駅からほど近い住宅街にある、アジフライの名店
練馬駅西口から高架下を抜け、小道に入ると現れる「アジ好きですか?」。「プラチナアジフライ」と書かれた黄色いのぼりと看板が目印です。
店内は白を基調としたシンプルな佇まい。元はうどん屋さんだったという店舗は、内装はそのままに厨房の改装のみでお店をスタートしたそうです。
「最初はとにかく出費をミニマムにおさえて、お店が軌道に乗ったら考えようと思っていました。意外とお客さまからは『海の家っぽい』と言われることもあるんですよ」と話すのは店主の嶌野雄太さん。
地元・千葉県富津市の味を東京から発信
嶌野さんは、明るい黄金色のマアジ「黄金アジ」の名産地で知られる千葉県富津市で生まれ育ちました。38歳の時に会社員を辞めて、知人の誘いを受けて都内に居酒屋を開きます。その後和食店で修業を積み、2021年に「アジ好きですか?」をオープンしました。
「漁師町で生まれたので、魚をさばくのはもともと得意でした。以前働いていたお店で、自分で釣った魚を調理してお客さまに出したのが評判が良かったんです。そこから『魚に特化したお店を開きたい』という思いが湧いてきました」と嶌野さん。
都内で地元の良さを発信したいという気持ちもあり、故郷で獲れた「黄金アジ」のアジフライを定番メニューにしたお店をオープンしました。
「アジ好きですか?」で食べられるアジフライは、通常と「プラチナ」の2種類。注文を受けてから揚げ始めます。
使用するのは千葉県富津市から直送された黄金アジをメインに、京都府や鳥取県から取り寄せたアジなど、どれも厳選されたものばかり。
「2種類のアジフライの違いは使用するパン粉と油の温度です。パン粉は目の粗さと糖度が違っていて、オリジナルのものをパン粉屋さんに作ってもらっています。パン粉のためにパンを作るようなお店にお願いしているので、普通のフライとは味も食感も段違いです。油の温度もプラチナは低温、通常のアジフライは高温と分けています」と嶌野さん。
"サクサク"or"ふわふわ"どちらも絶品のアジフライ
ランチの「食べ比べアジフライ定食」(1,900円)は、初めてお店を訪れた人におすすめのメニュー。通常のアジフライ(写真左)とプラチナアジフライ(写真右)の両方を楽しめます。
ひと口目は何もつけずに素材そのものの味を。そのあとは塩、おろしわさび、タルタル、ソースで......と味わい方は5種類。
プラチナアジフライはふわっとした口当たりで、アジのふっくらした身の食感を感じられる一品。美しいきつね色に揚げられたアジフライの方はサクサクで、何枚でも食べられそうな軽さです。ふっくらと炊き上げた富津産のコシヒカリもアジフライにぴったり。
「お客さまが夜ごはんのシメとして注文されることが多いですね」と登場したのは「アジ土鍋ご飯」(1合2,200円)。土鍋のふたを開けると出汁のきいたごはんの上に迫力のある片身のアジが。
混ぜ合わせると和風の出汁ときのこのいい香りがふんわり立ち上がり、食欲をそそります。
「生米、アジ、しめじ、まいたけをかつおと昆布でとった出汁で炊いています」と嶌野さん。やさしい味わいのなかにも、素材のうま味がしっかり感じられる贅沢な一品です。
「竹岡式チャーシュー」(980円)もお店の人気メニュー。
「"千葉三大ラーメン"のひとつである竹岡式ラーメンは地元のソウルフード。そのラーメンに使われているチャーシューです。豚バラを富津市のタマサ醤油で煮込んだもので、刻んだ玉ねぎと一緒に食べます。これだけを食べに来店するお客さまもいらっしゃいます」と嶌野さん。
口に運ぶとそのジューシーさにびっくり。しっかり味の染み込んだやわらかなチャーシューと生のたまねぎが相性抜群です。ほどよい塩気があり、おつまみにもぴったり。
キャッチ―な店名も魅力のひとつ
「アジ好きですか?」の店名は、嶌野さんがある日突然思いついたそうです。
「キャッチ―で省略できる店名を考えていたら思い浮かびました。これが僕の一番の功績ですね(笑)」。看板の文字は嶌野さんの直筆です。
メディアにも多数取り上げられている話題のアジフライを味わいに、足を運んでみませんか?
※価格はすべて税込。
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