パワースポットとしても知られる秩父の総鎮守(そうちんじゅ)

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秩父神社は、情緒あふれる商店街「番場通り」のその先に。石造りの大きな鳥居が参拝客を温かく迎え入れてくれます。
やわらかな空気に包まれた秩父神社はパワースポットとしても人気を集めています。大鳥居の前で立ち止まり一礼をして参道へ。交通量の多い道路沿いにあるのが嘘のように参道には静けさが広がり、すっと心が落ち着きます。
参道の中央は神様の通り道なので左右のどちらかの端を歩きます。秩父神社は、大鳥居を入って左に手水舎(てみずしゃ)がありますので、左端を歩くといいでしょう。

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秩父神社の手水舎は、平成の名水百選の水源に選ばれた武甲山伏流水(ぶこうざんふくりゅうすい)を用いています。

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気持ちを整えたら神門をくぐって社殿へと向かいます。

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2014年に鎮座2100年を迎えた秩父神社は、関東有数の古社のひとつ。知知夫彦命(ちちぶのひこのみこと)の祖先にあたり、知恵の神様として知られる八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)を祀ったことから始まったといわれています。
秩父神社の社殿は、神様が鎮座する本殿と献上物を捧げる幣殿(へいでん)、参拝客を迎える拝殿がひとつになっています。写真の部分は拝殿。賽銭箱にお賽銭を入れてから、二礼二拍手のあとに祈り、一礼をします。

拝殿に施された美しい彫刻の数々

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県の重要文化財にも指定されている拝殿は徳川家康公が寄進したもので、江戸時代初期の建築様式を今に伝えています。彫刻は、江戸時代に伝説の職人として名を馳せた左甚五郎によるものと伝えられ、その美しさに思わず息を呑みます。

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拝殿正面左より二つめにある「子宝・子育ての虎」の彫刻は、家康公の威厳とご祭神を守護する神使として彫刻されたものと伝えられています。親と子の戯れる虎の姿が美しくも優しい表情で彫られています。

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側面には、秩父に古くから伝わる龍の伝説をモチーフにした「つなぎの龍」が色鮮やかに施されています。

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本殿北側中央には、「北辰の梟(ほくしんのふくろう)」というご祭神とゆかりの深い瑞鳥(ずいちょう/良いことが起こる前兆とされる鳥)が。この彫刻の梟は、体は正面(南面)を向きながら、首だけ180度反転しています。これは、ご祭神が北辰(北極星)の方向を守護しているからと考えられています。なお、「ふくろう」は「不苦労」とも読めることから、開運のしるしとしてお守りにも描かれています。

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令和4年(2022年)3月に修理を終えたばかりの三猿の彫刻「お元気三猿」も個性的です。三猿というと「見ざる・言わざる・聞かざる」の意味合いを持つ日光東照宮の彫刻が有名ですが、秩父神社の三猿は「よく見て・よく聞いて・よく話す」の意味が持たれ、表情もまったく違っています。

パワースポットと呼ばれる所以が境内の至るところに

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秩父神社の境内には、不思議な力を感じるスポットがいくつかあります。末社の柞稲荷神社(ははそいなりじんじゃ)の前にある大きな石は「神降石(じんこうせき)」と呼ばれていて、神が降り立つ石と言われています。

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こちらは「乳銀杏」と呼ばれる銀杏の木で、秩父宮妃勢津子殿下が手植えされたものです。天に向かって大きく広がっていく様子も見ごたえがあるのですが、さらに注目すべき点があります。

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枝の部分に目をやると「乳銀杏」という別名のとおり、乳房を思わせる形をしています。これは枝の部分に多量のでんぷんが蓄積されているからなのだそう。境内には、乳銀杏とは別にご神木の銀杏もあり、それぞれに違うパワーを感じ取ることができます。

秩父神社名物の「水占みくじ」を体験

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秩父神社には、ちょっと変わったおみくじがあります。「水占みくじ」というもので、手水舎の水と同じく、武甲山の伏流水を使って占います。

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賽銭箱に初穂料(200円)を入れた後、巻物状になったおみくじを選びます。帯を解いて用紙を見ますが、なにも書かれていません。

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ところが、すぐ近くに流れる小川に浸すと、文字が浮かび上がってくるのです。おみくじに書かれた内容は、神様からのお言葉、そして日々の指針です。ビニール袋が用意されているので、おみくじを入れて大切に持ち帰りましょう。

秩父神社のご利益は、学業成就や商売繁盛、家内安全と多岐にわたります。特に良縁拝受のご利益があると評判が高いのだそう。秩父を訪れた記念に参拝するだけでなく、しっかりと祈念をしてパワーをあやかり、明日への活力にしたいですね。

本殿付近にある授与所では御朱印も書いていただけるので、参拝後に立ち寄ってみてください。

※開門時間、授与所・御朱印受付時間、価格等は変更になる場合がございます。