LINEで送る全面リニューアルした3代目「井草湯」は和モダンな雰囲気
井荻駅の南口から歩いて5分ほどで到着したのは、モダンな外観の「井草湯」。現在の店主・井口雄太さんで3代目となる歴史ある銭湯です。
この地で井口さんの祖父が銭湯を始めたのは70年ほど前。2代目は道路拡張に伴う移転のタイミングで建て替えを行い、2018年には現在の形に全面リニューアルをしました。
まずは入ってすぐの券売機で入浴券を購入し、フロントで受付を済ませます。入浴料は大人480円、小学生は180円、幼児・未就学児は80円となっています。タオルのレンタルも行っているので、手ぶらで来られるのもうれしいところ。
脱衣所には鍵付きのロッカーが完備されています。男湯には、創業当時から使われているクラシカルな体重計も。
女湯の脱衣所には、今ではめずらしいスタンド式のヘアドライヤーがありました。こちらも体重計同様まだまだ現役で、使用することもできます。
浴室は木と麻の葉文様のタイルで彩られた和テイストの内装です。男湯は白と黒のコントラストが効いたスタイリッシュな空間。
女湯は白を基調とした明るく爽やかな雰囲気です。どちらも天井が高く開放的。開店直後なら心地よい日差しを感じることもできます。
和の要素を取り入れた内装は井口さんと奥さんのこだわりなのだそう。
「和風のデザインは特に女性に好評ですね。壁紙やタイルを見たら井草湯だな、と感じてもらえるような印象的な内装になっていると思います」。
男湯・女湯ともに、ジェットバスになっている白湯、細かい気泡で体を包み込むシルキーバス、炭酸泉の露天風呂の3種類が備わっています。白湯の温度は42度、シルキーバスは40度前後、露天風呂は40度弱と、やや低めの設定に。
「先代はお湯が44度と熱めで、昔ながらの銭湯といった雰囲気でしたが、熱すぎないお風呂の需要も高いのではないかと思ったんです」と井口さん。
昼間は青空の下で清々しい空気を感じられ、夜はスポットライトが水面に反射した美しいゆらぎを眺めることができます。14時半から22時半まで営業しているので、時間を変えて訪れるのもまた楽しみの一つになりそうです。
こどもも楽しめるししおどし付きの「こどもぶろ」
男湯・女湯ともに、メインの白湯の隣には「こどもぶろ」が並んでいます。湯温は40度弱で、水深も浅くなっているのでお子さまも安心して入ることができます。こども用の椅子やシャンプーも用意されていました。
「大人の目の届く範囲でこどもが入れるお風呂を作りました。飽きずに入っていられるように、お子さんでも楽しめる工夫を施しています」。
かわいらしい魚が描かれた壁に備え付けられているのは日本庭園の装飾などでおなじみの「ししおどし」。ボタンを押すと水が流れ、その動きを楽しむことができます。
「親御さんがこどもを連れて来やすい銭湯にしたかったんです。床は滑りにくいように切り込みが入ったタイルを使用し、脱衣所から浴槽までの導線の良さも意識して作りました。リニューアル後はご家族連れのお客さまにたくさん来ていただけるようになりましたね」。
井口さんご自身も4人のお子さんの父親。子育て経験を生かした発想で、新たな井草湯をスタートさせました。
開放感たっぷりのテラススペースも魅力
男湯にある有料サウナも人気のひとつ。近年のサウナブームにより、利用者が増えているといいます。残念ながら現在の女湯にはないので、今後は男湯と女湯の入れ替え日を作ることも検討しているそう。
湯上がりの休憩にはテラススペースが井口さんのイチオシ。
「暑い季節はここで昼間からビールを飲むのが最高ですよ」と教えてくれました。瓶牛乳やアイスクリームも販売されているので、大人もこどももゆったりとした時間を楽しめそうです。
現在は週の半分程度、柚子や紅茶、りんご生姜などさまざまな香りが楽しめる「香り湯」を実施しているそう。
「シンガポールの湯やドバイの湯など、世界のリゾート地をイメージした香り湯もあります。その時々の気候に合わせてセレクトし、SNSで告知しています」。
どんな香りのお湯になるかはその日のお楽しみ。気になる方は井草湯のTwitterをチェックしてみてください。
銭湯に対する敷居の高さをなくし、どんな人でも楽しい時間を過ごせる場所にしたいと考えている井口さん。3代目の「井草湯」は老若男女を受け入れ、何度も訪れたくなるような遊び心を持った憩いの場になっています。
※価格はすべて税込
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