中央鉄道学園の跡地を公園に。散策には「レンジャー図鑑」がおすすめ

2002年に開園した「武蔵国分寺公園」は、旧国鉄「中央鉄道学園」の跡地と、旧郵政省宿舎跡地などを利用して作られました。園内にはSLの動輪をモチーフにした記念碑も設置されています。

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11ヘクタールの園内の見どころは、季節ごとに豊かな表情をみせる木々や草花、さまざまないきものたち。サクラやケヤキ、イチョウなどの大木の一部は中央鉄道学園時代から残るものです。園内には滝や池も配置されており、虫や鳥などのいきものが数多く訪れます。

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そうした環境を維持・管理するスタッフは「パークレンジャー」と呼ばれています。園内の植物やいきものを守るだけでなく、パークレンジャーによるガイドツアーも年に2回ほど開催しているのだそう。季節の植物やいきものがまとめられた「レンジャーミニ図鑑」はサービスセンターで配布されているので、園内を散策するときにはぜひ活用してみてください。
今回は、そんなパークレンジャーさんに園内をぐるっと案内していただきました。

円形広場を中心とした北エリアは外遊びにぴったり

「公園は多喜窪通りを挟んで北と南に分かれているので、まずは北側から見ていきましょう。いま(取材時:4月下旬)は春と夏の間の時期なので見頃のものが少なく、若葉の緑が目立ちますが、園内では年間を通してたくさんの花が楽しめますよ」とのこと。

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北側の中央に位置する円形広場は、芝生の上で遊んだり、木陰にレジャーシートを広げてお弁当を食べたりと、ピクニックにもおすすめのスポット。見晴らしがよく開放感があり、40本以上の巨木が点在して木陰をつくっています。特に春の時期になると、園内にはソメイヨシノやヤマザクラ、普賢象などさまざまな桜が花を咲かせ、人気のお花見スポットになるのだそう。
円形広場のまわりは一周が約500メートルで、「ぎんなん通り」と呼ばれる外周はウォーキングやランニングのコースとしても人気。円周に沿ってイチョウやサクラの並木、ノウゼンカズラやフジの回廊があり、季節の彩りも一緒に楽しむことができます。

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円形広場に面した「武蔵の池」には、正面の壁から滝が流れ込んでいます。うららかな湖面をカルガモがゆったりと泳いでいました。
「カワセミなどもよく飛来しますし、目を凝らすと小魚など水辺のいきものたちが見つかりますよ」とのこと。水をきれいにしたり、植栽をしたりして、いきものが住みやすい環境をつくっているそうです。

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池の隣の「ばったランド」は、その名の通りバッタをはじめとした昆虫たちを保全するエリアです。たくさんの昆虫が見られるのは、場所ごとに草丈を変えるなどの知恵と工夫があるからだそう。こどもたちにも人気の遊び場です。

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ばったランドの左手の「みはらし階段」を上り、「ふれあい橋」を渡って公園の南エリアに向かいます。
「橋から眺める多喜窪通りのサクラ並木もとてもキレイですよ」と教えてもらい、左右を眺めると東側には東京スカイツリー、西側には八王子の稜線が見えました!

森林浴にもぴったり。緑を色濃く感じる南エリア

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ふれあい橋を渡った先にある「こもれび広場」は、なだらかな傾斜のある広場。北側のエリアと比べると植物の密度が高く、木々の緑をより色濃く感じられます。
「ギターを弾いたり、読書したり、ヨガをしたりと、思い思いにのんびり過ごす人が多いですね」。取材時にもヨガを楽しむ方々の姿が見られました。

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こもれび広場の隣にある「野鳥の森」は明るい雑木林。南側は国分寺崖線に接しており、崖線部特有の植物も見られます。タヌキなどの小動物も姿を現すのだとか。
「ここは公園内で最もいきものが多いエリアです。伐採や下草刈りなどを行って里山を管理し、豊かな生態系を守っています」とのこと。整備された広場とは異なった雰囲気で、森林浴を目的に散歩される方も多いそう。

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園内ではお子さま向けの走り方教室や、ウクレレなどの音楽イベント、自然とコラボするアートのイベントなど、バラエティ豊富なイベントが開催されています。最新の情報はWebサイトでご確認ください。

東京都の真ん中に位置し、「東京のへそ」とも呼ばれる国分寺市。多くの人でにぎわう駅の徒歩圏内に、たくさんのいきものが暮らす豊かな自然があることに驚きました。芝生広場でピクニックするもよし、雑木林を散策するもよし、お好みの楽しみ方で豊かな自然を満喫してください。

※営業時間、体験内容などが変更になる場合がございます。最新情報はWebサイト・公園サービスセンターでご確認ください。