パン屋になったのは、たまたま?

オーナーの堀野正彦さんは、若いころにパン屋の製造のアルバイトをして以降、今日までずっとパンをつくり続けてきた。

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「当時はバブル期でしたから、フリーターのままでずっといられてしまうような雰囲気がありました。だから、パン屋になったのはたまたまなんです」
とはいえ、パン屋の雰囲気がもともと好きでパン屋の求人を探したというから、アンテナは張っていたわけで、この道に入ったのはまったくの偶然というわけではなさそうだ。

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地元に自身の店をオープンしたのは2003年。当時は周辺に同業者が少なかったこともあり、開店当初から比較的順調に営業してきたという。そして2015年、それまで販売だけだった店にイートインを併設した。

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店に入ってすぐ販売コーナーがあり、いちばん奥には堀野さんがパンをつくる厨房が。その間の空間、厨房だった大部分がカフェに変わったのだ。以前に比べると格段に狭くなった製造スペース。なぜそこまでして、イートインをつくったのだろう?
「ずっとカフェをやってみたかったんです。お客さまに学生さんや主婦の方が多かったので、喜んでもらえるかな、と」

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うまくできて、当たり前

パンづくりのおもしろさを問うと「うーん、うまくできて当たり前のところがありますからね(笑)。それよりも、常連のお客さまがついて毎日のように来てくれるとか、初めてのお客さまがまた来てくれたとか、そういうことが嬉しいですね」と堀野さん。

そもそもアルバイトの時代から、自分がつくったものをお客さまが喜んで買ってくれるところにやりがいを感じていたそう。つまり堀野さんはパンそのものよりも、パンを介したお客さま=人間に興味があるということではないだろうか。販売しているパンの持ち込みとドリンクで展開している現状のカフェメニューをもっと手をかけて充実させたいと考えているのは、お客さまに満足してもらいたいからに違いないのだから。

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※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。
※写真、記事内容は取材時(2016年12月28日)になります。