hoshi_4.jpg今回体験するのは松澤さん親子。「西武秩父駅」でもう一組の米田さん親子と合流し、秩父ミューズパークの展望台まで車で移動します。

車で走ること約15分、秩父ミューズパーク内の10番パーキングに到着。ここからは徒歩で展望台を目指します。外灯もない山の中なので、足元を照らすライトは必須です。

hoshi_5.jpg暗闇に慣れていない目で、ライトの光を頼りに歩く一行。ふと空を見上げると、木々の間から星を発見。初めての土地で目印を見つけた気分になり、何とも言えない安心感です。
"小さな目印"の下、展望台近くに到着。本日の講師、前田徳彦さんが出迎えてくださいました!

hoshi_6.jpg前田先生は平日にお仕事をし、週末に全国を飛び回る、星景(せいけい)写真家です。星景写真とは、星空と自然、風景などを一緒に映す天体写真のこと。早速、過去に撮影した星景写真をパソコンで見せてくださいました。

hoshi_7.jpgカメラで30秒ほどシャッターを開けた状態で撮影すると、普段は目に見えない星たちの輝きを残すことができるそうです。

hoshi_8.jpg前田先生がこれまで撮影してきた一枚一枚を、皆さん食い入るように見ています。

hoshi_9.jpgひと通りの写真を見た後、前田先生から『皆さんが住んでいる所からは、どれくらい星が見えますか?』という質問が。

いぶきくん「星は見えるけど、少ない!」
前田先生『なんで少ないか分かる?』
いぶきくん「分からない!」

前田先生『それは、空が明るいからです。家やコンビニ、町の明かりなどで星が消えてしまうのです。反対に、田舎のような星を邪魔する光がないと綺麗に星が見えます。山の中でも月が出ていると星は見えません。これを見てください』

hoshi_10.jpg前田先生『これは世界地図です。白くなっているほど明るい地域ということです。こう見てみると日本は世界的にも明るい国ですね。北半球に明るい国が集まっていますが、それは北半球に文明が集まっているということです。南半球は明かりが少ない上に塵も少ないので、満月が出ていても天の川が見えるほど美しい星空を見ることが出来ますよ』

とても勉強になるお話に「おぉ~」と感嘆の声が上がります。それぞれのボルテージが高まってきた所で、星空の観察へ出発です!

展望台へ登ると、そこには"地上の星"が広がっていました。

hoshi_11.jpg普段であれば美しい夜景に目を奪われてしまいますが、今回のメインは星空。目線を上に移動してジッと目を凝らします。

hoshi_12.jpg星座観察用の双眼鏡でも星空をチェック!(機材協力:株式会社ビクセン)

hoshi_13.jpg少しずつ目が慣れてくると、今度は子どもたちから質問の嵐が始まりました。

いぶきくん「先生、あの明るい星は何?」
前田先生『あれはシリウスという星で、全天で一番明るい星だよ』

かほちゃん「一つだけオレンジ色の星がある!」
前田先生『よく見つけたね!あれはペテルギウスという星だよ』

子どもたちから質問に、一つ一つ丁寧に答えている先生から素敵な情報が。

『星の知識がなくても星座が分かる便利なアプリがあるんです!こうやって空へかざすと、星座の形と名前を教えてくれます。星座早見表のようなものです』

hoshi_14.jpgこちらのアプリは、いぶきくんのお父さんも使用したことがあるようで、かなりの優れものだそうです!

『ちなみにこれは天体観測用ライトです。赤と白のライトがあり、用途によって色を変えます。今からこれを使って皆さんと星空を撮影したいと思います!』

hoshi_15.jpgライトで少しだけ照らしながら、5秒ほど停止した状態で撮影した前田先生の写真がこちら!

hoshi_16.jpg動いてしまった部分はブレてしまいましたが、秩父の夜景と星空がしっかりと映った贅沢な一枚です。
バックを秩父の夜景から木々に変更すると、まるでプラネタリウムの中で撮影したような満天の星が空を埋め尽くしています!

hoshi_17.jpg目には見えないだけで、これだけの星が私たちの上で輝いているのかと思うと幸せな気持ちになります。

思い出に残る写真が撮影できたところで、本日の体験は終了です
いぶきくんとかほちゃんに感想を聞いてみました。

いぶきくん「双眼鏡で見た星が、すぐ近くにあるみたいで凄かったです!先生が色んな星座を教えてくれたのが楽しかったです!」

かほちゃん「よくお家で星を見ていたけど、今日はいつもよりたくさん綺麗な星を見られて嬉しかったです。これからも星空を見たいと思います!」

最後に前田先生から伺った星空観察の2つのポイントと、この日撮影した星景写真をご紹介します。

◆星空観察の2つのポイント

1つ目は、星空を見ている最中に携帯の画面を見ないこと。暗闇で目が慣れるまでには、1時間程度かかると言われています。目を慣らしている最中は、携帯の強い光を見ないように心がけましょう。

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つ目は、むやみにライトを照らさないこと。近くで星を見ている人や写真を撮っている人がいる時に、ライトを当てるのはマナー違反です。もちろん安全第一ですが、むやみやたらに周囲を照らさないように注意しましょう。

前田先生『ただ、"綺麗だね~"と眺めているよりも、自分の星座を見つけたり、聞いたこともない星座を見つけたりすると時間を忘れて星空を楽しむことが出来ます。便利なもの(アプリなど)はどんどん活用して、日常に"星空を見る機会"を増やしてほしいです』

◆今回撮影した前田先生の作品

hoshi_18.jpg秩父市の夜景と春の星座

hoshi_19.jpg秩父ミューズパーク展望台のモニュメントと沈む冬の星々

hoshi_20.jpg秩父市の夜景と昇る月

星空の下で見つめ合い、お互いを想い合える関係も素敵ですが、同じ星空を見て、同じ未来を想像できる関係はとても尊い存在です。

他にはない特別な時間を、大切な誰かと共有したい方へ。電車でちょっと遠出して、星空旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか?

hoshi_21.jpg秩父ミューズパーク展望台のモニュメントと春の星々