家を改築して喫茶店をはじめたいきさつとは
「喫茶室 いぐさの細道」は店主・布目谷真理子さんと恵一さんご夫婦の一軒家を一部改築して2016年10月にオープンした。
上井草駅の近くながら、お店は一見見落としてしまいそうな場所にある。看板を目印に、思わず心が揺さぶられるような、ノスタルジックな細道を歩いていくとお店の入り口に辿り着いた。
真理子さんは若い頃から喫茶店が大好きだったという。「喫茶店にひとりで訪れてはゆっくりとした時間を楽しんでいました」と真理子さん。
そしてもうひとつ好きだったというのが、毎日届く新聞の中から気に入った記事を切り抜き、スクラップを作ること。今までに何冊もの新聞スクラップのファイルを作ってきた。
「新聞スクラップもそうですが、いいなと思ったもの、感じたものを誰かと共有したいという思いがありました。だから、そういう場所を作りたいという思いから喫茶店をはじめました」
以前は保育士として勤めていた真理子さん。退社後に選んだ第二の人生が喫茶店だった。もちろん、旦那さまの恵一さんも一緒に。おふたりは結婚してから40年。喫茶店を開くことは、結婚前には想像もつかなかっただろう。
今までの新聞スクラップが何冊にもわたって置いてある。もちろん手にとって好きに見てもOK。
本棚には真理子さんが集めた本もたくさん。これらも好きなように手にとって読むことができる。
庭がきれいに見えるように改築した店内
改築前のお店部分は、もともとLDKだったという。「家族みんなで意見を出し合いながら店部分の設計をしました」と真理子さん。
緑が素敵な庭が見えるような大きな窓をつけ、すっきりした内装にして、お客さまにリラックスしてもらえる空間をつくり上げた。
店内のどの席からも、緑が生い茂った贅沢な庭が眺められる。庭に出て本を読んだり、コーヒーを楽しむことも可。「ちょっと腰かけられる石も配置したんですよ」と真理子さん。
コーヒーはおかわりOK!
メニューにオンリストしているコーヒーはいずれもオリエント珈琲のもの。モカ、キリマンジャロ、ケニア、エーデルワイスの4種をそろえている。少量の使い切り分だけ仕入れ、2日おきに買いに行くという。そのためか、とても香りがよい。
さらに特筆すべきなのは、おかわりができるということ!なんとも太っ腹である。
「1杯だけだと物足りないじゃないですか。豆の種類を変えておかわりしてもいいんですよ」(真理子さん)
損得感情ではなく、ゆっくりとおいしいコーヒーをいろいろ飲んでもらいたいから、という真理子さんの気持ちが込められている。訪れた人がつい長居してしまうというのも納得である。
そしてぜひ味わってもらいたいのが、「いぐさの細道」オリジナルの「ヨーグルト・ア・ラ・モード」だ。プレーンヨーグルトにバニラアイスを重ね、リンゴやバナナなどフルーツをたっぷりトッピングしたもの。さらに底にはドライフルーツ入りのグラノーラが隠れている。
「ヨーグルト・ア・ラ・モード」(490円)。 季節によって、庭で採れたブラックベリーやブルーベリーをトッピングすることもあるそう。さっぱりした甘さとグラノーラの食感など全体のバランスが秀逸だ。ヨーグルトとアイスが合わさり、さっぱりとした甘さ。さらにフルーツたっぷりで食べごたえがあり、グラノーラとの相性も抜群。この初めての味わいに夢中になり、取材中、あっという間にたいらげてしまった。
デザートや軽食と一緒に好きな飲み物が選べる「セットドリンク」(290円)もある。ちなみにメニューも開店するにあたって家族で相談しながら決めたそうだ。
店では小さなコンサートや絵画の展示など、定期的に様々なイベントも実施。地域の人たちをつなぐ場にもなっている。これから先、もっと地域に欠かせない店となることだろう。
※価格はすべて税込
※営業時間、販売商品、価格等が変更になる場合がございます。
※写真、記事内容は取材時(2018年7月20日)になります。