一橋学園駅から歩くこと約10分、「IGC」と書かれた白い建物が本日の舞台です。

iketani_1.jpgIGCの代表は、元オリンピック選手で現在は芸能活動もされている池谷幸雄さん。池谷さんはソウルオリンピックで団体総合と個人種目別ゆかで銅メダル、バルセロナオリンピックでは団体総合で銅メダル、個人別種目ゆかで銀メダルを獲得し、長年日本の体操競技を支えてきた方です。

今回取材したのは、4歳~6歳の子どもたちが集まるジュニアジムのクラス。この日は特別に池谷さん指導のもと、準備体操から鉄棒、跳び箱、マット運動の授業を見学させていただきました。前のクラスが終わるのと同時に、素早く生徒の入れ替わりが行われ、横一列に整列して座ります。

iketani_2.jpg そして「起立!」の合図で立ち上がります。IGCでは、「挨拶・返事・話を聞くこと」ができて初めて体操の指導が始まります。礼に始まり礼に終わる、社会に出ても必要な心構えをここでは当たり前のように行っていました。

iketani_3.jpg「気をつけの姿勢は、まず足を線の上にきちっと並べて、腕は指先まで真っ直ぐ伸ばしましょう。お腹を引っ込めて胸を張る。ちゃんと指をそろえて!」と池谷さんの指導が飛びます。子ども扱いしない厳しい指導に、子どもたちも全身で応えています。

iketani_4.jpg子どもたちの施設中に響く「お願いします!」の挨拶が終わると準備運動の時間です。手首足首をほぐし、片足けんけんやスキップ、カエル飛びなどの動きを15分ほどかけて行います。

iketani_5.jpgiketani_6.jpgさまざまな動きを行いますが、どうしてこの動きを行うのかを理解しながら動くことが重要。例えばカエル飛びは、足でしっかりと蹴り上げ、腕の力で体を支えることで最終的には倒立に繋がります。

iketani_7.jpgiketani_8.jpg「大丈夫?分かっている?」と一つ一つの動きを確認しながら体を動かします。準備運動が終わると、次は準備体操と柔軟の時間です。コーチ陣の「1、2、3、4」という声に「5、6、7、8」と大きな声で返します。

iketani_9.jpgiketani_10.jpg特に柔軟にかける時間は長く、全体の半分ほどの時間を占めていました。数人のコーチの目があるので、子どもたちの集中力も持続しています。

iketani_11.jpgiketani_12.jpg大人になるにつれて体は硬くなっていきますが、小さい頃から柔軟を続けることで柔らかい体を持続することができるそうです。体が柔らかいと、怪我も減り、しなやかな動きに繋がります。実際に見学へ来ていた親御さんに話を聞くと、「IGCに通い始めてから、学校や幼稚園で怪我をすることがほとんどなくなった」という声が少なくありません。

iketani_13.jpg柔軟を終えると、残りの時間はグループ別に鉄棒と跳び箱、マット運動の練習に入ります。待っている時間も列を乱さず姿勢を正している子どもたちを見て、こちらの背筋が伸びてしまいました。

iketani_14.jpgiketani_15.jpg子どもたちのレベルに合わせてコーチたちが指導にあたります。例えば跳び箱では手をつく場所や顔の向き、着地の体勢など、その子にとって必要な部分を細かいところまで教えていました。

iketani_16.jpgiketani_17.jpgこの後、時間ぎりぎりまでマット運動を行い、最後に池谷さんから個人カードの返却です。

iketani_18.jpgiketani_19.jpg授業中も感じていましたが、池谷さんをはじめコーチの方々は、いつも子どもたちと目を見て話すことを意識しているようでした。

iketani_20.jpg子どもたちの真剣な表情からも、体操の時間と真剣に向き合っていることを感じられます。授業が終わった池谷さんに、どんな想いを持って子どもたちと向き合っているのかを伺いました。

池谷さんは「子ども達の未来の為に」というキャッチフレーズで、15年以上子どもたちの指導を行っています。五輪で活躍した体操女子の村上茉愛選手はIGCの第一期生です。

一般的にはあまり知られていませんが、筋肉や神経、骨や脳の発達など、人間の体のつくりは10歳までに決まるそうです。現在では、テレビゲームやDVD、携帯電話などが子どもたちの生活に根付き、積極的に体を動かす環境や機会が少なくなってきているのが事実。そういった環境にある中でも、体を動かす場所を作り、スポーツを通して人間形成を行うこと、そして健康的な体作りをサポートすることがIGCの活動理由とのことでした。

iketani_21.jpg16校の運営と1300人の生徒を指導することは、並大抵の熱量では続けられません。では、一体どこにその原動力があるのか質問すると、「子どもが好きなんです!」とシンプルな一言。授業中の瞳を見れば、それは疑いようもない本心なのだと感じます。

「礼儀」「我慢」「ルールを守る」ことは、池谷さんが体で覚えてきた一生の財産。それを伝えるためには、一歩体育館に入ったら、どんなに子どもが涙を流しても甘やかすことはないそうです。厳しくも愛情ある指導は、親御さんにもしっかりと届いているようで、「躾のため、厳しさに魅力を感じたから」と、IGCへの入会を決めた方もいらっしゃいました。

iketani_22.jpg健康な体はどんな人生を送るにしても必要不可欠です。IGCでは一日体験教室を毎日開催(月曜日休校)しているので、興味のある方はぜひお子様と一緒に参加してみてください!

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※体験の内容は変更になる場合がございます。