ひっきりなしにお客さまが訪れる名パティスリー

お店の前の通りは、池袋線「秋津」駅とJR武蔵野線「新秋津」駅で乗り換える人が行き交う道で、常に人通りが絶えない。取材時は平日の昼間にも関わらず、若い女性たちや親子連れ、マダムの一団がひっきりなしにやってきては、次々と店内へ吸い込まれていく。お天気が良いこともあって、散歩途中にたまたま通りかかったと見受けられる人もいるが、ほとんどのお客さまはこのお店を目指してやってきた、といった感じ。この「ロートンヌ秋津本店」は、ほかに中野や伊勢丹立川店にもショップを持つ人気店。東京郊外の住宅街に、これほどのファンを集めるパティスリーがあるとは、恐るべし!である。

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店内に入ると、まずは正面に鎮座するショーケースに吸い寄せられる。ビビットなレッドやイエロー、パープルやグリーン......、まるでパレットのようにカラフルなケーキがぎっしりと並んでいる。これほどまで色鮮やかで美しいデザインのケーキが豊富にそろっているパティスリーを、ほかにあまり見たことがない。

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シェフの神田広達さんにうかがうと、ショーケースには常に24種類のケーキが並び、午後から入れ替わりで登場するものも含めて、毎日32〜33種類も用意するそう。意識しているのはショーケースに鮮やかなカラーが揃っているかどうか、ケーキが並んだ時の印象やバランスが美しいかどうか、だとか。神田さん曰く「ケーキ屋さんの主役と言えば、イチゴのショートケーキ。例えるならアカレンジャーですね。でも、アカレンジャーだけではダメで、キレンジャーやアオレンジャーがいて初めて成り立つものでしょう。主役やわき役、いろんな個性が並んでいることが大切」なのだという。そんな神田さんのヘアスタイルも鮮やかなピンク色。音楽が趣味でよくステージを観に行くという神田さんにとって、このショーケースはさまざまな個性が競演するステージなのかもしれない。

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チーム・ロートンヌのアイディアと技を集結した麗しいケーキたち

個性的なケーキの中でもひときわ目を引くのは、鮮やかなグリーンの抹茶ムースにオレンジをあしらった「古都~KOTO」。色の組み合わせもさることながら、抹茶とオレンジという味の組み合わせも斬新なのでは?と思って口に入れてみると、抹茶ムースの深い味わいとオレンジコンフィの爽やかな風味が予想以上になじんでいて、まろやかに口の中で溶ける。秘密は中に仕込まれたチョコレートムース。チョコレートの風味が絶妙なつなぎ役になっているのだ。

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一方、「古都~KOTO」とは対極とも言えるシンプルさが魅力の「ムラングシャンティ」もおすすめ。低温で焼き上げたメレンゲのサクッとした食感と甘さ、上質なフレッシュクリームのコクとサッと消える爽やかなくちどけを味わう、シンプルながら奥深い逸品だ。

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カシスの甘酸っぱさとショコラのほろ苦さを味わう「モルガン」は、トップに飾られたブルーベリーに水滴のようなジュレをちょこんとのせ、細部にまでこだわったデザインに目を奪われる。宝石のように輝くケーキたちの色合いやデザイン、素材や食感の組み合わせなど、すべてはシェフパティシエである神田さんの感性から生み出されたものなのかと思いきや、神田さんだけではなくスタッフみんなでアイディアを出し合い、磨き上げて作られたものなのだとか。 チーム・ロートンヌのヒラメキと感性、技術を集結して作られるケーキは、四季折々の旬の素材やその時々の流行、空気感をはらんで変化する。例えば定番のイチゴを使ったショートケーキであっても、仕入れるイチゴの糖度やその時期の気候に合わせてクリームの甘さやスポンジの配合を細かく調整しているそうだ。ショーケースに並ぶひとつひとつのケーキは、一期一会のアート作品のようなものかもしれない。

みんなを笑顔にするツール、それがロートンヌのスイーツ

この「ロートンヌ秋津本店」のルーツは神田さんのご両親が営んでいた和菓子店にある。お店は和菓子から洋菓子へ転向し、神田さんが2代目として引き継いでから25年ほどになるという。実家を引き継ぐ前は、都内の洋菓子店で4年修業した後、日本とフランスを行き来しながら本場のコンクールへ挑戦する日々を2年ほど続けたという神田さん。フランス菓子の本場で認められた最先端の味を、秋津の地で徐々に浸透させていった。
中野や立川にも店舗を持つようになった今は、パティシエとしてだけではなく、チームを率いるプロデューサーとしての役割をより意識するようになっているという。みんなが気持ちよく働き、ハイレベルのケーキや焼き菓子を確実に作り上げることができるよう、店舗に昼休憩を設けたりしてスタッフの働く環境にも気を配っているし、お客さまの元へ温かい気持ちと共に届けられるよう、お菓子のパッケージにもこだわっている。

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神田さんにとってお菓子とは、さまざまな経験やたくさんの人との出会いをもたらしてくれる最高のツールだという。食感や味、デザインの美しさに磨きをかけて生み出されたケーキは、多くのファンを秋津の地に呼び寄せ、それぞれの家庭で人生の節目や喜びの時に彩りを添えていることだろう。
「ロートンヌ秋津本店」には、人々に笑顔と元気をもたらしてくれる麗しいケーキたちが、今日もショーケースという名のステージいっぱいに並べられ、お客さまが訪れるのを待っている。

※価格はすべて税込
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