釜揚げ武蔵野うどん

古久やでは、朝練りの自家製麺を提供している。釜揚げでも冷でもおいしく食べられるように、加水の工程に神経を張り巡らせている。釜揚げは時間が経っても食感の変化があまりない。というか、箸が進んであっという間に平らげてしまうおいしさだ。

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反対に、冷のうどんはキュッとした弾力がたまらない。華奢な見た目からは想像できないコシがある。「これぞ武蔵野うどん!」と思わせる噛み応えの良さと、小麦の風味が楽しめる一品だ。

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個人的には釜揚げうどんが絶品だった。出会うべくして出会った夫婦のように、麺とつゆの絡み具合が抜群にいい。

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肉つゆうどんがに欠かせないネギにも力を入れている。市場ではほとんど見かけない2Lサイズのしっかりと太いネギを、季節によって様々な産地から仕入れている。地元の農家まで出向き、直接仕入れることもある。

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うどん屋のサラブレッド

6代目店主の細川博之さんは、学生時代はレスリングに励み、その後は10年間美容師として働きながら、海の近くに住んでサーフィンも嗜んだ。うどん屋以外の道を存分に楽しみ、30歳を前にこの地へ帰郷。6代目として修行を積んだ。

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小さい頃から古久やのうどんを食べてきた細川さん。朝・昼・晩とうどんの日も珍しくなかったそうだ。自宅ではナポリタンやカレーなどの変り種で味の変化を楽しんだが、メニューは昔からほとんど変わっていない。新しいメニューに挑戦することよりも、「昔から自分でもおいしいと感じている味」で今日まで古久やを守り続けている。

昔から慣れ親しんだ味を崩さずに

ラストオーダーの時間まで客足は途絶えなかった。近所の人だけでなく、入間や青梅から来る常連さんも。昔は釜揚げを食べるお客さんが8~9割ほど。現在でも6~7割が釜揚げを注文する。

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細川さんに今後の展望を聞くと、迷わずこう答えた。 「昔から来ていただいている方に、これからも来てもらえるように。そして、『武蔵野うどんと言えば古久やだよね』と言ってもらいたい。先代から引き継いだ味をこれからもこの地で届け続けていきます」。

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飯能の地を訪れたら、古久やの釜揚げうどんをぜひ食べてほしい。心まで温かく満たされた気持ちになれるはずだ。

※価格はすべて税込