池袋線「飯能駅」から歩くこと約15分、川遊びをする人たちで賑わう飯能河原渓谷の断崖絶壁に、「CARVAAN(カールヴァーン)」は緑に抱かれるように建っています。

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2017年にオープンしたカールヴァーンは、館内にブルワリーを併設。ビールの醸造風景を眺めながら、出来立てのビールとともに、地中海・アラビア料理を楽しむことができます。

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中に入ると、エジプトやトルコなど、中近東の国々から運びこまれた調度品や装飾がそこかしこに。レストランの壁は一面ガラス張り、その向こうに飯能河原渓谷の緑が広がり、まさに絶好のロケーションです。

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非日常感あふれるレストランの一角に、お目当てのブルワリーはありました。

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「カールヴァーンを運営しているのは、飯能に本社を置くFAR EASTという貿易会社なんですよ」とスタッフの須田さん。

アフリカや中近東を中心に、世界中からフルーツやナッツ、スパイス、塩などを輸入するFAR EASTが手がけるカールヴァーン・ブルワリーは、モルトはベルギー最古のモルトメーカーから、ホップやスパイスなどの副原料も世界各国から直輸入するなど、世界から独自ルートで集めた原材料・副原料を使い、他にない味を生み出しているそう。

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「ビールの起源は古く、紀元前4000年頃のメソポタミアが発祥とされています。ピラミッド建造の労働者には、お給料としてビールがふるまわれていたそうですよ(笑)。そのビールが世界中に拡がり、その土地その土地に根付いて、6000年もの間、途絶えることなく飲み継がれている。私たちは、そんな歴史や文化を映し出すようなビール、私たちにしかつくることができないビールを飯能でつくり、みなさんに届けたいと思っています」(須田さん)。

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カールヴァーン・ブルワリーが醸すビールは、たとえば、メソポタミアで生まれたパンに水がかかって発酵してできたとされる最古のビール製法を再現すべく、古代小麦でパンを焼きそれを使ってつくる原初のビールや、スコットランドのピクト人が4世紀につくっていたとされるまぼろしの「ヒース酒」をイメージし、ホップの代わりにヒースの花を使ったIPAなど、まさに、古の物語が立ちのぼるようなビールばかり。

個性豊かなビールが生みだされるブルワリーを、さっそく見学させていただきましょう!

中へ入るなり「甘い、いい匂いがする!」と戸田さん。「麦汁やイースト、モルトの香りですよ」(須田さん)。

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ブルワリーには、麦芽とホップを煮て麦汁をつくる「煮沸窯」、麦汁を発酵させる「発酵タンク」、できたビールを寝かせる「貯蔵タンク」が整然と並びます。月間最大約4000リットルのビールを生産し、日によっては、蒸気をたてる煮沸窯の様子なども見られるそう。

「この設備は自動オートメーションではなく、仕込みは手作業。醸造責任者がタンクや窯の中の状態を目で見て、調整しながらつくっています。ホップやモルトの袋をかついで、窯に投入するのも人力、原料の攪拌も、人が棒でかき混ぜているんですよ」(須田さん)。

できたビールは貯蔵タンクに3週間ほど寝かせてから、レストランにお目見えします。「ビールが、そんな風に手間暇かけてつくられているとは知らなかったです」と戸田さん。

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見学後はいよいよ、レストランでビールを味わいます。選んだのは、古代穀物のスペルト小麦でつくるスペルト・ヴァイツェン、スパイスや柑橘ピールを使ったアラビアンライム・エールなど、4種類のビールを飲み比べできる「ビアフライト」。

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「色が薄い、口当たりの軽いビールから飲んでいくと、味や香りの違いがわかりやすいです」と須田さん。

さあ、戸田さんの感想は?
「どれも、香りがいいです。それに飲みやすいですね!一番好きなのは、アンデスカカオ・スタウト。黒ビールが好きだから(笑)」。

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エジプト産ライムピールやコリアンダー、カルダモン、飯能産の柚子、アンデス産カカオ――個性的な副原料を使いながら、飲みやすく仕上げるのも、カールヴァーン・ブルワリーならでは。

飯能に生まれ育ったという須田さん。こんなメッセージを下さいました。
「飯能は自然が豊かで、空気もおいしい。春は新緑、夏はホタル、秋は紅葉も素敵です。四季折々の飯能の自然、醸造風景、そして、ここにしかないビールに映る歴史と文化を楽しんでいただけたら嬉しいです」

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カールヴァーン・ブルワリーは飯能市南高麗の自社農場で、ホップを無肥料・無農薬栽培しています。朝摘みのフレッシュなホップを使い、その日のうちに仕込んだビール「飯能産フレッシュポップIPA」が9月中旬~10月中旬頃に登場するそう。乾燥加工していない、フレッシュなホップならではの香り高いビールを、みなさんもぜひ、味わってみてください!

※体験の内容は変更になる場合がございます。
※酒類の提供については、店舗へお問い合わせください。