住宅街に溶け込むように佇むカレーの店

この店のオープンは2021年5月。大村健太朗さん・舞衣さんのご夫婦で店を切り盛りしています。元々カレーが好きで店を持つことが夢だった舞衣さん。高円寺で店舗の空き時間を利用して営業する「間借りカレー」を半年ほど営んだ後、夫婦でこの店を立ち上げました。ご自宅がある高円寺周辺で物件を探していたところ、たまたま見つけたのがこの場所。ご夫婦ともに出身が西武線沿線だったこともあり、ここに決めたといいます。

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木の格子が印象的な佇まいは、実は以前、海鮮居酒屋だったそう。言われてみればカウンターには、お寿司屋さんによくあるガラスのショーケースがそのまま残されています。「元々の店内は居酒屋仕様になっていたので、自分達の手でリノベーションしました。だからこの店に対する思い入れも強いんです」と健太朗さん。店はところどころに和の雰囲気を残しながらも、アジアの片隅で営むカフェのような穏やかな空間になっています。

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サラリとした味わいの南インドカレーを提供

店で出すのは本格的なインドカレー。「元々ナンと一緒に食べるカレーが好きで食べ歩いていたのですが、いろいろ食べているうちに、サラッとあっさりした味わいの南インドのカレーが特に好きだなと感じるようになって。店でも南インド料理を中心に、ネパールやスリランカのテイストも取り入れながら提供しています」と舞衣さん。

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この日のランチカレーは右から骨付きチキン、ジンジャーポーク、サンバル(豆、野菜、きのこなど)の3種のカレーと豆のスープ(ダル)。どれもスパイスが効いていますが、やさしく胃袋に落ちていくような、滋味深く穏やかな味わいです。カレーは1種類から選ぶことができ、1種1,000円〜、2種1,200円〜、3種1,400円〜となっています。カレーは週替わりで、できるだけ旬の食材を取り入れたメニューを提供するように心がけているそう。他にも、牛すじや山椒キーマ、イワシのカレーなどバリエーションが幅広く、訪れるたびに新しい味に出会える楽しさがあります。また、手前には彩り良く盛り付けられた4種の副菜。こちらも野菜を中心とした、目にも体にもやさしい組み合わせです。
中央に盛られているのはバスマティライスと呼ばれる、インドのカレーには欠かせないお米を使ったご飯。パラリとした炊き上がりでカレーとの相性が良く、香りの良さも特徴です。

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ランチの仕上げには自家製デザート・狭山茶プリン(400円)をオーダー。とろりとしたプリンに狭山茶の粉末がふんだんにトッピングされていて、日本茶の豊かな香りが広がります。実は舞衣さんのご実家は所沢で代々続くお茶農園。「せっかく自分たちのお店を持ったのだから、実家のお茶も提供できたらと、いくつか狭山茶のメニューも用意しています。なかでもこのプリンは人気が高く、これを楽しみに来られる方も多いんですよ」と舞衣さん。日本茶の粉末は店内で挽き、香り高い状態で使用しています。お茶農家の出身だからこそ、最高の状態での味わいを提供することを心がけているそう。

ランチドリンクにもホットの緑茶、ほうじ茶、和紅茶、和紅茶をベースにしたチャイ(各400円)を提供。また、店内で飲んで気に入ったらリーフティー(1,100円〜)、ティーバック(600円)なども購入できます。

夜はムードを変えて、お酒とスパイスおつまみの飲み屋に変身

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昼はカレー専門店として営業する「chamame」ですが、夜はちょっと趣向を変えてスパイス居酒屋に。ドリンクはスパイスと相性の良いクラフトビールが充実。志賀高原ビールを中心としたラインナップです。

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ビール以外にも山椒を漬け込んだ焼酎を炭酸で割った「山椒チューハイ」(500円)、狭山茶の苦味と豆乳の甘みでさっぱりしたラテのような味わいの「茶豆(ちゃまめ)割り」(600円)など、スパイス居酒屋ならではのお酒もそろっています。

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つまみはランチの副菜やトッピングのアチャール(インドの漬物)なども提供しますが、揚げ物や炒め物、串など、スパイスを使った多彩なメニューが並びます。
メニューに迷ったらまずはオーダーしたいのが、4種おまかせ盛り合わせ(1人前750円)。この日出てきたのは、手前右から時計回りにスパイシーひき肉と生ピーマン、たまごのアチャール、トマトとわかめのスパイス酢みそ、とりなんこつのアチャール。日替わりで組み合わせは変わりますが、どれもスパイスが効いた「chamame」らしいおつまみが並びます。

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印象的だったのは麻婆豆腐(550円)です。豆板醤や山椒が効いた中華料理の定番メニューですが、「chamame」の麻婆豆腐は一味違うスパイスが効いたオリジナルのテイスト。一口目にふわりとスパイスが香り、後から辛さが追いかけてくる、お酒が進む一皿です。

30代になりたての健太朗さんと、20代の舞衣さん。「都立家政の人たちはとてもやさしいんです」とおふたりで口をそろえます。若いご夫婦が営むスパイスとお茶の店は、都立家政の新しい顔として、地元の人たちにも温かく見守られているようです。
「私たちが出店した前後から、都立家政には個性のあるカフェや飲食店がちょっとずつ増えてきました。これから個性的な面白い街になっていきそうで、自分達も楽しみなんですよ」
健太朗さんは期待を込めてそう言います。

都立家政の街に立ち寄る機会があれば、ぜひ優しいスパイスのカレーと狭山茶を味わってみてください。そして、個性的な店探しを兼ねて都立家政さんぽを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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