西部沿線で100体験

new

阿左美冷蔵に密着!長瀞の天然かき氷のおいしさの理由を知りたい!

https://grutto-plus.com/experience/020/ 阿左美冷蔵に密着!長瀞の天然かき氷のおいしさの理由を知りたい! | GRUTTO PLUS [ぐるっとプラス]

埼玉県西北部に位置し、町の中央を荒川が流れる長瀞町。天然記念物の名勝「岩畳」、ライン下りやラフティングと並んで有名なのが、伝統製法で天然氷を作り続ける蔵元「阿左美冷蔵」のかき氷。ここ数年のかき氷ブームの先駆けでもあり、夏には3時間、4時間待ちになることもしばしばという人気店です。

かき氷といえば夏の風物詩。だけど氷ができる冬にこそ、天然氷を堪能してみたい! ということで編集部は「阿左美冷蔵」さんにご協力頂き、貴重な天然氷切り出し作業の見学と、レトロな手回し氷かきの体験をしてきました!

 

貴重な天然氷の切り出し作業を見学!

阿左美冷蔵は明治23年、天然氷を飲食店などに卸販売する蔵元として創業。以来、今も変わらない伝統製法で天然氷を製造しています。かつては秩父地方に数軒あったという天然氷の蔵元も、現在残っているのは阿左美冷蔵一軒。全国でも日光に3軒、軽井沢に1軒、山梨に2軒と、わずか6軒が残るのみだそう。その貴重さがよくわかりますね。

長瀞の天然氷は、秩父地方ならではの厳しい冬の寒さを利用して「氷池(こおりいけ)」と呼ばれる人工池で作られます。約2ヵ月、時間をかけてじっくりと育んだ氷は冬の間に切り出されます。

th_P1010258

今回、編集部も特別に切り出しの現場に立ち会わせて頂きました。「氷池」があるのは国道から山道に入った宝登山の沢の一角。ひんやりと澄み切った空気が広がる現場につくと、25mをひと回り小さくしたほどの人工池が2面。1月下旬のある日、切り出し作業が行われました。

th_P1010055

エンジン付きのこぎりで氷を長方形に切っています。氷のしぶきが飛び、機械で削られていくさまは迫力があります。

th__DSC7633

プールのふちに近い部分は柄の長いのこぎりを使い、手作業で切り出します。かなり力を使いそう。

th_P1010207

切り離された氷は「とび口」と呼ばれる先がカギ形になった道具でかき寄せて…

th__DSC7669

氷挟みでプールから引き上げます。

th_P1010156

引き上げた氷は木のレールをつかって、トラックに積み上げていきます。

th_P1010330

作業に携わっているのは8名ほど。

th_P1010228

トラックいっぱいに積み上がると、車で5分ほどの場所にある阿左美冷蔵本店の氷室へ直行。

th_P1010366

マイナス6℃前後の環境に整えられた保冷室に、木のレールを使って切り出ししたての氷を送り込みます。

th_P1010438

勢い良く氷がレールの上を走り抜け、氷室におさめられていきます。

th_P1010403

「氷に縦の線が入っているでしょ。これは氷ができていくときにできた空気の通り道なんですよ」。

氷室に氷を送り込む作業に携わっていた職人さんに声をかけられ見てみると、透き通った氷の中に無数の線。ゆっくりと流れた時間が刻みこまれています。こうして自然の力で作られた氷は、氷室で保存され、出番を待ちます。

切り出しの現場を見せて頂いたことで、普段何気なく食べていた天然氷のかき氷が、長瀞の豊かな自然と多くの人の手を経て作られていた希少な氷なのだということを改めて実感。昔ながらの伝統が受け継がれている場面に立ち会えたことに、感動を覚えました。

取材日当日は、他の取材陣も氷の切り出し現場を訪れていました。切り出し作業の注目度が伺えます。

 

阿左美冷蔵の天然かき氷を味わう!

