感じられるのなら、それは『コスパがいい』ということだと僕は思っています。初めて1,500円のかき氷を食べたときも、その感覚でした。だから、おいしいものを提供するために手は抜きたくない。味にこだわるのはもちろんですが、かき氷はこどもたちも食べるものなので、例えば甘味にしてもオリゴ糖や黒糖を使ったりと、素材にこだわっています」
甘くてシンプルなかき氷から、独特の甘じょっぱいかき氷まで
「氷屋こころ」のかき氷は、普通サイズが直径17cm×高さ14cm、小さめサイズが直径14cm×高さ11cm。とても満足感のあるサイズとなっています。
季節の果物を使った期間限定メニューが多い「氷屋こころ」で、唯一の通年販売メニューが「蜜氷（みつごおり）」（普通サイズ700円）です。「まずは氷の味を知ってほしい」との思いから、きび砂糖で作ったシロップとシナモンと生姜のパウダーがかかったシンプルな一品。別添えで２種類のシロップが付いてきます。
そのまま食べると、氷とシロップの透き通った甘みに加えて、シナモンと生姜がふわっと香ります。ゆず蜜のシロップをかけると甘ずっぱくさわやかな風味に、コーヒーと黒ゴマの黒蜜シロップをかけるとまろやかで大人な味わいに変化します。
こちらはゴージャスな見た目の季節の一品「アメリカンチェリーパイ氷」（普通サイズ1,850円）。１段目はミルク練乳、２段目はカットキウイときび蜜が入っており、色鮮やかなアメリカンチェリーソースとホイップクリーム、チョコソースとクラッシュパイがかかっています。さっぱりとした甘さのソースとパイのざくざく感で食べごたえがあり、お腹も心も満たされます。
（2024年8月末ごろまで販売予定）
３つめは、変わり種の「もろこし氷」（普通サイズ1,800円）。なんと、"甘くない"かき氷です。鰹出汁や青唐辛子を漬けた醤油を使用した、風味豊かなもろこしソースは、まさに和食屋ならではの味わい。とうもろこしのポタージュのような自然な甘みが感じられます。ブラックペッパーや粉チーズに加えて焼きとうもろこしも添えられ、お塩、クラッカー、きび蜜も別添えとして付いてくるので、いろいろな表情を楽しめます。毎年これを食べに訪れる熱烈なファンも多いのだそう。
かき氷は秋や冬にもおすすめ。オールシーズンで楽しんでほしい
メニューによって氷の削り方もさまざま。「『蜜氷』などあっさりした味のものは、ふんわりとした削り方に。逆に『もろこし氷』のように深みがあって濃いものには、食感が残るように粗めに削っています」と話すように、見た目や食感まで追求し続けるこだわりは、まさに和食料理人なのだと感じられる部分です。
今後は２号店の出店も検討中とのこと。ただ、たくさんのお客さまを集めてお店をどんどん拡大......を目指しているというわけではないようです。
「夢と言っていいのかわからないですけど、お店が大繁盛してほしいというよりは、妻と僕が二人で食べていけて、お客さまの『おいしいね』というと言葉を聞けたら、もうそれで十分なのかなって。『今日はあのかき氷を食べに行こう！』という日が、この地域から広まってくれたらいいなって思っています」
ちなみに、ゆーじさんいわく、「かき氷って秋や冬もおいしいんですよ。寒い時期は、氷が水っぽくならずにすごく立つので」とのこと。暑い夏はもちろん、季節問わず足を運んで、おいしいかき氷をぜひ楽しんでみてください。
※価格はすべて税込
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