模型やゲームで練馬区の名所や工芸品、自然を発見

2010年3月に開館した「石神井公園ふるさと文化館」。館内をご案内いただいたのは、副館長の渡邉嘉之さんです。

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さっそく館内に入ると、1階の片面の壁はガラス張りになっていて、広々とした明るい雰囲気です。
1階は「練馬区の歴史や自然を発見してもらいたい」というコンセプトで設計されており、会議室などの貸し出し施設もあります。

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まずは展示スペースを見ていきます。目にとまったのは、練馬区の立体模型地図。区内の名所や、小学校や美術館などの施設名が書かれたボタンを押すと、地図上のランプが点灯し場所が分かります。

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地図の並びにあるタッチパネルでは、「自然」や「まちなか」などジャンルを選んでクイズを解くことができます。編集部が苦戦していると、「練馬区民の子どもたちは楽々全問正解できますよ!」と渡邉さん。

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タッチパネルの反対側には、公園にある自然の素材を活かして作品を紹介したり、ぬり絵で絵はがきが作れたりするコーナーがあります。小学生のお子さまに人気なのだそう。

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見て、触って、体験! 練馬区の歴史をさらに深掘り

2階には、練馬区の歴史や伝統を深く学べる貴重な資料が展示されている常設展示室があります。
他に、区の歴史や自然などに関する図書の閲覧・学習ができる「交流ライブラリー」や企画展示室もあります。

常設展示室は、旧石器時代から江戸時代以前、農業が発達し始める江戸時代、鉄道が開通し都市に変わって練馬が「まち」となった近代、そしてアニメーション産業が盛んになった現代、と順を追って展開されます。

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練馬区といえばまず忘れてはならないのが、練馬大根です。「当時の練馬大根は生で食べると苦いので、漬物にして食べるのが一般的でした」と渡邉さん。大根を大量に漬けるために使われていた樽の原寸大再現も設置されています。

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練馬大根の展示を抜けると、農業が発展していく練馬の歴史が学べる展示になります。

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展示されている民具は、見るだけではなく実際に手にとれるコーナーもあり、楽しみながら歴史を学べます。

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また、床には練馬の航空写真の地図があり、マス目ごとに番号が振られています。同じ番号のアクリル板を当てはめると、昔の練馬の土地を透かして見れるようになっています。「自分の家がある場所が、昔はどんな場所だったのかを確認する区民の方が多いです」と渡邉さん。

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練馬区を含む東京都北西部の多摩地域、いわゆる武蔵野では、小麦の栽培が盛んで、冠婚、お盆、行事など特別な日にうどんが振る舞われていました。これが「武蔵野うどん」の発祥元。渡邉さんは「特別な日には男性がうどんを打って食事の準備をし、女性を家事の仕事から解放して実家に帰してあげるという意味もあったそうです」と話します。

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「これがこの館で一番有名な資料かもしれません。ずっと写ししかなかったのですが、1996年頃の資料整理のときに原本が見つかったんです」と渡邉さんが教えてくれたのは、「江戸上水配水図」という、江戸中期の配水状況が分かる地図です。玉川上水や神田上水がそれぞれどの地域へ流れているのかが細かく記されています。

次の展示スペースでは、鉄道が開通し農村から「まち」へと変化を遂げる練馬区を体感できます。

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けん玉やオセロゲームなど当時のこどもたちの遊び道具が置かれていたり、当時の生活を再現した展示があったりと、昭和の時代にタイムスリップしたような気分になれるこのコーナーです。

最後は、新しくアニメーション産業が入ってきた現代の練馬区に関連する展示です。貴重なマンガ本や、アニメ制作に使われていた機器などが展示されています。

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2023年4月には、『JIN―仁―』などの作者である漫画家村上もとか氏が当館の新館長に就任しました。いま練馬区では映像文化振興に力を入れているので、今後、常設展だけでなく企画展でも漫画やアニメを取り入れていきたいと考えています」と渡邉さん。

外には民家も! 井戸汲み体験もできる

本館の外に出ると、明治20年代初めに建てられた「旧内田家住宅」があります。2007年に建物をいったん解体して必要な調査を行ったあと、「石神井公園ふるさと文化館」の屋外展示施設として、2010年にこの場所へ移築復元されました。

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「こどもたちがよく遊びに来ますが、特に外にある井戸が人気です」と渡邉さん。実際に井戸で水を汲みだすことができます。

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また本館1階には、武蔵野の地で採れた小麦をブレンドした武蔵野うどんがいただけるお店「エン座」があります。展示を見て学んだあとは、練馬の伝統的な故郷の味をぜひ味わってみてください。

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歴史を学ぶだけでなく、見て触って体験もできる「石神井公園ふるさと文化館」。区民の方も区外にお住まいの方も、夏休みや秋の連休を利用して、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

※営業時間、販売商品、価格などが変更になる場合がございます。