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秩父はもともとうどんが主役

秩父出身の渡辺喜明さんが営む店は「田舎うどん」を冠するとおり、この地に伝わってきた素朴なうどんの食べ方を教えてくれる店だ。 「今となっては、秩父はそばが有名ですが、昔はうどんでしたね。そばで知られていたのは旧荒川村くらい。1969年に西武鉄道が秩父までつながり、観光客が増えた時に、そば店が増えていったんです」。 子どもの頃から家庭で手打ちされるうどんを食べてきた渡辺さん。その原体験を提供しようと2010年にうどん店を始めた。母から習ったという打ち方で、毎朝、手打ちするうどんは千葉県産の粉を使用。生地を手でこね、全体重をかけて伸ばし、寝かせて熟成。約4ミリ幅でリズムよく切られた麺は、ほどよいコシと滑らかな舌触りを目指したものだ。

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「ずりあげうどん」とは?

店のメニューでまず目につくのが「ずりあげうどん(350円)」。馴染みのないメニュー名だが、いわゆる「釜揚げうどん」だ。鍋からうどんを自分の箸で「ずりあげる」(引っ張り出す、を意味する言葉)からこう呼ばれているという。渡辺さんはこう話す。 「こどものころに、おやつ代わりによく食べましたね。茹で上がったばかりの麺をそのまま器にとり、薬味を上にのせてごく普通の醤油を少々かけて食べる。とてもシンプルなうどんの食べ方です」。 鍋から麺を箸で持ち上げればその弾力が伝わってくる。器にとって鰹節、刻みねぎ、醤油をかけて食せば、期待を裏切ることのないうどんのもっちり感。素朴ながら後をひくおいしさだ。

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きんぴらを入れて食す「田舎うどん」

秩父地域での食べ方を知ることができるもうひとつのメニューが「田舎うどん 野菜汁(500円)」だ。水で絞めた麺を、鰹ダシベースのつけ汁で味わうものだが、おもしろいのは、薬味皿で提供されるきんぴらをつけ汁に入れて食べること。箸休めではないのだ。渡辺さんはこう話す。 「秩父界隈では、定番のきんぴらのほか、揚げなすなどの季節の野菜をつけ汁に入れて食べる風習があるんですね。古い人はこれがないと『なんだ、今日はましなし(つけ合わせなし)か』とがっかりするわけですよ」。 ゴマによってコクが増したつけ汁にうどんを浸して味わえば、艶やかでコシのあるうどんの魅力が際立つ。何より、歯ごたえを残したきんぴらの食感がいいアクセントになっていて箸が進む。 寒さが厳しくなるこれからの季節は、野菜やきのこなどの具材をたっぷり入れた煮込みうどん「おっきりこみうどん(500円)」もおすすめ。郷土色豊かなうどんがリーズナブルな価格で味わえるのも嬉しい。

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