原寸大のリアルな笠鉾と屋台を近くで見られる!

江戸時代中期から行われるようになったという古い歴史を持つ「秩父夜祭」。絢爛豪華な笠鉾(かさぼこ)2基と屋台4基の、計6基の山車(だし)が秩父のまちなかを曳き廻されます。京都の祇園祭、飛騨の高山祭とともに「日本三大曳山祭」に数えられ、2016年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。

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「秩父まつり会館」は、秩父市が秩父夜祭に関する資料を展示・公開し、次世代に継承することを目的として、1984年4月に開館しました。
館内に足を踏み入れてまず目に入るのは、展示用につくられた原寸大の笠鉾(写真左)と屋台(写真右)です。高さは約16mもあり、間近で見ると大迫力! ぶらさがる提灯には明かりが灯されており、秩父屋台囃子の音が響きます。

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「実際のお祭り当日は人がたくさんいて、こんなに近くで山車を見ることはできないので、ここではぜひ近くで見ていただきたいです」と話すのは、スタッフの浅賀さんです。

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笠鉾と屋台が展示されるこの部屋では、お祭り当日の雰囲気を音と映像でバーチャル体験できるプロジェクションマッピングも行われています。2基を囲う壁にお祭りの映像が映し出され、ドコドコドコ......という太鼓や笛の音、曳き手の人々の掛け声、そして花火の映像と音が室内に鳴り響きます。迫力のある空間は、まるでアトラクションのようです。

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下から見上げるのももちろんですが、2階のバルコニーでは笠鉾と屋台を上から見下ろすことができ、さらに壮観。山車の上部にある装飾や彫刻もしっかり見ることができます。

「笠鉾・屋台コーナー」の奥には3Dシアターがあり、1年を通して開催される秩父の祭りや四季折々の姿をめぐる「秩父まつり回廊」が上映されています。

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お祭りの歴史や携わる人々など、背景を知るとさらに面白い!

2階には資料展示コーナーがあり、秩父夜祭の歴史や見どころなどについて学ぶことができます。

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まず入口で出迎えてくれるのは、玄武(げんぶ)という、亀の形をしている古代中国発祥の雷獣です。「ここで展示している玄武は、神幸行列とともに6基の山車が集結する場である御旅所(秩父公園)に、かつてあったものなんですよ」と浅賀さん。今は新しい玄武が御旅所に祀られているそうです。

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そもそも秩父夜祭の由来は、神社に祀られる女神である妙見(みょうけん)さまと、武甲山に住む男神である龍神さまが年に一度、12月3日の夜に逢瀬をすることにあります。玄武は妙見さまの神使とされ、妙見さまは玄武に乗って男神さまに会いにいくのです。

また、秩父夜祭の屋台の両脇には張出舞台がついており、ここで歌舞伎や芝居が行われます。屋台芝居には250年もの歴史があり、4つの屋台町会が毎年交代で芝居を行うそう。「町会によっては小学生による子ども歌舞伎もあります。みなさん1年を通して練習していますよ」と浅賀さん。

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12月3日の大祭の夜には、花火が打ちあがります。浅賀さんいわく、「冬の寒く澄んだ空に打ちあがる花火はとてもきれい」なのだそうです。

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さらに奥へ進むと、当日の夜祭の様子と、山車が通るルートをシンクロさせた映像が見られます。展示物に加えて、夜祭当日の熱気を映像や音でも体験することができます。

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2階の展示室を見終えて1階へ降りると、小さな舞台のあるラウンジがあります。9月・10月の土日には、ここで秩父屋台囃子を実演しているのだそう。

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年に一度の秩父夜祭をいつでも体験することができる「秩父まつり会館」。実際のお祭りを見に来る方も、ここで秩父夜祭の歴史を知り、笠鉾・屋台をじっくり見てから当日を迎えると、また一段と楽しめそうです。

※営業時間などが変更になる場合がございます。