2人でできること。それがパン作りだった

1995年に始めて、今年で26年目を迎える。「そのころはまだ電車が下を走っていたんですよ」とご主人の大野和彦さん。元々はこの界隈で電気工事屋をやっていたが、もし何かあって体を壊してしまったら、妻のみさ江さんは困ってしまう。それならばと、夫婦2人で商売を始めようと思いついた。

パンづくりの教室で免許を取り、友達を集めて教えていたというみさ江さんとともに、お店をスタート。今では和彦さんとともに夫婦2人でパンを焼く。

bbdad590c015d11462f8ceec576e7f93.jpg

88d8b67ac730cd8b0fee53050b1e2244.jpg

食パンは種類豊富。角食や山食だけでなく、高食(高級食パンの略)や大豆イソフラボン、天然酵母のパンなども日替わりでそろう

8300a31d4e255e80f4a10ef3b8dcf1fb.jpg

お惣菜パンも豊富。午前中で売れてしまうため、午後は品数が少なくなってしまうそうだ。

アイデア炸裂! オリジナルパンが楽しい

昔は120種類もあり、いまは100種類ぐらいに落ち着いたというが、種類豊富でどれにしようか迷ってしまうほど! 「関東風お好み焼き」(259円)や、唐揚げとゆで卵がのった「親子ちゃん」(183円)などユニークなパンも多い。

「どうしても増えちゃってね。もう辞められなくなっちゃった(笑)。 どれかがどーんと売れるんじゃなくて、平均的にみんな売れるからね。『あれがほしい』と来てくれるお客さまのために作っていますね」。

新しいパンのアイデアは、デパートやスーパーにいってヒントをもらう。お惣菜を見て、「これパンに入れたらおいしいだろうな」と考える。いちご大福を見た時に思いついたという「いちご大福」というパンもある。パンは何でも合わせられる万能選手。あとはアイデア次第でいかようにもオリジナルなパンを生み出せるのだ。

fe651d3a14d5ba51f972bb035f678ffb.jpg

つぶつぶのいちごクリームとおもちが中に入った「いちご大福」は不思議な食感!

2773992979e10cd428470676d4b59ffc.jpg

あん、バター、ジャムなどを挟んで食べるコッペパン。なつかしい味に女性や年配の方などのファンが多い。

f411b56d6cf8bf09f83830a11645080a.jpg

パン屋は「町の百姓」

パン屋の朝は早い。朝の3時から仕込みを始める。前職のころであれば徹夜していた時間だ。7時からお店を始めるためには、どうしても朝早くなるのは仕方がない。「朝から焼きたてのパンを食べられるのがやっぱり幸せだよね」と和彦さんは微笑む。

「今は起きるのが仕事だね(笑)。パン屋さんは『町場のお百姓さん』って言われるんですよ。パンはすぐにできるわけじゃないから、ひとつのものにどうしても3時間ぐらいかかってしまうからね」。

この26年もの間に電車は高架に代わり、高架下には店が増えた。そうやって環境が変わったことで、売り上げが減ったこともある。けれど「お客さまの選択肢が増えることはいいこと」と和彦さんさんは言う。

「65歳に近くなってきて、あと何年できるかなってこのごろ考えるんですよ。母ちゃんと2人で歩けるうちに旅行に行けるといいなと思ってるから、そろそろかなってね」。

予約はひとつからでも受け付けているし、近隣の保育所にもパンを届ける。無料でコーヒーをふるまったりと、常にお客さまのことを考えてきた。けれど、そろそろ自分たち自身のこれからを考えるタイミングなのかもしれない。どうかふたりで無理なく、お店をできるだけ続けていってほしい。

27b961e20a2dd9718a2e07e5336c1562.jpg

「ラウンド」と呼ばれるパン。ちぎってそのまま、スライスして何かを挟んで食べても。

d28cc814bac2870b130455552be81e50.jpg

564298d3f6e281fc6d1e85e0ca695d0a.jpg

ご夫婦で力を合わせて「おいしさを焼きあげる」。

※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。
※写真、記事内容は取材時(2018年2月7日)になります。