パティスリーで培った創造性、レストランで学んだマリアージュ
やわらかな笑顔で迎えてくださったのは、シェフパティシエの江上さんです。元は有名な自動制御機器メーカーで部品作りの仕事に従事されていましたが、「違う視点でものづくりがしてみたい」と一念発起。「飽くなき追求をしていけそうな仕事」を求めるうちに、パティシエという職業を知りました。
パティシエになることを決意して修行先に選んだのは、秋津に本店を構えるパティスリー「ロートンヌ」。そこで約10年の修業を経たのちに、フランス料理店で3年ほど働き、いよいよ新所沢に開業しました。
「レストランのコース料理は前菜からデザートまでストーリー仕立てになっていて、どれが欠けても成立しないし、どれかひとつだけが目立ちすぎてもだめなんです。また、飲み物とのマリアージュ(相性)もとても重要。ワインに合うスイーツ作りは今もこの店のベースになっています」。「ラ・リベルテ」は、江上さんがこれまでに培った経験を生かし、昇華させた集大成のようなお店なのです。
ケーキの味も店の雰囲気も「おとな」がコンセプト
「ラ・リベルテ」のコンセプトは、「おとなが楽しめるスイーツ」。ケーキにはラム酒やブランデー、さまざまなフレーバーのリキュールなどが用いられていて、鼻からすっと抜ける豊かな風味が特徴です。また素材そのものの味も大切にしており、酸味がある食材はその酸味を、苦味がある食材はその苦味を生かしています。たとえば生のカシスはかなり酸味の強いフルーツ。それを無理に甘くすることなく、素材の個性をしっかりと残したまま表現することで、ほかにはない味わいに仕上げています。
ほんのり香るラム酒と苦味があとを引く、看板メニューのカヌレ
「ラ・リベルテ」の代名詞でもあるカヌレ(210円)は、真っ黒になるまでゆっくりと焦がしたバターやラム酒がたっぷり含ませてあります。そのため、表面は噛むと音がするほどの歯ごたえなのに、中はしっとり、もちもちの食感になるのだそう。
「カヌレは表面が柔らかいものも多いですが、うちのは『カリッ』を通り越して『ガリッ』としているので、『私が知っているカヌレじゃない。焦げているのでは』と冗談交じりに怒られることもあるんですよ」と笑う江上さん。実際に味わってみると、確かに初めての食感。紅茶やワインと合わせて楽しみたい逸品です。
バニラビーンズ香るシュークリームや和スイーツも人気
カヌレに続いて人気のある「天然バニラの濃厚シュー」(270円)には、香料ではなくサヤに入った本物のバニラビーンズを使っています。市場にはあまり出回らない稀少なマダカスカル産と、さらに高価なタヒチ産の2種類のバニラビーンズを一晩牛乳に漬け、香りを移してからカスタードクリームを炊いていきます。通常よりも長めに炊き上げるため、なめらかで濃度のあるクリームに。
所沢は日本三大銘茶に数えられる狭山茶の生産地。濃厚でありながら甘みも感じられるお茶の味わいを引き出した焼き菓子は、所沢を訪れたお土産としても、お茶菓子としてもおすすめです。
"所沢らしさ"を追求した魅力ある逸品として市が認定した「所沢ブランド特産品」にも認定されている商品のひとつ「ブールドネージュ」は、ほろほろとした食感が楽しいクッキー。アーモンドの代わりにお米を揚げたライスクリスピーが入っています。フレーバーは煎茶、焙じ茶、和紅茶の3種類(各700円)。詰め合わせも可能です。
お茶碗を思わせる器に入った「狭山茶濃厚プリン」(各540円)は冷凍も可能。こちらも煎茶、焙じ茶、和紅茶の3種類があります。
甘さを抑えたホワイトチョコと狭山茶を混ぜ合わせたクランチチョコ(各700円)は、茶葉のほどよい苦みが楽しめます。煎茶と焙じ茶にはライスクリスピーを、和紅茶にはクレープをカリカリに焼いたフィアンティーヌを加えています。
毎日覗いてみたくなる、美しくてかわいいケーキがずらり
甘さ控えめで素材の味がしっかりと楽しめるスイーツたちは、わざわざ遠方から買い求めに来るお客さまもいるほどの人気。季節のフルーツをたっぷりと使った生菓子も充実しているので、定期的に足を運びたくなるお店です。
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