レトロな街並みに溶け込むクラフトフード専門店

ippuk_02.jpg

新井薬師と中野の間に伸びる「薬師あいロード商店街」は100店舗以上が軒を連ねる、どこか昭和を思わせるノスタルジックな商店街。そんなレトロな風景のなかで赤いレンガの壁が目を引く「IPPUK」は、2023年1月に誕生したクラフトフード専門のセレクトショップです。

ippuk_03.jpg

母体はオンライン上の商店街として2020年に創業したアーケードトーキョー株式会社です。「コロナの影響を受けた飲食業界とお客さまの繋がりを継続させるために、"シャッターの閉まらない商店街"というコンセプトで始めた会社なんです」。そう教えてくれたのは店長を務める髙橋徹大さん。現役のミュージシャンでもある髙橋さんは、こちらでホールとキッチンを兼務しています。

ippuk_05.jpg

ラボキッチンではオリジナルのレトルトフードを開発・製造

ippuk_06.jpg

「コロナ以降、テイクアウト需要などが飛躍的に伸びたことにより食の多様化が進みました。そこで私たちは、これまでにない一歩進んだ食の体験を皆さまにお届けしようと、クラフト・レトルトフードブランド『ONE POT WONDER』を立ち上げました」。店で販売されている同ブランドのレトルトフードは、すべて店の奥にあるラボキッチンで開発・製造されています。

ippuk_07.jpg

食の多様化が進むとともに、空前のキャンプブームも続いています。そこに着目して生まれたのが「ONE POT WONDER」です。"アウトドアに楽しい食卓体験を"をテーマに、キャンプ場で湯煎するだけで本格的な味を楽しめるスパイスカレーと具材たっぷりスープを次々に商品化。アウトドアイベントにも積極的に出店し、商品の認知度は「おかげさまで徐々に高まってきています」と髙橋さんは言います。

フードロス問題の解消を実践。化学調味料無添加で体にもやさしく

クラフト・レトルトフードにはもうひとつの目的もあります。「10代の頃から飲食業に携わってきましたが、この業界とフードロスはどうしても切り離せない課題です。そこで、フードロス0(ゼロ)への取り組みとして、『ONE POT WONDER』で使う野菜などは形やサイズが不揃いな廃棄食材を積極的に活用しています」と髙橋さん。

ippuk_08.jpg

食材をパックに詰めたらボキッチンにあるレトルト釜で滅菌調理。こうすることで長期保存が可能になります。「当店で製造しているレトルトはユーザーさまの健康を考え、化学調味料や合成着色料などを一切使っていません」。フードロスと健康を考えた取り組みこそ、同店の強みといえます。

ippuk_09.jpg

人気のクラフトフード3選。新商品企画も進行中

ippuk_10.jpg

「IPPUK」が扱うクラフト・レトルトフードで不動の人気を誇っているのが、こちらのスパイスカレーシリーズです。柔らかく煮込まれた手羽先が入った「バターチキンカレー」をはじめ、豚骨スープに17種のスパイスを合わせたコクのある「豚骨スープのスパイスカレー」など全部で5種類を展開。「私のおすすめは『プチトマトと花椒のカレー』(カレー各700円※)です。豆腐にかけるだけで麻婆豆腐風の味になりますし、茹でた中華麺にかけると結構おいしいですよ!」
※店頭販売価格です

ippuk_11.jpg

過去に出店したアウトドアイベントで毎回完売というクラフト・マスタードも人気。カナダ産の大粒マスタードシードを使っており、口の中でプチプチと弾ける楽しい食感が特徴です。味は「オリジナル」(1,200円)と「オレンジとカルダモン」「いちじくとクミン」(ともに1,500円)の3種類があり、フレーバー付きは焼いた肉やホットサンドにつけるのはもちろん、そのままお酒のつまみとしてもいけるとか。店内で試食もできるので、気になった方はぜひお試しを。

ippuk_13.jpg

髙橋さんおすすめのスイーツは、新鮮なジャージー牛乳とブランド卵で作られた「ボニーのカスタードプリン」(380円)です。「農林水産大臣賞などを受賞している袖ヶ浦の北川鶏園で作られている『ぷりんセス・エッグ』を使っています」。若どりが生んだ濃厚な卵を贅沢に使い、深い味わいに仕上げています。

オンラインモール発の旗艦店として誕生した「IPPUK」。そのオリジナルブランド「ONE POT WONDER」では、今後もイベント出店やコラボ商品の開発を精力的に行っていくといいます。食材や製法など、細部までこだわり抜いたクラフトフードの世界を、ぜひ体感してみてください。

※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格などが変更になる場合がございます。