横道に入ると現れるプチトルコ
観光客でにぎわう川越一番街商店街の大通りから横道を少し入ったところに「トルコバザールカフェ」はあります。大きなメニュー看板とトルコの国旗が目印です。
カフェに足を踏み入れると、そこには数えきれないほどのトルコランプが並ぶ幻想的な空間が広がります。床にはトルコじゅうたんが敷き詰められ、ここが川越であることを忘れてしまいそうです。
「店内はトルコそのままの雰囲気を出して、ゆったり落ち着いてランプを満喫できる空間にしたかったんです」と話すのは、店主のココズ・ムラットさんです。
2017年にこちらのカフェの向かいにあるトルコ雑貨とトルコランプの専門店「トルコバザール」をオープン。お店でトルコランプを見たお客さまの「美しいトルコランプに囲まれた場所でゆっくり過ごしたい」という声から、2022年に「トルコバザールカフェ」をオープンしました。
2階は古くからトルコの人々に親しまれているシーシャ(水たばこ)が吸える空間。こちらにもトルコランプが並びます。店内にある200以上のトルコランプはどれも購入OK。購入の際は置き型や吊るし型に変更できます。
トルコの雰囲気に包まれて味わう、本場トルコの味
一番の人気メニューは、香ばしく焼き上げた肉と野菜をピタパン(平たい円形のパン)で挟んだトルコ発祥のケバブと、チャイがセットになった「チャイ+ケバブセット」(1,100円)。「トルコバザールカフェ」のケバブはチキンを使用し、チキン→野菜→チキンと三層に重ねられているため、最後のひと口まで満足感があるところが特徴です。日本人の好みに合わせたケチャップ、にんにく、サウザンソースの味つけも絶妙。
トルコの紅茶・チャイは、茶葉をしっかりと煮出した味の濃い紅茶にお湯を足して作られます。チューリップ型のチャイグラスに注がれた紅茶は香り高く、すっきりとした味わいでジューシーなケバブにぴったり。
食事のあとは、トルコで古くから愛される伝統菓子「ヴァクラバ」とトルココーヒーのセット(1,300円)でカフェ時間を満喫。
ヴァクラバはトルコでお祝いや来客のときに食べる特別なお菓子。紙よりも薄いパイ生地を何層にも重ね、ナッツ類を挟んで焼き上げたものにシロップやチョコレートを染み込ませて作ります。しっとりとしたパイ生地とナッツの香ばしさのバランスが抜群で、噛むほどに生地に染み込んだまろやかなコクが楽しめる一品です。
スタッフのラシッドさんによると、トルココーヒーは極細に挽いたコーヒー豆の粉と水を一緒に沸かして作るもので、粉を濾さずにカップに注ぎます。粉の沈殿を待ち、上澄みだけをゆっくりと時間をかけながら飲むのは、トルココーヒーならでは。通常のコーヒーとは違うビターでエキゾチックな味わいがヴァクラバの甘みにマッチします。
トルココーヒーに合うもうひとつのスイーツが、トルコ名物の「トルコアイス」(700円)。もっちりとのびる不思議な食感が楽しいアイスです。たっぷり振りかけられたピスタチオは、鮮やかな緑色の貴重な種類を使用。フレッシュな色味と香りがアイスの甘さにぴったりです。
川越観光の合間に異国情緒を楽しもう
すべてのメニューは、取手のついた金や銀、銅のチャイトレイにのせて運ばれます。
「通常は運ぶ用のものですが、お店ではそのままテーブルにのせて提供しています。みなさんそのまま写真を撮られていますよ」とラシッドさん。トルコの伝統メニューと優雅なチャイトレイのフォトジェニックな1枚が撮影できます。
トルコでは観光のお仕事をしていたというココズさん。日本人観光客のガイドをした際に日本に興味を持ち、何度か日本とトルコを行き来したのち、2012年に移住を決めました。
「日本でも観光に関わる仕事をしたいと思い、見つけたのが川越エリアでした。特定の目的地がある観光地とは違って、川越はみなさんゆっくり食べ歩きをしたり、自由に街全体を楽しんでいる雰囲気がいいな、と思いました」
目印となる看板は、お店ができた際にお客さまが消しゴムはんこで作ってくれたイラストを使用しているそうです。コスズさんのお顔とトルココーヒー、チャイのイラストがユニークです。
カフェの向かいにある「トルコバザール」ではトルコの雑貨を購入できるほか、トルコランプの手作り製作体験もできるので、こちらもぜひ訪れてみてください。
観光客でにぎわうスポットからほんの少しはずれた場所にある「トルコバザールカフェ」。川越の観光の合間に、トルコの雰囲気をたっぷりと味わえる空間でほっとひと息つきませんか。
※価格はすべて税込
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