季節の野菜たっぷりの、身体と心に寄り添うごはん
趣のある石畳の通りに面した建物の2階に「養生めし 菜の香」はあります。店内へ入ると、大きな窓からは自然光がさんさんと差し込み、穏やかな空気感。
木目調の明るい店内には、テーブル席のほかにカウンター席も4席あり、ひとりでも利用しやすい雰囲気です。金曜日と土曜日に行っている夜営業では、しっとりした空間で単品料理やアルコールをいただけるのだそう。
お話を伺ったのは、店主の似内七菜さん(右)とスタッフの黒木瑞野さん(左)。似内さんは前職で障害福祉の仕事をしており、そのときの職場の同僚とふたりでこのお店を立ち上げました。
お店のコンセプトは「心と身体に養生を」。"養生めし"というテーマは、もともと似内さんが趣味で薬膳の学校に通っていた際に「食養生」という考えを知り、それで人の役に立つことができないかと考えたのがきっかけでした。
「『食養生』というのは、なんとなく感じる不調を食べ物で整えるという考え方です。体質に合った食事を摂ることで、心も身体もスッキリと健やかになります。前職では心身に不調のある方と接する機会も多かったので、食の大切さは実感していました。もちろん一度の食事で変わるものではありませんが、ここで『食べたい』と思うものをゆっくり味わって、気持ちの養生も感じてもらえたら嬉しいです」と似内さんは話します。
「菜の香」の食事が、自分に合う食事を摂って調子を整えるというセルフケアのひとつのきっかけになりそうですね。
自分に合うメニュー選びができる体質診断も
ランチは「季節の蒸籠蒸し定食」を提供。「選べるおかず2品」(2,200円)、「選べるおかず3品」(2,500円)、「選べるおかず4品」(2,800円)の3種類です。蒸籠蒸しのメインの具は、ブランド豚のむさし麦豚か白身魚が選べます。
地場の野菜がたっぷり入った、彩り豊かなおかずは季節毎に内容が変わります。この日は夏のおかずで、白木耳ときゅうりの中華和え、枝豆とひじきのおからサラダ、黒木耳と揚げ茄子の茗荷酢和え、ゴーヤと梅の塩昆布和えをチョイス。丁寧につくられた、優しい味わいの料理が身体に染みわたります。
お味噌汁は、プラス300円で「養生スープ」に変更可能。このスープは、食材の出汁の旨味がギュッと出ていて、飲むと身体に染みわたるようです。中に入っているのは、牡蠣、アサリ、干し椎茸、ネギ、黒木耳、生姜など。血液を作る働きや安眠などの働きがある食材をふんだんに入れているそう。
希望すると、店内で食事をする前に体質診断ができるのも、このお店の特徴のひとつ。
「そのときの自分に合うものを食べていただくにはどうしたらいいかと考えて、体質診断を用意することにしました」と似内さん。
用紙には、「気持ちが落ち込みやすい」「お腹が張りやすい」「雨の日や曇りの日になると体調が悪くなりやすい」などのチェック項目があり、その合計数によって、体質タイプがわかるというもの。その結果をもとに、体質や体調にあわせたおかずを選べます。オーダーの参考になるだけではなく、自分の体調を再確認するきっかけにもなりそうです。
オリジナルのブレンド茶は、定食とセットの注文で500円。全部で6種類あり、こちらも体質診断の結果を参考にして選べます。写真は、ルイボスやローズヒップをブレンドした、「花果ブレンド」。血流を改善し、身体を温めたい人におすすめです。
その人にとっての心地良い時間を提供したい
似内さんは以前、お客さまからお会計の際に「病院の検査の帰りで、今日は朝からずっと緊張していたけれど、ここで自分に合った食事ができて嬉しかった」と、笑顔で言われたことが印象的だったそう。「その人にとっての良い時間を提供できたことが、とても嬉しくて。そういう場をつくりたかったんだと実感しました」。
「今後は、お店に足を運ぶのが難しいという方に向けて、物販の拡充も検討しています。必要な方がご自宅でゆったりと養生できるよう、何かできればと考えています」
「養生めし 菜の香」に一歩入れば、忙しい毎日を送っている人も、ふと立ち止まって自分を労わる時間になりそう。ちょっと明るい明日を応援してくれるお店で、元気をチャージしてみてはいかがでしょうか。
※価格はすべて税込
※販売商品、価格などが変更になる場合がございます。