編集部は後日、阿左美冷蔵寳登山道店におじゃまして、手動の氷かき機を使ってかき氷づくりを体験させて頂きました!

th_P1010863

寳登山道店は秩父鉄道・長瀞駅から徒歩6分ほど、白い漆喰が印象的な外観。優れた景観作りに貢献したとして2009年度の「彩の国景観賞」を受賞したモダンな建物です。

th_P1010593

こちらが当日体験用に用意して頂いた、アンティークな氷かき機。現在お店で使用してはいないものの、阿左美冷蔵でかき氷を提供し始めた約20年ほど前に活躍していた機械だそうです。レトロなデザインがかわいらしくて、触ってみるだけでワクワクしてきちゃいます♪

th_P1010596

氷のかき方を教えてくださったのは、宝登山道店の店長・阿左美亮二さん。5代目・阿左美哲男さんの息子さんで、6代目を継ぐ長男・幸成さんと共にご兄弟で阿左美冷蔵の伝統を受け継いでいます。

th_P1010645

阿左美さん「ここに氷を置いて上からねじを回して固定します。回す時はゆっくり、一定のリズムで。力を入れる必要はありませんよ」

th_P1010663

「こんな感じかな?」

教えて頂いたようにゆっくり回しながら覗いてみると、サラサラとしたかき氷が落ちてきます。

カリッ、カリッと氷をかく音が心地よく、ハンドルを回す感触を楽しんでいるうち、あっという間にかき氷が完成!

氷は、先日見学した切り出しで取れたできたてほやほやの氷。せっかくなので、何もかけずにひと口パクリ! ひんやり冷たいけれど、ふんわりと柔らかくてなめらかな口当たり。秩父の自然の恵みが凝縮された氷の味は格別です。

「せっかくだからお店で出しているかき氷も食べてみてくださいね」というお言葉に甘え、今度は阿左美さんにかき氷を作って頂きました。

th_P1010689

こちらは普段お店で使っている電動の氷かき機。きめの細かいかき氷があっという間に出来上がっていきます。

th_P1010693

テーブルに運ばれてきたのは、大きな綿帽子のような山盛りのかき氷! 出して頂いたのは、「まるごとみかん」700円(税込)。たっぷりとみつをかけて頂きます♪

th_P1010701-2

th_DSC_0133

ひと口食べると、その名の通りまるごとみかんを食べているよう。ジューシーで果実感たっぷりです。さわやかな酸味もあって甘さも控えめなので、あっという間に食べられてしまいます。

みかんは時期や年によって良いものを選んで使っているため、酸味や甘さが異なるそう。果汁をふんだんに使った無添加みつならではの味の違いに気づいたら、立派な常連さんですね!

「こちらもぜひ食べてみて!」ともうひとつ作って頂いたのは、「蔵元秘伝みつ」のかき氷 。

th_P1010793

和三盆糖を煮詰めて作ったみつは、氷の味を引き立てるように上品で優しい味。今回は、桜あんと一緒に頂くこの時期限定のセット「蔵元秘伝みつのかき氷 桜あん」1,200円(税込)を頂きました。

香り豊かな桜あんと一緒に食べるかき氷は、まるで桜もちを食べているよう。春らんまんな味わいでした。

優しい口溶けの天然かき氷を堪能したあとは、阿左美さんに先日の切り出しのこと、天然氷のことなどのお話も伺いました。

 

氷が取れるかは、天候次第!

th_DSC_0174

天然氷を作っている氷池は昭和5年に作られたモルタル製、田んぼの跡地を利用しているそうです。阿左美冷蔵では、最大8面の氷池を使って天然氷を製造していたこともあるそうですが、昭和30年代の電気冷蔵庫の普及による需要の変化などもあり、現在は2面使用して製造しているとのこと。

編集部「毎年、どんなタイミングで氷を切り出しているんですか?」

阿左美さん「毎年10月頃、周囲の草刈りと氷池のメンテナンス、洗浄をはじめ、11月下旬頃から宝登山の麓から湧き出た沢の水を氷池に引き込みます。12月上旬頃から結氷するのを待って、全面が凍り15センチ前後になったところで氷を切り出す作業に入ります」

以前は11月下旬頃から霜が降り始めると12月上旬には結氷していたそうですが、現在は気候変動によって寒くなるのが遅く、12月中旬ごろからようやく結氷し始めることが多いそう。

阿左美さん「阿左美冷蔵では冬の間、毎日水温などを記録したノートがあり、そのノートを見ていると年ごとの水温の変動などが分かるんですよ」

記録を見ると、年々冬になるのが遅くなり、なおかつ暖かくなるのも早くなっているのが分かるのだとか。例年の気候変動にも敏感になってくるようです。

編集部「氷を作るときに、気をつけていることはありますか?」

阿左美さん「プールに水が張っている間は、氷が曇らないように沢の水を絶えず巡回させるようにしています。氷が張ってからは木の葉や不純物などが表面につかないように、ほぼ毎日ほうきで氷をはき続けるんです」

氷池の場所は沢にあるので、木の葉などが落ちやすい環境。毎日の気苦労が伺えますね。

阿左美さん「あと、雪も困りますね。氷の表面が雪に覆われると氷の品質が落ちるため、雪が積もってしまうと大幅に切り出しのスケジュールが狂ったり、せっかく張った氷を作り直さなければいけないこともあるんですよ」

寒ければ、寒いほど、天然氷は作りやすいのかと思いきや、意外にも雪は大敵だったようです!

