ハード系から菓子パン、総菜パンまで多彩にそろう

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店内も大人が2、3人入るといっぱいになるほどコンパクト。細長い空間の中に、約30種類のパンが整列している。艶やかな焼き色のあんぱんやクリームパン、ぽってりと素朴な表情をしたハード系のパン、そしてボリューミーな惣菜パンの数々。深呼吸したくなるほどのいい香りに、胸が高まる。

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厨房ではご主人の栗原喬之さんが黙々とパンを焼き、奥様の久美子さんが主に接客を担当する。川越生まれ川越育ちのお二人。「地元の方に日常的に親しんでもらえるお店をやりたくて」。そんな思いで、二人三脚でまかなえる小さなベーカリーを2013年に開いた。

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定番のおいしさに、創作のひと工夫を

どれを選ぼうかと目移りしていると、栗原さんが「開店当初からこれが一番人気です」とすすめてくれたのが「マスカルポーネクリームパン」(210円)。口どけのいい生地の中には、マスカルポーネチーズを混ぜ込んだ自家製カスタードがたっぷり。濃厚なコクの後にふわりと広がる、マスカルポーネの爽やかな風味がたまらない。夢中でむしゃむしゃ。一瞬で、このクリームパンの虜になってしまった。

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栗原さんは洋食店の料理人から転身した経験から、「定番のおいしさを大切にしながら、そこにひと工夫のアレンジを考えるのが楽しい」と話す。その感性が発揮されたパンの味わいは、"あれをまた食べたい"と深く記憶に残る。

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「BREADMAN」ではパンによって粉を使い分ける。たとえば食パンにはクセがなく飽きのこない北海道産小麦を、惣菜パンなどのセミハード系には歯切れが良くなる外国産の粉を、そしてスイーツ系のパンには風味豊かな埼玉県坂戸市産の地粉「ハナマンテン」をブレンドして使う。
ひとつひとつの生地が確か。だからパンの個性が生きるのだろう。

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取材が一段落したタイミングで、またまた心を惑わす香りが......。「ちょうど今、山食パンも焼き上がりましたよ」。おお、何たる芳しい匂い、そして何たる凛々しい姿だろうか。食べる前からおいしさが伝わってくる。しかしながら、山食パンは完全予約制とのこと。こちらは次回訪問の楽しみにとっておくとしよう。ご近所さんが羨ましい。

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店名はあの国民的キャラクターから

こうして毎日食パンを買いに来るご近所さん、お昼休みにやって来る近隣の会社の人、学校帰りに立ち寄っていく学生さんなど、リピーターは幅広く増えていった。オープンから5年経ち、休日には遠方から訪れる人も少なくない。小さな店舗に吸い込まれるようにお客さまが入っては、皆笑顔で出てくる。

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ちなみに店名の「BREADMAN」は、あの国民的キャラクター「アンパンマン」の英語表記「アンブレッドマン」から名付けたそう。「こどもからお年寄りまで喜んでもらえる、温かい店に」。ご夫婦の理想は、この場所でかなえられつつある。

※価格はすべて税込
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