もちもち食感の麺と濃厚な肉汁、ほっとする味わい

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玉売りの販売所を併設した武蔵野うどん店「こせがわ」。開店は1999年だが、当時は麺の販売がメインだった。その後「食べられる場所があればいいのに」とのお客さまからの声が高まり、2006年には隣に食堂をオープンした。開店当初はご夫婦で、今は息子さんと二人三脚で店を切り盛りしているのは、店主・岩崎和江さん。

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東村山周辺はもともと、武蔵野うどんの文化が特に色濃く根付いた地。川越出身の岩崎さんにとっても、自分の家庭で打って食べるうどんは、とても身近なものだったという。

「私がお嫁に来たころは、このあたりは見渡す限り畑でした。自分の家でうどんを打って、育てた野菜と一緒に食べる。それが当たり前でした。だからみんなうどんが打てたんですよ」。

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一番人気は「ざるうどん」(600円 )と「肉汁」(70円)のセット。茹でた野菜を盛り合わせた「糧」(130円)と一緒に食べるのが、武蔵野うどんならではのスタイルだ。うどんは茹で置きせず、注文が入ってから茹であげる。もっちりとした食感の太めの麺に、豚バラ肉が入った濃厚な肉汁がよく合う。派手さや華やかさはなくとも、なんだかホッとするシンプルな味に、リピーターが多いというのも頷ける。 注文が入ってから揚げられる「天ぷら」(90円)もぜひ一緒に味わってもらいたい。

この土地に欠かせない武蔵野うどん

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地元の郷土料理として、岩崎さんが幼いころから親しんできたうどん。 しかしいくら慣れ親しんでいたといえども、開店に至るまでには苦労もあった。安定したうどんを提供できるよう修行もしたが、 季節によって水分量が変わるため、最初のころはなかなか大変だったそう。

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「お店で提供する麺は、ひと晩寝かせています。昔は朝にうどんを打っておいて、農作業が終わった後にお昼ごはんとして食べることも多かったみたいです」。

今でもこの地域では、うどんは冠婚葬祭に欠かせないメニューとなっている。
「お葬式のときなど、昔は自分の家でうどんを打って、皆さんにふるまってました。今は斎場を使われる家が多いから、そういう時はうどん弁当として注文が入るんですよ」。

岩崎さんの語るエピソードからは、「武蔵野うどん」がどれだけこの地域に根付き、欠かせないものかということがよくわかる。

家庭で「こせがわ」の味が楽しめる持ち帰り麺

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ハレの日にも食べるけれど、ベースは日常食の「武蔵野うどん」。茹で麺や生麺、肉汁なども販売している「こせがわ」は、ご近所の方にとっては嬉しい存在だ。毎週土曜日のみ販売されるお赤飯も好評なのだそう。 また、もうひとつ隠れた人気メニューがある。

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それがこの「カレーパン」(170円)。注文が入ってから揚げたてを提供してくれる。ひと口頬張れば、外側はカリッとした食感、ふんわりしたパンの中からは熱々のカレーが流れ出してくる。 お土産にはもちろん、頬張りながら歩けば、帰り道も楽しくなりそうだ。

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