370年以上の歴史がある「川越まつり」を知る

毎年10月の第三日曜日とその前日に開催される川越まつりは、江戸時代から約370年以上も続く、歴史と伝統あるお祭りです。国の重要無形民俗文化財に指定されており、2016年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
そんな川越まつりを紹介するこの「川越まつり会館」は2003年に開館し、2024年3月にリニューアルオープンしました。

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川越まつりは川越の街が一年で最も賑わうイベント。2023年のお祭りには約56万人の方が来場したそうです。
今回は観光施設担当の山田英司さんに施設内をご紹介いただきました。川越まつりの賑わいや熱気を体感できるこの施設を、さっそく回ってみましょう!

没入感が高まる工夫がもりだくさん

館内に入り、まず受付を済ませます。海外の観光客の方も来館するため、受付では多言語音声ガイドの貸し出しを行っており、英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、タイ語と幅広い言語に対応しています。

エントランスホールへと進むと、フォトスポットが目に入ります。ここでは川越まつりのワンシーンを背景に、はんてんや提灯を持って撮影することができます。「若い世代の方にももっと来館いただきたいと思い、リニューアルオープンにあたって新設しました」と山田さん。

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エントランスホールを抜けると、蔵造りの建物が立ち並ぶ一番街をイメージした通路が現れます。モニターでは、朝囃子や川越まつり当日の町並みの様子などの映像が流れています。

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通路を進むにつれてだんだん照明も暗くなり、夜へ向けてお祭りの盛り上がりを感じさせます。

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通路を抜けると、川越まつりで曳かれる山車(だし)の実物が展示されているホールにたどり着きます。山車の大きさを体感でき、精緻な装飾も間近で見ることができます。

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展示している山車2台は実際に川越まつりで使用されているもので、年に4回入れ替えているのだそう。取材時には喜多町の「秀郷の山車」と宮下町の「日本武尊の山車」が展示されていました。山車は、古いものは江戸時代末期につくられたものもあるとのこと。漆を塗り変えたり部品を付け加えたりと、定期的に改修しながら美しさを保ち、今日まで使用され続けているのです。

展示されている山車の反対側には、縦4.7メートル×横8.7メートルの大きな3面スクリーンがあり、川越まつりの実際の様子を映像で紹介しています。川越まつりの歴史や伝統を学ぶと同時に、お祭りの熱気も感じることができます。

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3面スクリーンでの上映が終わると、次は反対側の2台の山車の間にあるLEDビジョンから、街中を進む山車の映像が流れます。実物と映像、そして迫力ある掛け声も相まって、お祭りに実際に参加しているかのような気分が味わえます。

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2階は展示コーナーになっています。川越まつりやお囃子の歴史を、年表パネルや資料で学ぶことができます。

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展示室を抜けて通路を進んでいくと、川越まつりの歴代のポスターが壁にずらっと飾られています。昭和57年のものから展示されているので、時代とともに変化していく様子を見ることができます。

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ポスターの間には、川越まつり会館が主催している「川越まつり写真コンクール」の入選作品も展示されています。お祭りで良い写真が撮れたという方は、ぜひ応募してみてはいかがでしょうか。

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さらに奥に進むと、川越まつりで一番の盛り上がりを見せる「曳っかわせ」を映像で体験できる展示室があります。「曳っかわせ」とは、山車と山車が出合ったときに、お互いに向き合って囃子と踊りを披露し合うもの。とくに夜の曳っかわせは、周りの人たちが提灯を振り掲げて歓声を上げるなど、非常に盛り上がります。
「川越まつり最大の見どころのひとつである『曳っかわせ』の迫力を、この映像でイマーシブ体験をしていただきたいと考え、リニューアルの際に新設しました」と山田さん。暗闇で揺れる提灯の明かりや囃子、人々の歓声が入りまじった映像が全面に映し出され、リアルに感じることができます。

実物の山車をはじめ、趣向を凝らした展示や映像で川越まつりを体感できる「川越まつり会館」。お祭りは年に一度ですが、会館を訪れればいつでも川越まつりの賑わいと熱気を味わうことができます。川越に来たら、ぜひ一度訪れてみてください。

※営業時間などが変更になる場合がございます。