「長寿庵」の暖簾を掲げる飯能の名店

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飯能駅の北口側には80におよぶ店舗が軒を連ねる「飯能ぎんざ商店街」があります。昭和の雰囲気が漂うその商店街の一画にあるのが「大衆そば處 長寿庵」。昭和35年(1960年)の創業以来、変わることなくこの場所で町の発展を見守ってきました。

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「長寿庵」の始まりは、今から300年以上前にまで遡る蕎麦屋の老舗中の老舗。長い歴史の中で培われた味わいは格別です。「大衆そば處 長寿庵」の店内には「長寿庵」から暖簾分けを認められたという登録商標のプレートがあります。これは、製麺や出汁の引き方などを修業してその店主から認めらという証。秘伝の技術を受け継ぎながらも、土地柄にあったメニュー開発や店の雰囲気づくりができるのが長寿庵流です。

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昼休憩で利用するビジネスマンやファミリー層、観光で訪れた人たちにもゆっくりと味わってもらいたいと、広々とした店内にはテーブル席や座敷席も用意されています。

昔ながらのメニューがそろうのもうれしい「町そば屋」

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現在厨房を任されているのは、副店長の矢代和久さん。東京の「長寿庵」で修業したご両親の想いと味わいを受け継ぐ、次期二代目です。

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矢代さんが大切にしているのは「町そば屋」としてあり続けること。「そば」とひと言で言っても想像するメニューは人それぞれ。「誰がいつ訪れても食べたいメニューがある。それが町そば屋だと思うんですよね」と矢代さん。60以上のメニューを取り扱っているのには、期待を裏切らないための温かな想いが込められていました。

1日に必要な野菜量を摂取できる「野菜3倍肉汁せいろ」

そば屋ならではの正統派メニューだけでなく、「大衆そば處 長寿庵」では新しいメニューづくりも積極的に行っています。

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厚生労働省が発表した資料によると、1日に必要な野菜摂取量は成人男女ともに350gとされています。それに対して飯能市民の野菜摂取量の平均は約200g(飯能市が平成28年に実施した意識調査より)。
飯能市民の野菜不足を補うお手伝いをしたいと考案されたのがこの「野菜3倍肉汁せいろ」(1,000円)です。

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器には麺が隠れてしまうほどの野菜が盛られていて、旨みたっぷりの肉汁につけながらいただきます。
野菜はその日、その時期に収穫される地場野菜を中心に、茹でる、揚げるなどおいしさがより一層引き立つ調理法で仕上げていきます。

取材に訪れた日の野菜は、全16種類。夏は青野菜が主体ですが、秋には赤野菜が多く登場します。楽しみながらたくさんの野菜を摂取できる「一石二鳥」のメニュー。飯能でしか味わえない贅沢な一品です。

創業当時から定番! ボリューム満点の「オムライス」

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若者を中心に絶大な支持を得ているのが「オムライス」(900円)です。運ばれてきたそのボリュームは、ラグビーボールのようなビッグサイズ。

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スプーンで中を開いてみると、チキンライスならぬポークライスがぎっしりと詰まっています。「1人前で2.5合のご飯を使っているんですよ」と矢代さん。そのボリューム、味わいは創業当時から変わらないそうです。食欲旺盛な学生たちのお腹を満たしてきた「青春の味」。シェアして味わうのも一興です。

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「いつ来ても新しい発見がある、それが"大衆"そば屋のいいところだと思うんです」。そば・うどんの魅力を次の世代に伝えるというバトン渡しの役割を担う一方で、矢代さんは新しい可能性にも積極的に楽しみながら臨んでいます。
現在はインドの方に指示を仰ぎながら、本格的でスパイシーなカレーそば・うどん作りに熱中しているのだそう。自信作を楽しみに、ぜひ一度訪れてみませんか。

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