吹き抜けのロビーは静謐で心地よい空間

練馬区立美術館は、1985年10月1日に開館。日本の近現代美術作品を中心に5,500点ほど所蔵しており、寄託作品を含めると7,500点にものぼります。斬新な視点や独自の切り口でさまざまな展示を開催しており、現在はおおよそ二年先までの企画展が決定しています。
今回は副館長の毛利さんに案内していただきました。

_Q5A6464.jpg建物の1階に併設されている「貫井図書館」では、これまで行われてきた展示の図録や美術関連の書籍も多数取りそろえられていて、美術館と図書館の共同イベントも開催されているのだそう。

_Q5A6411.jpg_Q5A6408.jpg美術館前で一際目を引くブロンズの巨大なオブジェは、彫刻家の鞍掛(くらかけ)純一さんの作品「うつるもの」。こうして作品を間近に見ることで、アートへの興味がより一層高まります。

_Q5A6368.jpg建物2・3階が美術館のスペース。こちらは3階までの吹き抜け構造になっています。大きな窓ガラスに向かったソファ席から景色を眺めて過ごすこともでき、居心地の良い空間です。

_Q5A6367.jpgロビーに展示されているのは"世界最高峰のピアノ"と称されるスタインウェイ社の1877年製スクエアピアノ。
「このピアノは今でも弾くことができ、このロビーでピアノコンサートを開催することもあります」と毛利さん。どんな音色が聴けるのか、とても気になります。

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近現代の美術作品を集めた企画展を開催

作品の展示室は3つで、3階から2階へと降りてくるのが今回の展覧会の順路。まずは階段を登り、右側の展示室1に入ります。
「戦後50〜60年代の作品が中心で、抽象的な作品が多く見られます。今回の企画展は作品の制作年代順に並んでいます」と毛利さん。時代の移り変わりと、それに伴う表現の流れを感じることができます。

_Q5A6372.jpg_Q5A6376.jpg展示室1を抜けると、ガラス窓と吹き抜けに面した渡り廊下になっていました。こちらでゆっくりと休憩される方も多いそう。

_Q5A6384.jpg渡り廊下の先にあるのは展示室2。こちらでも引き続き企画展を楽しみます。

_Q5A6389.jpg_Q5A6394.jpg階段を降りて右手にあるのが展示室3。こちらは1990〜2000年代の現代作家の作品が展示されています。

_Q5A6402.jpg練馬区立美術館ではこうした企画展のほか、親子やお子さんを対象とした体験型イベントも開催中。0〜2歳のお子さまとご家族に向けた展覧会鑑賞プログラム「あかちゃんと家族の鑑賞会」や、3~6歳と保護者を対象とした「トコトコ美術館」などが行われています。

実際に絵を描いたり色を塗ったりという体験イベントは館内の「創作室」で開催されます。美術館の中で美術作品づくりができるというなんとも貴重な体験! いずれもメールまたは往復はがきによる事前のお申し込みが必要です。

美術館の外でも楽しめるアートな風景

練馬区立美術館の周りは「練馬区立美術の森緑地」になっていて、緑豊かな公園の中に動物をモチーフにした彫刻などが32体配置されています。やわらかなフォルムやポップなカラーの動物から、まるで本物のようなシルエットの動物たちも。リアルな造形のクマは迫力満点!

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駅からの道沿いには大根を思わせる馬のオブジェも。ユーモアのある作品がいっぱいです。

_Q5A6430.jpgこちらは練馬区立美術館のロゴマークから誕生したキャラクター「ネリビー」。敷地内には他にも色が異なるネリビーが潜んでいるので、ぜひ見つけてみてください。

_Q5A6421.jpg中村橋駅付近には賑わう商店街や公園もあり、暮らしやすい街だと話してくれた毛利さん。練馬区立美術館も街を盛り上げるため、地域とともにさまざまな企画を行っています。
「これからもものづくりやワークショップ、お子さま向けの鑑賞ガイドも企画予定です。ぜひ若い世代の方にもお越しいただきたいです」。

都心からのアクセスもよく、気軽にアート作品に触れられる練馬区立美術館。美術に詳しい方もそうでない方もお楽しみいただけるので、お子さまの美術館デビューにもぴったりです。


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