岡山のフルーツの魅力を年間通して伝えたい
「母が岡山県出身なのですが、岡山はフルーツが本当においしいんです。『故郷のフルーツの魅力を知ってもらいたい、岡山のフルーツを東京の皆さまにぜひ食べていただきたい』という母の思いから、両親が2011年11月にオープンしたのが始まりです」と店の成り立ちを教えてくれたのは、現在、両親と共に「さくらやま果房」を営む中島瑞貴さん。岡山県は日本でも有数の日照時間を誇る『晴れの国』。瀬戸内に面した温暖で穏やかな気候は、上質なフルーツが育つための恵まれた環境が揃っているのです。
母・まさ子さんは当初ひとりで店を始めるつもりでしたが、それまで飲食店は未経験だったので、カフェ形態での開店は選択肢になかったそう。また、生のフルーツの状態では短い期間しか味わってもらうことができません。そこで、コンフィチュールやコンポートとして提供することで、岡山のフルーツの魅力を年間通して伝えられると思いついたそうです。
コンフィチュールとは、フルーツを砂糖と一緒に煮詰めたもののこと。ジャムに似ていますが、ジャムと比べるとより果物の素材感を感じられるのが特徴です。
店内にはさまざまな種類のコンフィチュールやコンポート、ジンジャーシロップなどが棚に並んでいます。また、中央のテーブルやレジ回りには、クッキーやスコーンなどの焼き菓子も用意。店奥に設えられた厨房では、まさ子さんを中心に商品の仕込みをしている様子が伺えます。
店内ではコンフィチュールに使ったフルーツ果汁のジュース(230円、ソーダは+20円)なども購入できます。焼き菓子と一緒にテイクアウトして、公園などで楽しむのもおすすめです。
季節ごとに変わるラインナップは77種類も!
岡山のフルーツを中心に、国産果物を使ったコンフィチュールのレシピは、これまでになんと77種類。瓶に貼られたラベルに大きな数字が記されていますが、これはレシピが誕生した順の通し番号になっているそうです。
価格はSサイズ65gが490〜790円、Mサイズ120gで830円〜1280円。商品は季節によって入れ替わり、常時約15種類が棚に並んでいます。
岡山からは、ピオーネやマスカット、桃、イチゴ、ブルーベリー、すもも、梅など多彩なフルーツが生産者からの直送。「『このフルーツ、この品種でコンフィチュールを作ってみよう』となると、まず岡山で探して、なければ他の地域で探すという流れになっています」という言葉の通り、多くの商品が「岡山産」と表示されています。
特に桃は「白鳳」「清水白桃」「なつごころ」など岡山産の複数品種が同時期に並んでおり、食べ比べが楽しめるのも専門店ならでは。また、商品のポップにはそれぞれの果物の特徴なども表示されているので、好みの味を選びやすいのも嬉しいところです。
それぞれのフルーツは旬の時期に届いたものをフレッシュな状態でコンフィチュールに仕立てます。煮詰める時間や滑らかさなどはフルーツの個性や収穫時期などに合わせて細かく調整し、加えるのは北海道産ビートグラニュー糖とレモン果汁のみ。砂糖はできるだけ控えめにして、フルーツそのものの味わいを感じられるように作っているのだそう。果肉感を残したものも多く、果物をそのままかじるような瑞々しさを感じます。
幅広い楽しみ方ができるコンフィチュール
コンフィチュールの面白さは、パンに塗ったりヨーグルトと合わせたり、店内で販売されているスコーン(240円〜)に乗せたりと、さまざまな食べ方ができること。さらに、例えば白身魚と合わせて料理に活用したり、紅茶やコーヒーに入れたり。アイデア次第で多彩な味わい方ができるのが魅力です。
また、コンフィチュールやコンポートは保存期間が長く、ギフトとしての需要も高いそう。店では好みの商品を自由に組み合わせてギフト用に梱包してもらうこともできるので、クリスマスや年末年始、誕生日やお礼など、さまざまなシーンで活用できそうですね。
まさ子さんの故郷・岡山県津山には、春に桜が咲き誇る城山があるそうです。桜のもとに多くの人が集まる故郷を懐かしみ「さくらやま果房」と名づけたこの店。これからも多くの人に愛され、人が集まる店であり続けることでしょう。
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