養鰻場三代目が店主の、行列必至のうなぎ屋さん

蔵造りの町並みが続く一番街商店街。観光客で賑わう通り沿いに佇む店舗には、昔の風情が漂っています。「古民家で食べるうなぎ」をコンセプトにしているとあって、140年ほど前に建てられた薬屋さんを改装してお店にしたのだそう。

店内もレトロな雰囲気で、木を配した落ち着きのあるインテリアが魅力的です。全64席あり、奥には薬屋で使っていた蔵もそのまま残っています。

蔵は2階建て。2階にもテーブル席があり、落ち着いて過ごせる空間となっています。
こちらのお店を手がけたのは、栃木県で養鰻場を営む「林屋川魚店」。清流・那珂川の近くで稚魚から鰻を育てている会社です。もともと川越はうなぎが名物ということで、昔から取引があっため馴染みがあり、「うなぎ屋を出すなら川越で勝負したい」という想いがあったそう。
そして、2010年に川越で「うなぎ林屋」といううなぎ屋をオープン。そこが爆発的な人気となったことから、2店舗目となる「うなぎ傳米」の開業に至りました。1店舗目と同様、「うなぎ傳米」も人気店。平日の昼間でもオープン直後に次々とお客さまが訪れ、いっきに行列が作られます。
お店はランチ営業のみで、店内利用の場合は予約が可能。行列必至の人気店なため、訪れる日が決まったら予約をしておくと安心です。

店主を務めるのは、養鰻場の三代目でもある小林優仁さん。
「お店で出すうなぎは、自社の養鰻場で育てたものを中心に、その時期で一番脂ののったうなぎを厳選しています。一般的なお店では200グラムほどの大きさのうなぎを使用しますが、うちではそれより50グラムほど大きいサイズのうなぎを使っているのが特徴です。うなぎは大きいほど脂ののりがよく、焼く際に脂で小骨が揚がるため、食べたときに小骨がほとんど気になりません。ふわっとした食感とジューシーな味わいをお楽しみください」
イートインもテイクアウトも楽しめる

蒲焼は蒸してからタレを付け、炭火で焼く関東風。お店の周囲には甘くて香ばしい香りが漂い、食欲を刺激します。

イートインメニューで一番人気なのが、うなぎ一匹分を使った「うな重 上」(4,620円)。肉厚なうなぎが口の中でふんわりと広がります。うなぎの蒲焼は、お箸で簡単にほぐれるほど柔らか。ツヤツヤのお米も自家栽培しているというこだわりです。
店内では、旨みが格別なブランド鰻「うなぎ 坂東太郎」の「うな重 大」(8,000円)や、うな重ハーフ・かぼちゃサラダ・鶏の照り焼き・玉子焼き・ジュースがセットになった「お子様うな重」(2,130円)などのメニューも。
また、日本食の職人が常駐しており、季節の食材を使って2週間ごとにメニューが一新される「コース料理」(11,000円~)も人気です。

店外から見える場所で焼いているのは、テイクアウト用のうなぎ。
「10代、20代の方にもうなぎのおいしさを知ってもらいたいと思い、テイクアウトを考えました」と、店長の小林さんは話します。
その狙いは大当たり! テイクアウトメニューも行列をつくる大人気となりました。

ワンコインで買える、テイクアウトの「ミニ蒲焼」(500円)。テイクアウト用では、店内で出しているうなぎよりもさらに大きいサイズのうなぎを使用するそう。
「うなぎは大きいほど脂がのっているため、テイクアウトに使う特大サイズのうなぎは少量でもインパクト大。口に入れた瞬間、旨みのある脂が口のなかにジュワっと広がり、ガツンと衝撃的なおいしさを感じられると思います」と小林さん。

「う巻き」(500円)も紙皿にのせてテイクアウト用に提供。蒲焼にしたうなぎを、甘めの出し巻き玉子で包んでいます。万能ネギと大根おろしが添えられていて、さっぱりといただけます。

テイクアウトの一番人気は、「うな飯」(800円)です。こちらの蒲焼も職人が炭火でじっくり焼くため、味はもちろん本格派。気軽に食べられるサイズ&価格帯なのも人気の理由のようです。

最後に小林さんに今後の展望を伺いました。
「『うちのうなぎを目的に来た方が、ついでに川越の街を知る』というくらい、魅力のあるお店にしていきたいですね。また、いつか『うなぎ祭り』を川越で開催するのも夢です。川越はうなぎが有名で、20店舗近くうなぎ屋があるため、そうしたお祭りで盛り上げていけたら嬉しいです」
厳選されたうなぎを手軽に楽しめる「うなぎ傳米」。川越で食べ歩きがしたくなったら、ぜひ立ち寄ってみてください。
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