卵を使わないパンを作りたい

アレルギーがあって市販のパンが食べられない。相原万里さんは自身のこどものため、卵なしのホットケーキを焼いたり、アレルギー対応のパンを取り寄せたりと日々試行錯誤していたが、「大変なんですよね。食パンのように置いておけて、もっと気軽に食べられるものは何かないかなって」。そこでインターネットで「パン、卵、乳、なし」と検索。ヒットしたのがベーグルだった。

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自分なりにレシピを工夫して試作を重ね、家族においしいと太鼓判を押されて、ベーグルづくりは習慣となった。そのうちママ友たちのリクエストにも応じるようになり、ノルマはいつしか50個を超す事態に。仕事や家事の合間に主婦がつくるレベルではなくなってしまっていた。

趣味のベーグル作りを仕事へ

そのとき持っていた(今も自宅で活躍中の)オーブンで焼けるのは、一度に4個まで。限界を感じて策を講じたのは、大きなオーブンを購入することではなく、一気に50個のベーグルが焼ける場所を借りることだった。

そうして、一橋学園駅至近のシェアキッチンが「M's oven」スタートの場となった。勤めは継続しつつ、週2日はシェアキッチンに立つように。ベーグルを焼き、その場で販売もするうえに、併設のイートインスペースでドリンクも提供していたそうだ。それらをすべてひとりでこなしていたというから驚いてしまう。

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もともとは趣味で焼いていたベーグル。しかしあるとき、「体調を崩して退職することになって。自分のやりたいことはなんだろうってあらためて考えたら、ベーグルだったんです」。⾝体は丈夫な相原さんが体調を崩したのは、後にも先にもそのときだけだったそう。「あれがなかったら、いまでも私は会社勤めをしていたと思います」。ベーグルに懸ける覚悟を、期せずして体調不良が後押しした格好となった。

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理想の物件で独立店舗をオープン

シェアキッチンから独立し、「M's oven」を地元にオープンしたのが2017年4月。
「店をやるならこの場所と決めていました」。踏切を挟んで自宅と保育園があり、毎日通る道にある、ずっと気になっていた物件。いつか空くのを虎視眈眈と狙っていた。
「踏切の手前なので通行人の足が止まるし、前が開けていて店内に日差しが入ってくる感じも気に入って。何より自宅の近所ですしね」。

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物件が空くまで2年ほど待ったが、その間続けていたシェアキッチンでの営業でお客さまがしっかりついたのだから、いきなり新規オープンするより、かえってよかったのかもしれない。
「シェアキッチンのときのお客さまもわざわざ来てくださるし、その方たちのご紹介でこの近隣の方々もいらっしゃって。おかげで開店当初から行列ができてしまったんです」。

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開店して2ヶ月が経ち、だいぶ落ち着いてきたところで、先のことも考えられるようになってきた。いずれはカフェスペースをつくりたいと相原さん。
「べつにお店を大きくしたいわけでも、多店舗展開したいわけでもないんです。ただ自分がいつもここにいることで、会いにきてくれる人たちがいる。拠点をもって本当によかったと実感しています。だから、その人たちにゆっくりしてもらえる場所があったらいいなって」。

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遠くない将来、それはきっと実現されるのだろう。だって、こどもが食べられるものを探してたどり着いたのもベーグル、自分が続けられる生業の選択を迫られてたどり着いたのもベーグル。今はまだ目に見えていなくても、ベーグルで幸せになる道を、これからも歩んでいくのだろうから。

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