店長は工芸菓子コンテストで受賞歴多数!

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店内は全面ガラス張り。明るく広々としていて居心地がいい「御菓子司 木村家」は、昭和35年ごろ、現店長である木村安志さんのお父さま・栄さんが、北品川にある同名店をのれん分けした店であるという。
幼いころからなんとなくお店を継ごうと考えていた安志さんは、大学を卒業後、都内の和菓子屋さんで数年間修業を積んだのち、家業を継ぐこととなる。いまでも技術を磨き続けており、4年に一度のお菓子の祭典「全国菓子博覧会」等に出品。数々の受賞歴を持っている。

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毎朝5時30分からお菓子づくりを始める木村安志店長。

店に飾られている作品は、お菓子でつくられているとは到底思えない繊細な出来栄えで、時間を忘れてうっとりと眺めてしまうほどだ。安志さんの和菓子づくりへの想いが、これらの作品と受賞歴に詰まっていると言えるだろう。

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第27回全国菓子大博覧会「お伊勢さん菓子博2017」工芸賞受賞作品「千神龍江」木村安志店長により餡平(あんぺい)で繊細につくられた工芸菓子。

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練馬大根を使った商品がとくに人気!

そんな同店のイチオシ商品は、「木村家のだいこんまんじゅう」(1本183円、1わっぱ・5本入1,296円)。

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こだわりのこし餡を使った練馬大根の形そっくりのお饅頭だ。練馬大根の葉も練り込んだ薯蕷(じょうよ)饅頭は、上品な甘さでとてもおいしい。たくあんクッキーを添えてわっぱ型のお弁当箱にいれたパッケージは、安志さんの思案の結果である。リピーターが多いのは、見た目の面白さだけではなく、味わいに品があるためだろう。

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人気No.1の「手作り最中 木村家のだいこん」(248円) は、無添加なのに3週間日持ちするのがうれしい。練馬大根の葉を入れた香ばしい皮に、自分で餡を包むため、歯ごたえも香りもよく作りたての味が楽しめる。餡は最高級の丹波大納言をふっくらと瑞々しく炊き上げ、甘さひかえめで絶妙な柔らかさに練り上げている。

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季節限定商品の「フルーツ大福」(237円~356円)も大人気だ。特に蒲郡みかんを使用した「まるごと蒲郡みかん大福」(345円)は、その名の通り甘いみかんがまるごと入っている、贅沢な一品。

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完全無漂白・国産の和栗を使った「栗どら焼き」「栗トラ焼き」(各194円)や、膨張剤不使用の「和風ブッセ ふじ塚のゆき」もこだわりの商品だ。

そして、和三盆を使った「和三(なごみ)ぷりん」のとろける食感と品のある甘さは、ケーキ屋さんかと錯覚するほどの絶品。オーブンではなく蒸気で蒸すことで、より正確な温度を保てるのだという。以前はお店の半分を洋菓子が占めており、その洋菓子づくりをすべて安志さんが担当されていたと聞いて納得した。和菓子屋のプリンをあなどってはならないと実感。

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「和風ブッセ ふじ塚のゆき」(194円)は エダムチーズ入りの濃厚バタークリームを挟んだ「チーズ」、大納言入りバタークリームを挟んだ「抹茶」の2種類展開。

店内を撮影させていただいていると、「隣に手塚治虫さんが住んでいたんだけど......」と安志さん。
「手塚さんに気に入っていただいていたワッフルがあったんだけど、そのワッフルをまた売り出そうかと思っていて」

富士見台駅に「アニメ発祥の地」として「鉄腕アトム」の看板があったことを思い出した。まさか、手塚治虫氏のお住まいがお隣だったとは。安志さんのお姉さんが治虫氏の娘さんと同級生だったというから、さらに驚きだ。ワッフルの販売が楽しみで仕方がない。

※価格はすべて税込
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※写真は取材時(2019年7月19日)に撮影したものです。