吉田のうどんの聖地・山梨出身の常連客も満足の本格派

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富士見台駅南口を出たら、富士見台通りの商店街を練馬高野台駅方面へ。5分ほど歩くと右手側に「手打ちうどん」と書かれた看板が見えてきます。入口付近には「吉田のうどん」というのぼりが。ここは山梨県富士吉田市で食べ親しまれる"吉田のうどん"の専門店。「日本一硬い」と称される吉田のうどんを都内で味わえる希少なお店です。

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2021年5月に開業した「力丸」は、カウンター6席と2名がけのテーブル席が3卓の小ぢんまりとしたお店。店内にはジャズ音楽などが流れ、ゆっくりと食事を楽しめる雰囲気が漂っています。

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「吉田のうどんの味と文化がすごく好きで、20年以上通って食べ歩き、念願の店を構えました」と話すのは、店主の高原操さん。奥さまとの二人三脚で吉田のうどんの魅力を東京に広め、海外にも発信していきたいと意気込みます。

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日本にはさまざまなうどん文化がありますが、山梨県富士吉田市の郷土料理である吉田のうどんは、なんといっても"硬い麺"が特徴的です。高原さんが手にしているのは、粉から手打ちで仕上げたといううどんの生地。持たせてもらうと見た目以上にずっしりとした重みがありました。

うどんの生地は、中力粉と塩水をそぼろ状になるまでかき混ぜたら、袋に入れて粉っぽさがなくなるまで足で踏み仕上げていきます。混ざり合うにつれて重みが増す作業はまさに重労働。
多いときで一日に30kg分が必要になるという麵ですが、それでも機械に頼らず手打ちにこだわるのは、体全体で感じる"おいしいタイミング"を逃さないためなのだそう。

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旨みを引き出すため、仕上げた生地を24時間以上熟成させるのも「力丸」のうどんの特徴。生地をゆっくりと休ませることで、表面はつるっとなめらか、しかしコシの強い独特のうどんが完成します。

温&冷のセットは本場の定番!

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噛むほどに麺の甘みが楽しめるうどんは、山梨県出身の都内在住者にも人気で、リピーターも多いという事実が本場の味わいであることを証明しています。
そんな地元・富士吉田市では、温かいうどんと冷たいうどんの両方を注文して味わうのが一般的なのだそう。「力丸」の一番人気のメニューも「肉うどんと冷やしうどんのセット」(1,200円)。200gずつ、計400gをいただきます。

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冷やしうどんはスープや麺のおいしさを楽しめるようにと、盛り付けやトッピングはいたってシンプル。冷水で締めたうどんはきりっとしています。自慢のスープは煮干しベース。澄んだスープができるまで手間を惜しむことなく丁寧にアクをとることで、風味も香りも豊かになるのだそう。やさしい旨味がうどんの甘みとマッチして、おいしさが引き立ちます。
トッピングの茹でキャベツは吉田のうどんになくてはならないもの。コシの強い麺と一緒に味わうと食感が楽しく、消化吸収を助けてくれる働きもあるのだとか。

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温かいうどんは牛肉入りです。冷やしうどんとまったく異なり、やわらかな食感で味わいもマイルド。「同じ麺なのにここまで違うのか」と驚かれることでしょう。

「肉汁うどん」は吉田のうどんと武蔵野うどんのいいところどり

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つけ麺風に楽しめる「肉汁うどん」(200g 850円)はもうひとつの人気メニュー。麺は吉田のうどん、スープは甘辛い醤油ベースの武蔵野仕立てになっており、吉田のうどんと武蔵野うどんの両方の魅力を満喫できるユニークな一品です。

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お腹に余裕があれば天ぷらトッピングをぜひ。注文を受けてから揚げる天ぷらはさくさくの食感が魅力で、中でもごぼうを薄くスライスして揚げた「ゴボ天」(150円)は絶品です。

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各テーブルには、七味唐辛子と「すりだね」と呼ばれる自家製の薬味が置いてあります。すりだねは、店によって材料や配合が異なる、吉田のうどんのもうひとつの顔。「力丸」のすりだねは、3種類の唐辛子とごま油、山椒、魚粉を配合したしっとりピリリ系。最初はうどんと出汁を味わい、あとから好みですりだねを入れるのがツウな味わい方です。

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「うちで吉田のうどんの楽しさを知って、本場に行く方もいるんですよ」と高原さん。注文を受けてから生地を手で延ばして手切りして、すぐに茹でることで実現する吉田のうどんならではの「角が立った麺」。初めての吉田のうどん体験を「力丸」で楽しんでみませんか。

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