こうして、時間をかけて育まれた天然氷は、通常厚みが15センチくらいになると切り出されるそう。ただ、今年切り出した氷は9センチほど。

th_DSC_0181

阿左美さん「本当はもう少し厚くなってから切り出そうと思ったのですが、このあと雪が降る予報などもあり、早めに切り出すことにしたんです」。

ちなみに、切り出しの作業は朝6時頃からスタートし、氷池と氷室を4〜5往復してお昼頃まで作業が続いたそうです。氷を張らせてから切り出すまで、大変な作業の連続です。

例年、阿左美冷蔵では冬の間に2日間ずつ2回、計4日ほど切り出しを行います。2面ある氷池をそれぞれ2回切り出すことができるのだそうです。

昨年は1月上旬に切り出しを行いましたが、今年の切り出しは難航。一時は切り出し自体が難しいかと心配されましたが、なんとか切り出すことができたとのこと。もし切り出し予定日に雪などが降っていたら、創業以来初めてとなる切り出しゼロの年になるところだったのだとか。

天然氷づくりは自然との共同作業。それだけに自然の変化をより身近に感じられるそうです。今日食べさせて頂いたかき氷も、自然の恵みが凝縮していることを改めて感じました。

th_P1010109

そういえば、切り出しの現場で氷にキレイにマス目が入っていたのが印象的でした。

阿左美さん「あれは前日に切り出しの目安として線を引いておいたものです。同じ大きさで切り出さないと、うまく氷室に収納できませんからね。昔から、同じサイズになるように印をつけるための道具があるんですよ。今使っている道具はどれも、氷室の大きさ、切り出す氷のサイズなどを考慮して作られたものなんです」

経験と工夫の積み重ね。こうやって伝統が受け継がれていくんですね。

編集部「ところで、一般の氷と天然氷の違いはどんなところなんでしょう?」

阿左美さん「沢から湧き出た天然水のミネラルや栄養分をたっぷりと含み、ゆっくりと時間をかけて作り出されたのが天然氷。口に含むと『うまみ』と『甘み』を感じることができますよ。これはかき氷より、かたまりの氷を食べたほうがわかりやすいと思います」

店内で出しているアイス珈琲には天然氷を使っているそうなので、その氷で違いを感じてみるのも良さそうですね。

th_P1010606

編集部「天然氷のかき氷は頭がキーンとならないって言いますよね」

阿左美さん「あれは実はちょっと違うんですよ。天然氷でも氷のかき方によっては頭が痛くなることもあります。個人差もありますしね。頭が痛くなりにくいのは、氷を常温にしばらく置いて、温度を高めてからかいているせいなんです。天然氷は通常の氷より固くて溶けにくい。だから温度の高い氷でもかき氷にしやすいんです。そのへんのことが少しずれて伝わっているのかな」

なんと! 「天然氷はキーンとならない」というのは誤解なんですね。勉強になりました!

th_P1010849

お店の中は暖かく、冬の寒さも忘れるほど。冬に食べても天然のかき氷の味は格別でした!

混雑する夏のメニューは5〜6種類ですが、賑わいが落ち着くと旬の果物をつかったオリジナルみつやその年にしか味わえない新作がメニューに並び始めるそう。

休日でもほとんど並ばず食べられるので、冬から春にかけてが穴場! ぜひ夏が来る前に足を運んで、ゆっくりと天然氷を味わってみてください。

 

「阿左美冷蔵」でかき氷体験のようすはこちら

 

 

スポット名 阿左美冷蔵 寳登山道店
住所 埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞781-4
営業時間 10:00~17:00
定休日 火曜定休(※2016年3月末までは無休)※金崎本店は、3月まで建築設備の修繕工事のため臨時休業
TEL 0494-66-1885
URL http://asamireizo.web.fc2.com
阿左美冷蔵寶登山道店

一覧ページに戻る
facebook facebook

合わせて読みたい!おすすめコンテンツ

ページトップへ

ランキング

    PAGE TOP