笛木醤油株式会社は、1789年(寛政元年)に創業した老舗の醤油蔵。そんな歴史のある笛木醤油が、創業230周年記念事業として2019年にオープンしたのが、ここ「金笛しょうゆパーク」です。 "食べる""学ぶ""買う""遊ぶ"をテーマにした醤油のテーマパークを、さっそく見ていきましょう!

醤油のおいしさを堪能できるレストラン

17245.jpg

まずは入口近くにある「しょうゆ蔵のレストラン」へ。醤油のおいしさを出汁とともに味わえるメニューが揃っています。

17199.jpg

一番人気は「醤油屋の木桶うどん」(おばんざいセット 1,680円)。ゆでたての自家製うどん麺を木桶でいただくことができます。
日替わりのおばんざいは4種類。取材に伺った日は、(左から)酒かす醤油で漬けた煮卵、自家製ごま豆腐、菜の花の胡麻和え、鯛のお刺身でした。
「おばんざいには笛木醤油の商品のお醤油を使っています。ごま豆腐やお刺身は、卓上に置いてあるお醤油を少量かけて召し上がってください」と、店長の中島さん。醤油の豊かな風味をダイレクトに感じられました。

17220.jpg

うどんのつゆは2種類。葱ぶた肉汁(写真中央上)は、金笛醤油と出汁によって引き出された豚バラの旨味が絶品です。胡麻味噌すったて汁(写真右下)は、味噌と白ごま、落花生を鯖と一緒にすりつぶして作る濃厚な味わいが特長。

17225.jpg

デザートには「バウムデセール」(単品650円、ドリンクセット900円)がおすすめ。金笛醤油のオリジナルブランド「木桶バウム」のバウムクーヘン3種類と、ミニミックスソフトを贅沢に楽しめるプレートです。

17232.jpg

スイーツメニューと一緒に出てくるのが、ちょっとめずらしい「スイーツしょうゆ」。みたらしのような味わいで、上品な甘さの中にすっきりとしたお醤油の香りが感じられます。

木桶仕込みの醤油蔵を見学して楽しく学ぼう!

醤油のおいしさを堪能したあとは、醤油づくりの現場を見ながら楽しく学べる「金笛しょうゆ楽校」に参加します! 参加費は無料で、平日は1日3回(月曜日は2回)、土日祝日は1日10回開催しています。当日受付も可能ですが、事前予約がおすすめです。

今回ご案内いただいたのは十二代目当主の笛木吉五郎さん。笛木醤油の創業についてお話しいただきながら、まずは最初の蔵へと移動します。

17277.jpg

明治16年に建てられたという土蔵の中はひんやりと涼しくなっています。
「土蔵は湿気を吸収してくれるので、暑い夏でも涼しいんです。そのため、昔からお醤油の大事な原料を保管する倉庫として使っています」

17283.jpg

続いて、参加者に配布される「教科書」を開きながら、醤油のつくり方について教えていただきます。「お醤油の原料は3つありますが、何からつくられているか知っていますか?」と笛木さんが尋ねると、参加者のお子さまが元気よく回答。

17296.jpg

クイズを交えたり、実物を見たり触ったりしながら、醤油づくりの工程について理解を深めていきます。

続いて工場へ移動すると、醤油のいい香りが漂ってきました。工場内に並ぶ大きな桶の中には、麹と塩水を混ぜ合わせた「もろみ」が入っています。木の長い棒を使って中のもろみを混ぜる「かいつき」という作業を、見学用のもろみで体験することができます。

17308.jpg

17316_17320.jpg

「『かいつき』をすると発酵が起こり、もろみの色や香り、味わいが変化します。1週間前に仕込んだ新しいもろみ(写真左)は黄緑っぽい色ですが、仕込んでから2年間熟成したもろみ(写真右)は色が濃く、豊かなおいしい香りがします」。実際に近づいて香りを確かめてみると、その違いがはっきりとわかります。

最後に見学するのは、醤油づくりで最も大切な「仕込み蔵」。高さ2.5メートルの大桶が38本並んだ様子は、ガラス越しに見ても迫力があります。なかには江戸時代後期から代々使い続けている桶もあるのだそう。

17323.jpg

「笛木醤油では、江戸時代から変わらない天然醸造という作り方を守っています。現在ではステンレスなどの大きなタンクで、人工的に発酵を速めながら短期間で作られるお醤油が多いですが、うちではまろやかで芳醇なお醤油にするため、1年半から2年くらいかけて丁寧に熟成しています」と笛木さん。醤油づくりに対する深いこだわりを知ることができました。
「金笛しょうゆ楽校」の所要時間は30分ほど。醤油のおもしろさを気軽に学べるため、お子さま連れの方にもおすすめです。

ショップでおいしい醤油&バウムをおみやげに

もぐもぐひろば.jpg

敷地内には人気のフォトスポットも。実際の仕込みに使われてきた大桶を触ったり、中に入って写真を撮ったりすることができます。記念にぜひ撮影してみてくださいね。

500.jpg

帰る前には、レストランに併設された直売所でおみやげを。木桶仕込みの醤油をはじめ、「唐辛子しょうゆ」などのちょっとめずらしい醤油や、地元・川島の卵を使って作られたこだわりのしょうゆバウムクーヘンなどが販売されています。

17258.jpg

「先代である十一代目の『自分たちでつくったお醤油の魅力を伝えたい』という思いを引き継ぎ、お客さまにお醤油を身近に感じてもらえるような施設をつくりました。難しい醤油づくりの工程もわかりやすく伝えたいという思いで、『日本一楽しいお醤油の見学』をめざしています」と話す笛木さん。
醤油の魅力の発信地として、ますます注目を集めるスポットになっていきそうです。

※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、体験内容、価格などが変更になる場合がございます。