うどんも蕎麦もメニュー豊富!小さなお店にこだわりが満載

外見は一般的な街の蕎麦屋さんのようにも見える「篠新」。黄色い暖簾には「うどん」の文字があり、入り口の脇には「手打蕎麦」の看板も。「蕎麦屋さんなの?うどん屋さんなの?どっち?」という疑問を抱きつつも暖簾をくぐる。

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店内はテーブル席3卓とお座敷席があり、奥さまが笑顔で迎えてくれる。
メニューを見ると、温かいものから冷たいものまで種類が豊富で、蕎麦もうどんもそろえている。限定メニューの「アサリのボンゴレ風」(1,150円〜)や「深川丼風」(1,150円〜)といった品も。こちらは大粒のアサリが手に入った時だけの限定メニューなのだそう。ほかにも、夏期の限定品や冬期限定の「鍋焼き」(うどん・1,260円)、一品料理もある。

聞けば、すべてのメニューは、ご主人の新井生美さんがこだわって集めた素材を使い、手間を惜しまず作り上げられたもの。例えば、「きつね」の大きめのお揚げは煮上がるまでに5日間を要しているし、「カレー」には銀座にあるインドカレーの名店のスパイスやギーを取り寄せているのだとか。

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小麦の香りあふれる素朴なうどんに軍鶏の旨みがマッチ

数あるメニューの中でも、特におすすめなのが「軍鶏(シャモ)汁」(うどん・1,100円、そば・1,150円)。かつては鴨を使っていたが、納得のいく素材を仕入れるのが難しくなったため、軍鶏に変えたそう。福島の川俣町で平飼いされた「川俣シャモ」は旨みが濃厚。サッと火を通しても、しっかり煮込んでも、それぞれのおいしさが味わえる。

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「軍鶏汁うどん」のつけ汁は、煮込めば煮込むほど味が出るモモ肉と、コリコリとした食感が楽しめる軟骨入りつくねの2種類が楽しめ、小麦の香りが強いうどんにとても合う。こちらのうどんは、農林61号という品種にこだわり、さまざまな産地から取り寄せては、その素朴で野趣あふれる風味を大切に塩と水だけで打っているそうだ。

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冷たいうどんの上に野菜たっぷりのかき揚げ、辛みおろし大根がのった「打っ掛け かき揚げ」(うどん・1,320円、そば・1,370円)はボリューム満点。かき揚げには、ナスやニンジン、シイタケ、ネギなどの野菜が120gも使われているそうで、東京都の福祉保健局から「野菜たっぷりメニュー店」として指定を受けているこのお店ならではの品だ。

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守り続ける味と進化する味の融合

ご主人の新井さんのお祖母さまは、「うどんが打てなきゃ嫁に行けない」と言われるほど根強いうどん文化圏で育った方で、自宅でうどんと焼き団子を供する店を開いていたのだそう。お父さまが新井さんを背負ってうどんを踏んでいた、というエピソードが残っているほど、幼いころからうどんに親しんでいた新井さんにとって、22年前にこの「篠新」を開店したのも自然な流れだ。お祖母さまの朴訥な味が、「篠新」の原点となっている。

うどんに加えて蕎麦も打つようになったのは、「蕎麦もやってみたかったから......」と軽くおっしゃるが、北海道産と長野産のそば粉を使った二八蕎麦でなかなかの本格派。うどんと蕎麦とでは麺の味わい方も異なるし、つゆの製法もまったく違う。新井さんは、それぞれに合った製法でつゆも2種類用意している。

昔から伝承されてきた味を守りつつも、新しい味やより良い素材への探求を怠らないのが新井さんのスタイル。お店が休みの日は、あちこちのお店を食べ歩き、全国の食材の情報を収集しているそう。新しい素材を見つけたら、まずは取り寄せてメニューに取り入れてみるのだとか。奥さまの文子さん曰く「いつの間にかね、素材がどんどん良いものになってるんですよ」と。
日々進化を遂げているうどんの味を確かめに何度も通ってみたくなるお店、それが「篠新」なのだ。

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※価格はすべて税込
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