大人も子どもも、手に持って食べやすいおやつたち
「polku BAKE SHOP」は、深い緑色のひさしが目印。こぢんまりとした店舗ですが、取材に伺った平日のお昼どきも、常連さんをはじめとする多数のお客さまが訪れていました。
店内に入ると甘い香りに包まれます。右手のショーケースにはケーキやキッシュが、左手の棚には焼き菓子がずらり。壁面に飾られたドライフラワーやリース、雑貨などはご縁のある作家さんの作品で、購入することもできます。
店主の渡邊寛己さんは、カフェでの勤務と病院食作りのお仕事を経て、妻の亜矢さんとともにシェアキッチンからお店をスタートさせました。その後、現在の場所に自店を構えることになり、2022年1月に「polku BAKE SHOP」をオープン。寛己さんがキッシュを、亜矢さんはスイーツを担当しています。
「大人が歩きながらワンハンドで食べたり、子どもが両手で持って自分で食べたりと、"手に持って食べやすい"お菓子やキッシュを目指しています。安心しておいしく食べられるよう原材料にこだわり、地元・所沢の農家さんの新鮮な野菜も使用しながら、一つひとつ手作業でつくっています」と寛己さんは話します。
具材のおいしさを引き出したキッシュ&スイーツ
「polku」の人気商品といえばキッシュ。大きく焼いてワンカットずつ販売される一般的なキッシュとは異なり、一つひとつがコンパクトで食べやすいところが特徴です。
ショーケースに並ぶ数種類のうち、約半数が季節限定のメニュー。今回は人気の2種類をご紹介いただきました。
「サーモンとほうれん草」(写真左・637円)は、焼いたときにしっとり仕上がるよう、お刺身としても食べられるノルウェー産サーモンを使用。コクのあるサーモンとほうれん草が相性抜群です。
秋冬限定の「きのこクリーム」(写真右・626円)は、しめじ、エリンギ、ブラウンマッシュルームをオーブンで焼いて水分を飛ばしてからクリーム煮にすることで、きのこの旨味を凝縮。深みのある味わいが楽しめます。
注目のキャロットケーキ(454円)は、クリームがたっぷりトッピングされたかわいらしい見た目も魅力的。
「うちのキャロットケーキの特徴は、スパイスが効いているところです。シナモンとジンジャーを使っていて、ココナッツやレーズンも入っているので、食べてから驚かれる方も多いですね」と寛己さん。にんじんの甘味を引き出しつつ、複雑な香りも感じられる一品です。
チーズケーキ(648円)は単調な味にならないよう、2種類のクリームチーズをブレンドして使用。土台となるクッキー生地にはスパイスを効かせて、一緒に食べたときに味に変化が出るよう工夫されています。とろっとしたチーズの濃厚さと、クッキー生地のざくざくとした食感とのコントラストも絶妙です。
一個単位で買える焼き菓子は、おやつにはもちろん、ちょっとしたギフトにもぴったりです。日によって変動しますが、フィナンシェやパウンドケーキ、動物の形のマドレーヌなど、7~8種類が並ぶことが多いのだそう。
なかでもリピーターが多いのが、秋口から春前にかけて限定販売されるレモンケーキ(378円)。レモンの果汁だけでなく皮も使用することで、爽やかな香りに仕上げています。アイシングではなくホワイトチョコレートでコーティングしているところも特徴です。
「今日も買いに行こう」と思ってもらえるお店に
店名の「polku」は、フィンランド語で「小路」という意味。
「私も妻も、ここを有名なお店にしたいというよりは、『今日は帰り道にあのお店でキッシュを買おう』とか、『今日のおやつはあのお店のお菓子にしよう』というように、気兼ねなく立ち寄ってもらえるお店にしたいと考えています。メイン通りではなく、少し入った小路にあるようなお店をイメージして、この名前を付けました」と寛己さん。その想いの通り、ご近所にお住まいの常連さんが定期的に立ち寄ってくれることも多いのだそう。「polku」ならではの「いつもの味」を大切にしながらも、常連さんが何度訪れても飽きがこないよう、新しいメニューを開発し続けています。
さまざまな想いが込められた「polku」のおやつは、日々の生活に寄り添い、さりげなく彩ってくれるような存在でした。近くに行った際は、おいしいおやつを買いに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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