「パン屋になる」と思い続けていた幼少期
「もともとは狭山市駅前でお店を開いていたんです」。そう話すのは「石窯パン工房 穂の香」の店主・奥谷貴史さん。
今から約40年前、当時は駅前で父親がパンを焼いて販売していた。その姿を幼少時から見て育った奥谷さんは、物心ついた頃から「パン屋になる」と思い続けていたという。
大学卒業後は都心のベーカリーに3年ほど修行へ。その後はこの店へ戻り、家族とともに店を盛り上げてきた。
一番人気のカレーパン「自家製 カレーパン」。自家製ルーに使う牛肉はワインにひと晩漬け込む本格派で、ゴロっと入っているので食べ応えもある。味付けはお子さまも食べられるよう甘めに。みんなに愛される一品だ。
自家製のたまごサラダ、ハム、ポテトサラダが入った「ミックスサンド」も上位人気。手作りできるものはできるだけ手作りにこだわっている。
家族みんなで来てもらえる店にしたい
狭山市駅の駅前開発がはじまり、駅前にあった店に移転の話が入ってきた。駅前でもう一度、という話もあったが、駅前のパン屋はどうしても通勤、通学のお客さまがメインになる。
「小さいお子さまからご年配の方まで、家族で店に来てもらいたい」という気持ちが強かった奥谷さんは、2007年、駅から少し離れた現在の地に店を構えた。
店内の通路はベビーカーや車いすの人でも通りやすいよう広めにしている。お子さま連れには嬉しいキッズスペースがあり、また焼きたてをすぐに食べられるテーブル席も。パンを買った人はコーヒーが1杯無料でサービスされる。
ディスプレイもおいしそう! もちもちした生地にバターをたっぷり包み込んでフランス産の岩塩をふりかけて焼いた「塩ロール」は、そのままでも具をはさんでもおいしい。
常時80~90種の多彩なパンが勢揃い!
店名のとおり、一部のパンは石窯で焼いている。「ハード系のパンは石窯で焼くと遠赤外線効果で外はパリッと中はしっとりと焼きあがるんですよ」と奥谷さん。
広い店内にはパンだけで常時80~90種ほどが並ぶ。甘いパン、総菜パン、食パンなどなどさまざまな種類があり、圧巻である。
大きな「鉄板ピザ」は焼きたてが出るとすぐに売り切れる人気メニュー。
1日に30本焼くという「穂の香の食パン」も人気。
この種類の多さの秘密はどこにあるのだろうか。
「うちはスタッフがどんどん新商品を作っていくんです。新しい商品ができたら、みんなで食べて、評価して、よければ店頭に並べています。評判がよければレギュラー化しているものもありますね」
「地域にとってよい店であることを一番に考えています。よく来てもらえる、親しみのあるパン屋であることを大切に、日々パンを焼き続けています」と話す奥谷さん。この思いがお客さまにしっかり伝わっているからこそ、常に人が絶えない人気店になったのだろう。
※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。
※写真、記事内容は取材時(2018年7月11日)のものです。