アニメ製作スタジオにあるミュージアム
東映アニメーション株式会社は、現存する日本最古のアニメーション製作会社。今も作品が製作されている大泉スタジオの一角を「東映アニメーションミュージアム」という入館無料の企業博物館にしています。
東映アニメーション(東映動画)は1956年に東映株式会社の子会社として誕生。当時テレビはモノクロ放送が始まったばかりで、娯楽の中心は映画でした。1958年、同社は日本初の長編フルカラーアニメーション映画を製作します。
今回案内してくださったのは、東映アニメーションの広報・コンプライアンス室長で、東映アニメーションミュージアム統括もされている馬場厚成さんです。
「『東映アニメーションミュージアム』の目的は企業PRと地域貢献です。今もこの場所でアニメ製作が行われているという地の利を活かし、当社のことを知ってもらうとともに、お子さまはもちろん、親世代の方にも喜んでもらい、ミュージアムを通して地域社会にも貢献していきたいと考えています。また、このミュージアムは、スタジオ内で働いているアニメ製作スタッフがお子さまと接する機会にもなっています。お子さまがアニメに反応するポイントなどを知ることができますので、間接的に作品づくりにも還元できると考えています」
気になる人気作品の設定資料やアニメの作り方を展示
ミュージアム内は、アニメの歴史や作品の製作方法などの資料を見て学ぶ「資料展示エリア」と、写真撮影可能な「フォトエリア」の二つに分かれます。
「資料展示エリア」では、東映アニメーションが手がけたアニメ作品の資料が展示されています。キャラクターの設定資料や絵コンテなど、ここでしか見られないものばかり。懐かしのアニメから最新作まで幅広く取り上げています。
中には、東映アニメーションの歴史を紹介するコーナーもあります。最初期の作品ポスターには著名なアニメ監督の名前も。
「当社は日本初の本格的なアニメーション製作会社です。それまでのアニメ製作は個人の家内工業的なものから、多くても20~30名ほどの規模で製作されていましたが、当社ができて、100名、200名といった大規模な体制で毎年のようにアニメ作品が製作されるようになりました」と説明してくださった馬場さんも、かつてはアニメ製作の現場で働いていた一人です。
「アニメ机」と呼ばれるアニメーター用の作画机は、2017年まで旧スタジオで実際に使われていたもの。作画の道具やキャラクターのクレイモデルなど、当時の様子が再現されています。
アニメ製作の現場について学べるコーナーもあります。実際に使用されていた道具や資料が多数展示されており、アニメを見ることが好きな方だけでなく、アニメ製作に興味のある方にとっても学びの多い空間です。
展示室最奥の巨大なタッチパネルでは、約500作品の情報を見ることができます。特にアニメのオープニング映像やエンディング映像を再生できる機能が大人気で、親子で楽しまれている方も多いのだそう。
キャラクターと一緒に写真や動画を撮ろう!
奥には大人気作品である「プリキュア」シリーズの「プリキュアオールスターズパネル」フォトスポットが。初代から最新作まで全87名のプリキュアたちが勢揃いしています。左側には、近づくとプリキュアに変身できるモニターもあります。
「フォトエリア」の一角にある「本コーナー」は、座ってくつろげるスペースになっていて快適に過ごせます。ここでは東映アニメーション関連の書籍を閲覧することができ、中には東映アニメーションの社史や初期の作品がカラーで掲載されている貴重なものもあります。
帰る前に立ち寄りたいのは、エントランス横にある「ミュージアムショップ」。定番のアニメグッズはもちろん、ミュージアム限定商品やアニメ製作の道具をモチーフにしたグッズ、レアアイテムも取り扱われています。好きなキャラクターに自分の名前と日付が入れられる記念メダルは、来館の記念にぴったり。
東映アニメーションの作品は日本のみならず世界中にファンがたくさん。子どもたちへの夢と希望が創造される場所で、アニメーションの魅力を再発見してみませんか。
※体験内容や展示内容などが変更になる場合がございます。