10年に渡る修行を経て念願のお店をオープン

ひっきりなしに訪れるお客さまで賑わう「boulangerie Kishimoto」(以下「キシモト」)。

オーナーシェフである岸本さんはもともと料理人を志しており、調理師免許を取得できる高校を選択しました。しかし高校3年生の時、レストランでの実習の折に間近で見たパン作りに衝撃を受けたそうです。

「オーブンの中で生地がみるみる膨らんでいくのが面白くて。それまでパン作りについてはまったく知らなかったのですが、興味がすごく湧いて、パン職人になろうと決意しました」。

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修業を兼ねて岸本さんが従事した店が、倉田シェフ率いる名店「デイジイ」でした。8年におよぶ修業を経て、独立後の店のあり方や目指すべき方向性を探るため、倉田シェフの甥にあたる児玉シェフが腕を振るう横浜の人気店「ボンヴィボン」へ。そこでも2年間修業したのち、2013年に「キシモト」をオープンしました。

リニューアルのコンセプトは"町から浮いた存在"

2020年は店舗をリニューアル。以前は木目調のナチュラルな雰囲気が印象的でしたが、現在はブーランジェリーの名にふさわしいスタイリッシュ感あふれる店構えになりました。「デザインのコンセプトは『町から浮いた存在』。『キシモト』でパンを買うことがステイタスだと感じてもらえるような、おしゃれな雰囲気にしたかったんです」と岸本さんは話します。

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外観にはあえて店名を入れず、テントと入口脇の真鍮プレートだけにそっと「Kishimoto」のサインが。内装は一見シンプルですが、ひとつひとつの調度品やインテリアにこだわりが感じられます。例えば照明のシェードの代わりには麦の穂が用いられており、ランプはなんとイカ釣り漁船用のライト。テーブルには工事現場などで利用される古木を用いています。遊び心を大切にする岸本さんならではの仕掛けが店内の至るところで楽しめます。

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食感にこだわったベストな生地作りを目指して

「キシモト」では粉の選定から配合まで、化学的に考えながら常にベストコンディションを目指して生地作りを行っています。「具材がどんなに高級でおいしくても、生地がおいしくなかったら台無しですからね」と岸本さんは語ります。

以前は100種類以上のパンが店頭に並んでいましたが、よりおいしいパン作りを追求した結果、現在では7080種類に。「メニュー数を絞ることで、具材まで手作りにこだわったパン作りが実現できるようになりました」とも教えてくれました。

一番人気の「究極のカレーパン」(248円)は、スパイスや具材の量に試行錯誤を重ねて完成しました。生地は湯種(ゆだね)を用いてもっちりと仕上げています。さらに、砂糖未使用のパン生地で作ったパン粉を使用し、じっくりと揚げることでザクザクの食感を持続させているのだそうです。

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続いて人気があるのは「湯種のクリームパン」(216円)。もっちりとした食感の記事と、コクのある濃厚なカスタードクリームが楽しめます。オープン当初からある「生クリームあんぱん」(162円)も定番。十勝産の上質な小倉あんと生クリームのマリアージュが絶品です。

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絶対に食べてほしい自慢のパンを伺ったところ、「バゲット・トラディション」(302円)を紹介していただきました。低温長時間発酵で作るバゲットは、通常のフランスパンよりも水分を多く吸い込ませて冷蔵庫で寝かせ、ゆっくりと熟成させているとのこと。手間を惜しむことなく作られたバゲットは、酵母のやさしい香りと粉の旨みを堪能することができます。

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2020年のリニューアルを機に、焼き菓子メニューも豊富になりました。「たとえばクリスマスの時、ケーキはケーキ屋で、フランスパンはパン屋で、チキンは肉屋で......と、何軒も回るのは大変ですよね。パン屋で焼き菓子も買えるようなったらお客さまに喜んでいただけるかなと思い、商品を増やしました」と岸本さん。今後の展開も楽しみです。

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※価格はすべて税込
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