手軽かつガラスやプラスチックも継げる万能性

少人数制のアットホームな雰囲気のサロンにお邪魔すると、講師の木曽みどりさんが出迎えてくれました。もともと植栽管理の仕事をしていた木曽さんは、花や植物を壁掛けのバスケットに飾る「ハンギングバスケット」などを制作しており、また同時期にグルーデコ®との出合いもあって、2016年にフラワーアレンジメントとグルーデコ®の教室「サロン ド ミル」を開講しました。

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サロンドミルの「ミル」とは、和色名の海松色(みるいろ)が由来となっています。海松とは藻の一種のことで、木曽さんのお名前が「みどり」ということもあり、教室名に取り入れたそう。

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「グルー継ぎ®」とは、割れたり欠けたりした器を捨てるのではなく、修復することで長く使っていくハンドメイドです。材料は「wGlue®(ダブルグルー)」という粘土でできた接着剤のみ。手軽に、どなたでも器の修復が可能です。

グルー継ぎ®が誕生した経緯を木曽さんは次のように語ります。
「グルー継ぎ®の技術を一般の方々にも広めていこうと『グルー継ぎ®認定講師講座』が立ち上がったのが2023年です。私はその1期生で、2023年11月に資格を取得しました。グルーデコ®で使用するダブルグルーは接着剤なので、壊れたものを直すのにも使えるというところからグルー継ぎ®が始まり、粘土の成分を調べて安全性を確認した上で、一般向けに広がっていきました」

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およそ120分のレッスンでは最初に、木曽さんからグルー継ぎ®の流れなどが説明されます。短時間で手軽に継ぎができるところが、グルー継ぎ®の魅力のひとつと言えます。

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「日本の伝統工芸である金継ぎは、漆を接着剤代わりにするのでお金も手間も時間もかかるのですが、グルー継ぎ®は材料がダブルグルーひとつだけですし、作業から24時間経てば硬化するのですぐに使用できます。水にも強いので、継いだ食器は食洗器にもかけられますし、手軽に普段使いできるところが魅力だと思います。それに、硬いものならガラスもプラスチックも継げるんですよ」

グルーは薄くのばすのがポイント。補強でもう一度塗って完成

それではさっそく実践に入ります。使用するグルーは「A剤」と「B剤」を1:1の割合で混ぜ合わせることで化学反応が起こり、硬化が始まります。まずはA剤とB剤を量るところから。

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このレッスンの食器に使用するのはそれぞれ0.05グラムずつとごく少量のため、とても繊細な作業です。

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次に、ビニール手袋を着用してからヘラを使ってアクリルプレートの上でよく混ぜていきます。時間は3分間。このダブルグルーの色は全部で28色もあり、好きな色を選ぶことができます。器と同系色にして継いだ部分を目立たなくするもよし、差し色としてアクセントにするもよしです。今回はゴールドのグルーを使用しました。

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混ぜ終わったら、割れた器の断面の角にやすりがけをします。

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次に、割れた破片にもやすりをかけます。粉が飛び散らないように、やすりは水で濡らして行います。

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いよいよ竹ベラを使って、食器と破片にグルーをのせていきます。割れた部分をそのままの形で修復したいため、ダマになって浮かないように、薄くのばしていくことがポイントです。

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それぞれのパーツを組み合わせていきます。欠けた破片を器にのせ、ピタッとハマるところを探っていきます。余分なグルーはウエットティッシュで拭き取り、接着面の表と裏をマスキングテープで固定します。

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常温だと硬化まで24時間待つ必要がありますが、加熱すると硬化が促進されて30分程度で固まるため、タオルウォーマーに入れて温めます。

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硬化を待つ間はハーブティーをいただきながら休憩タイム。木曽さんが育てられたハーブを使ったお茶は、すっきりと爽やかな味わいでした。
硬化が終わったら器を取り出し、10分~15分冷まします。

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マスキングテープを剥がしたら、割れた溝に沿ってふたたびグルーを塗り、補強を行います。削れて穴が開いているところにはシリコンブラシや爪楊枝などを使って、グルーを詰めていきます。

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余分なグルーを拭き取り、ふたたび常温で24時間、もしくはタオルウォーマーに30分入れて硬化させれば完成です。

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レッスンでは、割れてしまった器を持ち込んで修復することもできます。
「継いだものも、毎日のように使っていればまた取れてしまうことがあります。でもそうなったらまた継ぎ直せばいいですし、次は違う色で継いでみるのもいいかもしれません。 そうして持続可能な世界をつくっていけるので、もっとグルー継ぎ®が広まっていけばいいなと思います。グルーは直すためだけではなく飾りとしても使えるので、器やカップを装飾する楽しさもありますね」と木曽さん。
「サロン ド ミル」で、楽しくグルー継ぎ®を体験してみてはいかがでしょうか。

※価格はすべて税込
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