まるでキャンプ場! "ムーミンの町"に建つログハウス

飯能市の2大人気スポットといえば「ムーミンバレーパーク」と「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」。ジビエ料理店「LOG CAMP」は、その2か所のちょうど中間あたりに位置しています。

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陽光が差し込む、木のぬくもりいっぱいの店内。天井からはランプが釣り下がり、部屋の隅にはひときわ目をひく大きな手作りの暖炉があります。店名のとおり、キャンプ場のコテージに来たかのようなワクワクする空間です。

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オーナーの大畑和也さんは以前、入間市駅前でスペインバルを経営していました。「LOG CAMP」をオープンしたのは20194月のこと。ムーミンが好きだったこともあり、飯能市で何かできればと物件を探していたところ、このログハウスが売りに出されていることを知りました。ムーミンの故郷フィンランドを想起させるたたずまいが気に入り、買い取りを決めたそうです。

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当時、飯能市では猪や鹿などによる農作物被害が多く発生しており、野生動物の利活用施設の建設計画が進められていました。利活用施設ができれば、駆除された動物たちをただ処分するのではなく、食肉として活かすことが可能になります。
「野生動物の命を"自然の恵み"として利活用したい」との想いから、「LOG CAMP」はジビエ料理店として誕生します。

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その後、利活用施設の建設はいったん中止されてしまいましたが、大畑さんたちの働きかけのかいがあって、2023年にようやく施設が完成。「LOG CAMP」でも、近いうちに飯能産ジビエの提供を本格スタートする予定です。

旨みあふれるジビエと農薬・化学肥料不使用の固定種野菜

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ジビエ料理というと高級なイメージがありますが、ここでは比較的カジュアルな価格で楽しめます。人気メニューのひとつが「千葉県君津産 猪バーガー」(1,500円)。猪肉100%のパティは、ほどよい歯ごたえのある食感で、ほんのりとした甘みが口に広がります。「冬の猪は脂がのって特においしいんですよ」と、大畑さんが教えてくれました。

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「森のジビエプレート」(2,300円)に並ぶのは、ハンバーグ、コロッケ、フランクの3種。ハンバーグは「猪バーガー」と同じく君津産の猪を使用しています。
コロッケの肉は、稚内から仕入れるエゾ鹿。低温で2時間ほどボイルした鹿肉を限界量まで詰め込むというだけあって、しっかりと肉の旨みを感じられるコロッケです。
フランクは鹿と猪のどちらかを選べます。鹿のほうがあっさりしていてクセが少なめ、猪はコクのある濃厚な味わいです。

大畑さんに味付けのポイントをたずねてみると「減塩」と即答。「ジビエそのものの奥深い味を感じていただきたいので、塩や香辛料は控えめにしています」。
高タンパク・低脂質・低糖質というヘルシーさもジビエの魅力。さらに「家畜は病気予防のためエサに抗生物質を入れたりしますが、ジビエは自然の中で生きてきた動物の肉なので、その点も安心です」と大畑さん。

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こだわりはお肉だけではありません。日高市の「ふうわりオーガニックファーム」から、農薬や化学肥料が一切使われていない固定種野菜を取り寄せています。
ランチメニューにはプラス450円でサラダとスープが付くので、シャキシャキの固定種野菜をたっぷり味わいたい人におすすめです。

地元の人たちにジビエの魅力を知ってほしい

LOG CAMP」は現在、遠方からもジビエ好きのお客さんが訪れる人気店です。ただ、大畑さんには「地元の人にももっと来店していただきたい」という想いがあるそうです。

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「このあたりは自然が豊かで猟師さんの数も多く、昔から家庭で鹿や猪を食べる習慣がありました。だからこそ、年配の方などは『野生動物の肉は硬いし臭みがある』『わざわざ食べにいく料理ではない』という意識が強いようです。そんなイメージを払拭するような、おいしいジビエを召し上がっていただきたいですね」と語る大畑さん。
ジビエの利活用施設ができた今、大畑さん念願の「地産地消ジビエ」を提供できる日も近づいています。今後はより多くのお客さんがジビエの魅力にはまっていくことでしょう。

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