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- 喫茶ハレの日
サイフォンで淹れた自家焙煎コーヒーと味わう特別な時間「喫茶ハレの日」
野方駅近くの活気ある商店街を抜け、静かな街並みを歩いていくと、コーヒーの良い香りが漂う小さなお店「喫茶ハレの日」が目に入る。
穏やかで優しい光に包まれた居心地よい店内

入り口のガラス扉から、店内の様子が垣間見える
扉を開けると、店先に漂うコーヒーの良い香りが一層鮮やかになり、全身がふわりと包まれる。店内は綺麗な白い壁に木目調のテーブルが優しい光を受けていた。 「喫茶ハレの日」の開店は今から5年前の2012年。コーヒー焙煎の修行をした店主の髙橋さんが開いた喫茶店だ。

カウンター席とテーブル席で構成された店内。白と明るいブラウンで統一された店内は清潔で、おしゃれな雰囲気
高橋さんひとりで切り盛りしている店内は、ひと目で見渡せるコンパクトな造りだが、店先から入ってくる自然光の明るさで狭さを全く感じさせない。コーヒーを飲む人がゆったりできるような、居心地のよい、優しい空間になっている。

お店に入ると真っ先に目に飛び込んでくるコーヒー豆の焙煎機は、お店のシンボルにもなっている
カウンター席の奥に置かれた大きな焙煎機が、ひと際目を引く。
「焙煎の勉強をさせてもらったコーノ式塾の社長が、直々に持ってきてくれた焙煎機なんです」。
髙橋さんは、コーヒー専門店で愛用される「コーノ式名門ドリッパー」を作った珈琲サイフォン株式会社の社長が主宰する「コーノ式コーヒー塾」に通い、コーヒー豆の焙煎から淹れ方までの腕を磨いた。仕入れたコーヒーの生豆をこの焙煎機で自らの手で焙煎し、お店で出している。

夏の間は水出しアイスコーヒーをつくるためのウォータードリッパーも置かれている
「自家焙煎は難しいんです。でも、自家焙煎でおいしいコーヒーを提供し、コーヒーの魅力を広げていきたいと思っています」。
そう話してくれる髙橋さん。おいしいものを純粋にお客さんに出したいという、まっすぐな想いが、話の端々から伝わってくる。
ブレが少なく、味わいをまろやかにするコーヒーサイフォン
自家焙煎されたコーヒー豆は、コーヒーサイフォンを使って淹れられる。「最近は、コーヒーサイフォンもあまり見かけなくなりましたよね」 と慣れた手つきでコーヒーサイフォンを操る髙橋さん。サイフォンは大正時代からあるコーヒー器具だと言うが、たしかに見かけることは少なく、物珍しげに見ているとカウンター内の器具を快く見せてくれた。

コーノ式コーヒーサイフォンでの、コーヒーの淹れ方を見せてくれた

フラスコ内の水が沸騰すると、上の容器へ移動しコーヒー粉からコーヒーが抽出される。火を消すと抽出されたコーヒーがフラスコに押し戻される
「ひとりでやっているので、味のブレが少ないサイフォンが使いやすいんです」。
カウンターの中には、コーヒーサイフォン用にガスバーナーが設置されている。
「お店に来てくれた方が、おいしくコーヒーを飲めるように、信頼のおける器具でおいしいコーヒーを作っていきたい」。
髙橋さんが扱う器具は、珈琲サイフォン株式会社のコーヒー器具で統一されている。 「コーノ式で淹れるコーヒーは、優しいまろやかな味わいになります」と、髙橋さんは語る。

コーヒーを注文するとサイフォンも置いてくれるので、2杯飲めるのはとても嬉しい。「野方ブレンド(500円)」
早速、淹れてもらったコーヒーをいただくことに。コーヒーは、おすすめされた「野方ブレンド(500円)」を注文。テーブルには、コーヒーカップに淹れたコーヒーの他に、コーヒーサイフォンも置いてくれるので、実質2杯分のコーヒーを、自分のペースでゆっくりと味わうことができる。
口に含んだコーヒーは雑味がなく、すっきりとした味わい。苦味も酸味のバランスもよく、コーヒーの良い香りが口の中に広がり、とても飲みやすい。
「他にも特徴的な豆のコーヒーは何種類か用意しているので、ブレンドは特徴的なものよりも、バランスの良いものをと思いました」。
すっきりと優しい風味のコーヒーは、お店の雰囲気とマッチし、ほっとひと息くつろげる時間を与えてくれる。
コーヒーの味を引き立てる自家製デザート

「本日のケーキ(450円〜)」は日によって変わる。この日は自家製「ベイクドチーズケーキ」
お店のメニューは、コーヒーが中心だが、コーヒーに合う軽食やデザートも用意されている。 ブレンドコーヒーと一緒に注文した「本日のケーキ(450円)」は、この日は「ベイクドチーズケーキ」。ケーキも高橋さんが手づくりしている。

ドリンクは、ケーキまたはトーストとセットにすると100円引き
出されたベイクドチーズケーキは、チーズケーキには珍しく、土台がクッキー生地ではなくふわふわのスポンジ。
「スポンジも自分で焼いているんです」というこだわりのケーキは、濃厚なチーズの味が、すっきりとした味わいのブレンドコーヒーと良く合う。主役のコーヒーの味を引き立ててくれる、おいしい名脇役だ。

コーヒーについて詳しく教えてくれる高橋さんの存在が、店の居心地を一層良くしている
お店には女性のお客さんや、野方に住む地元の年配の方もよく訪れるのだそう。お店の居心地のよさに加え、髙橋さんのやさしく、のんびりとした語り口が、流れる時間をよりゆったりとしたものにしている。
「この街で長く続けて、地域に愛される店にしたいんです」。
そう話す高橋さんの優しい笑顔と、おいしく丁寧に淹れたコーヒーは、地元の人や多くのコーヒーファンを魅了していくことだろう。
※価格はすべて税込
取材日:2017年8月22日
取材・文:坂倉加奈子
店舗情報
店名 | 喫茶ハレの日 |
住所 | 中野区野方5-16-6 1階 |
電話番号 | 03-6310-3582 |
営業時間 | 10:30〜20:00(日曜は~18:00) |
定休日 | 月曜日 |
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