活気ある野方のまちに根付く、餃子の専門店

賑やかな野方北原通り商店街を抜けた先にある「野方餃子」。入口が全面ガラス張りになっていて、開放的な雰囲気です。

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店内には8人が座れる長いテーブルが2つ並び、ゆったりと座ることができます。「飲食店は味だけではなく、居心地の良さなど、場所や空間を含めた総合的な満足度が大事だと思っています」と教えてくれたのは、野方餃子を運営するSSAW株式会社 代表取締役の大釜和也さんです。

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「かつては野方に住んでいたこともあり、この街が好きなんです」と語る大釜さん(写真中央)。地元の人で活気づく野方は、どこか懐かしさを覚える親しみやすい街です。「この場所に、餃子のお店は合うんじゃないかと思いました」。

店名はあえて簡潔にすることで、街に腰を据え、長く続く店にしたいと考えたそう。大釜さんの思惑どおり、街にしっかりと根付いた「野方餃子」には、遠方からも多数のお客さまが訪れています。

素材の味が引き出された、「甘み」のある餃子

餃子が好きでお店を開こうと考えた大釜さんは、100軒以上の餃子を食べ歩いたそう。他店とは一味違った独自の餃子を求めた結果たどり着いたのが、「ニラとニンニクを使わない」餃子です。
「ニラとニンニクが入るともちろんおいしいのですが、肉や野菜の本来の旨味はどうしても感じにくくなります。だから、素材の味を引き出すためにその2つを入れるのをやめました」と大釜さん。とはいえ、ニラとニンニクを入れずにつくるとなかなかおいしくならず、とても苦労したと言います。試行錯誤を重ね、完成までに1年ほどかかったそう。

そんな「野方餃子』の最大の特徴は甘みです。「よくテレビで野菜をかじった人が『甘い!』と言うじゃないですか。甘いと感じるということは、素材の旨味が存分に引き出されているということなんです」と教えてくれました。

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皮は口どけのいい薄めのものを使用。南部鉄器で焼くと中まできれいに火が通り、繊細な羽ができあがります。
「日本一きれいな餃子をつくろうと思って。羽がきれいでしょ。食べ歩く中で気づいた"おいしい餃子店"の共通点のひとつは、鉄なべだったんです。そのため鉄器にはこだわりました」と大釜さん。

パリッとした焼餃子に、グランプリ受賞の水餃子

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まずは定番の焼餃子がいただける「焼餃子定食(10個)」(990円)から。餃子にご飯、味噌汁、漬物が付いたセットです。
焼き餃子は「酢+こしょう」でいただくのがおすめとのこと。餃子を口に入れると、熱々の肉汁と柔らかい皮、そしてパリッとした羽が絶妙に口の中でほどけ、肉と野菜の甘味が広がります。小皿に盛られたセロリの水キムチは歯ごたえがよくさっぱりとした味で、定食のよいアクセントに。

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「紫蘇餃子(6個)」(539円)は女性にも人気の一品。こちらは醤油でいただきます。餡に練り込まれた紫蘇の香りが、具材の旨味をより引き立てています。

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注目の「麻辣担々水餃子(6個)」(748円)は、「中野の逸品グランプリ2020」で優勝して以来、メディアで特集されるほどの人気メニュー。トッピングは三つ葉かパクチーを選べます。「はじめはまかない用のメニューだったんですが、常連のお客さまに出してみたら好評で、正式にメニューに入れました」と大釜さん。ゴマベースの麻辣担々ソースはご飯がすすむちょうどよい辛さで、もちもちの水餃子とよく合います。

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今回は冬の人気メニュー「花道庵の味噌もつ鍋」(一人前1,580円/二人前から)もいただきました。たっぷりのキャベツの上に、豆腐、ニラ、そしてもつが乗った鍋が登場です。
スープは野方で人気の味噌ラーメン屋「味噌麺処 花道庵」との共同企画で、花道庵の味噌スープが使われており、「味噌」「辛味噌」の2種類から選べます。
「花道庵の店主と僕は大学の同級生なんです。2人で話しているとき、『もつ鍋にうちの味噌スープを使ったらおいしいんじゃないか』という話になり、このもつ鍋が誕生しました」と大釜さん。濃厚で深みのある味噌スープで煮込んだ、贅沢な一品です。

「今後は、メニューも大幅に変えていきたいですね。長く続けていくには、進化が必要だと思うので」と話す大釜さん。野方の街に根ざしつつ、常にアップデートを楽しんでいるようです。居心地の良い店内で、こだわりの餃子を味わいに、ぜひ訪れてみてください

※価格はすべて税込
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