シンプルな外観の"誰でも入りやすい中華料理屋"

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豊島園通りを練馬方面に進み、「豊島園前交番」の信号の斜め前に現れる「111(いちいちいち)」。洗練されたロゴと黄色い暖簾が目印です。

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モノトーンと木目調で統一された店内は、カフェのような落ち着いた雰囲気。カウンター席が7つとテーブル席が2つというシンプルな造りです。
「誰でも入りやすい中華料理屋にしたかった」と話すのは店主の吉冨貴明さん。お店の雰囲気からイタリアンと間違えて来店するお客さまもいるのだとか。

高級料理店と同じ仕込みを毎日続け、味に全力投球

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お店をほぼ一人で切り盛りする店主の吉冨さんは、九州から上京後、横浜中華街の名店「萬珍樓」で中華料理を学びました。その後、水道橋や西麻布の四川系の中華料理屋で経験を積み、2020年に本格四川料理の店「111」をオープン。

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厨房が見えるカウンターには、花椒やシナモン、クミンなどの香辛料がずらりと並びます。
「うちの料理は見た目はシンプルだけど、実は手が込んでいるんですよ」と話す吉冨さん。料理に使われるラー油や甜面醤、花椒油にいたるまですべて一から香辛料を組み合わせて作り上げているといいます。
オリジナルのラー油は全部で3種類。「なかでも麻婆豆腐用のラー油は14種類くらいの香辛料を組み合わせて作っています」。ここまでたくさんの香辛料を配合してラー油を作るのは、お手頃価格の中華料理屋では珍しいのだそうです。

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「高級料理店の仕込みと同じことを、このお店でもやっているんです」と吉冨さん。長ねぎ独特の臭みを2日かけてとり、ベースとなるタレは調味料を混ぜたあと1週間ほど置いて味をなじませるなど、時間と手間を惜しみません。
焼き餃子の皮も、もちろん手作りです。キャベツは繊維を崩さないようにミキサーを使わず全部手で刻むというこだわりが。仕込みは朝の4時までかかることもあるといいます。

多彩な香辛料と素材が一体となって舌に押し寄せる

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「担々麺」(1,000円)は看板メニューのひとつです。一流ホテルなどで使われているという上質な生麺に担々麺用の自家製肉味噌(ザージャン)と5種類の香辛料で作ったラー油、干し貝柱や干しシイタケの入った醤油だれがからみ、絶妙な味わい。辛さは選べますが、香りや味のバランスが最適な3辛が吉冨さんのおすすめです。

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「同じ価格帯の麻婆豆腐とは少し違うと思いますよ」と登場したのは「本格四川式麻婆豆腐」(小900円)。一見普通の四川系麻婆豆腐のようですが、よく見ると香辛料がたっぷり。国産にんにくと入手困難な葉にんにく、自家製ラー油、手作りの山椒油がバランスよく混ざり合い、複雑でありながらそれぞれが主張しすぎない、まさに高級中華の味です。

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四川料理のひとつ、ゆでた鶏肉に辛いタレをかけて食べる冷菜「よだれ鶏」(500円)も人気のメニュー。豆板醤をベースに自家製のラー油を2種類合わせたタレが、低温調理でしっとりとした鶏肉にほどよくからみ、こちらも絶品。口の中で香辛料が変化してクセになる後味です。

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メニューの表紙には、"ここでしか味わえない、こだわりのスパイス仕込み"の一文が。四川系をベースにしながら、吉冨さんのセンスと経験を生かした秀逸なスパイスの組み合わせは、まさに"ここでしか味わえない"料理です。

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ロゴやお店の袖看板のイラストは友人に考えてもらったもの。イラストには店名の「111」が、ロゴには小さな猫が隠れているので、お店に足を運んだ際には探してみてくださいね。

※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格などが変更になる場合がございます。