ベルーナドームから徒歩で行ける好立地。メニューの充実ぶりも魅力

西武球場前駅の改札を出た先には埼玉西武ライオンズの本拠地・ベルーナドームが見えます。今回の目的地は駅からほど近くにある、ちゃんぽんが名物の「さやま食堂」。

sayamashokudou_02.jpg

sayamashokudou_03.jpg

駅から徒歩6分でお店に到着。カウンター席のみの店内には選手のサインやバット、ユニフォームなどが所狭しと飾られ、ライオンズ愛にあふれています。

sayamashokudou_04.jpg

店に入ってすぐ右にはびっしりと書かれたメニュー表があります。各種ラーメンに始まり、「チャーハン」(680円)に「カツカレー」(1,100円)、「カツ丼」(930円)、定食や一品メニューも充実し、その数はざっと60種類以上。

「先代の頃はもっと少なかったんだけどね。30年くらいで徐々にメニューが増えていった感じかな」と教えてくれたマスターの山崎幸正さん。「うちの店が初めてならぜひ食べてってよ」とおすすめしていただいた「長崎ちゃんぽん」(800円)をオーダーしました。

sayamashokudou_05.jpg

マスターにとって"故郷の味"。長崎ちゃんぽんはハズせない一品

sayamashokudou_06.jpg

オーダーから5分ほどで運ばれてきた「長崎ちゃんぽん」がこちら。具材はエビやイカなどの海鮮とたっぷりの野菜。主に九州北部で「天ぷら」と呼ばれるさつま揚げも入っています。
「俺の故郷じゃウスターソースをかけるのが普通なんだよ。おいしいからちょっと試してみて」と、佐賀県出身のマスターに言われるがままスープにウスターソースをひと回し。ややスパイシーな香りと程よい塩気が豚骨スープにプラスされ、エッジの効いた味わいに変化します。

sayamashokudou_07.jpg

「ちゃんぽんだけじゃ足りないでしょ?」と用意してくれたのが、「長崎ちゃんぽん」に続く人気メニューだという「スタミナ焼肉定食」(950円)です。豚肉やキャベツ、ニラ、ニンジンといった具材に甘味のある特製味噌ダレが絡み、箸が止まりません! 自家製のマカロニサラダで口の中をリセットしつつ、完食してしまいました。
どうして人気メニューになったのかというと、「おかわり君があるテレビ番組で『さ食』の『スタミナ』が好きだからってロケに来てくれたんだよ」とのこと。「さ食」とはライオンズの選手や球団スタッフ、常連の間で使われている店の愛称で、おかわり君こと中村剛也選手が店に来るときは決まってこの定食を注文するそう。

18歳で佐賀県から上京。会社勤めを辞めて先代の味を受け継いだ

sayamashokudou_08.jpg

マスターの山崎さんは1962年に佐賀県で生まれ、高校卒業と同時に都内にある電機メーカーに就職。数年後に脱サラして「さやま食堂」に入りました。「実をいうと、ここは女房の実家でね。義理の親父がやっていた店に入ったってわけ」。元々、ラーメンの食べ歩きが趣味だった山崎さんは「いつか飲食をやってもいいな」という思いがあったそう。24歳で結婚、翌年には店の厨房に立って調理を始めました。

sayamashokudou_09.jpg

山崎さんの代になって始めた「長崎ちゃんぽん」は、小さい頃から慣れ親しんだ味。「スープの作り方や具材は何となく分かっていた」というように、オリジナルで考案しました。コクのある豚骨スープは、豚のゲンコツや鶏ガラで取る動物系スープにサバ節などで仕込んだ和出汁を加えたもの。骨を砕きながら強火で煮込むことで、濃厚な旨味のインパクトを生み出しています。

選手もファンもうちではお客さま。ライオンズとともに35年

sayamashokudou_12.jpg

「『さ食』でメシを食ったら出世する」。球団内にはそんな言い伝えがあると山崎さんが教えてくれました。新型コロナが流行するまでは、スカウト職員が入寮前の新人選手を必ず連れて来たといいます。もちろん、店で食事をするのは新人選手だけではありません。選手や球団関係者、時には監督が訪れることもあります。
「秋山選手(秋山翔吾・2011~2019埼玉西武ライオンズ所属)は週3回のペースで来てくれてたし、銀ちゃん(炭谷銀仁朗・2006~2018埼玉西武ライオンズ所属)は今もたまに『ただいまマスター!』って来てくれるよ。ありがたいよね」。

sayamashokudou_13.jpg

sayamashokudou_14.jpg

山川穂高内野手のメッセージ入り色紙や、かつてマスターの誕生祝いに球団から贈られた寄せ書きバットなど、店内にはレアなアイテムもちらほら。

埼玉西武ライオンズのファンにとってはもはや聖地と言われる「さやま食堂」には、暗黙のルールがあります。「贔屓(ひいき)の選手が食事に来てもファンは騒いだりしないの。『マスター、悪いけどサインお願いしてもらっていい?』と言ってくれれば、俺から選手にお願いするしね。写真が撮りたきゃ食事が終わってから店の前で撮る。うちの店に来たら選手もファンも同じお客さまだから」。

長年にわたり選手やファンの胃袋を掴んできた「さやま食堂」。体力の続く限り週休1日で店を続けると山崎さんはガッツポーズを見せてくれました。
埼玉西武ライオンズ勝利のげん担ぎに、「長崎ちゃんぽん」や「スタミナ焼肉定食」を食べるのがおすすめです!

※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。
※新型コロナウイルス感染症対策により、営業時間が変更になる場合があります。
※酒類の提供については、店舗へお問い合わせください。