重要文化財の蔵が作り出す心地良い空間

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「ドライフラワーのお店を始めるために、調湿に優れた蔵を探しました」と話す店主の松永美湖さん。そんな松永さんが出会ったこの建物は、明治33年に建てられた重要文化財の蔵をリノベーションしたもの。蔵を築いたのは川越のシンボル「時の鐘」の再建も手掛けた、棟梁の関根松五郎さんです。

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フランス語で「やさしいそよ風」を意味する店名の通り、そよ風が吹き抜けるような心地の良い空間が広がる店内。訪れた人を、天井に吊るされた美しいドライフラワーが出迎えます。レジカウンターの古い桐箪笥や花を乗せる昔の学習机など、隅々にいたるまで、古いものと花を大切にする松永さんの世界観が反映されています。

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蔵の中のカフェスペースには、1階に二人掛けのテーブルが3つ、2階には5つあり、落ち着いた蔵造りの空間でゆったりと食事を楽しむことができます。

丁寧に下処理されたフレッシュなドライフラワー

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une brise」の運営母体は所沢に拠点を置く障がい者就労支援事業所の「きぼう工房」で、松永さんは同所の代表も務めています。「une brise」に並ぶドライフラワーやそれらを使ったブーケなどは、「きぼう工房」のメンバーによって手作りされたものです。
「ドライフラワーには『枯れた』『茶色い』などのイメージがありますが、うちのこだわりは、新鮮な花の下処理や乾燥に手間をかけた、綺麗でフレッシュなドライフラワー作りです。そうして丁寧に作ったドライフラワーは、生花より色が濃くなるものもあるんです」と話す松永さん。花の栽培もおこなっており、ドライフラワーとしては珍しい品種の花も店頭に並びます。そんなドライフラワーの魅力について、松永さんは「"水"という制約がない分、生活のあらゆる場面に取り入れやすいこと」だと語ります。「une brise」のドライフラワーは、結婚式用のブーケやスワッグ、成人式のヘアパーツとしても大人気。お店には連日、カップルや親子連れも多く訪れています。

こだわって選び抜かれたフードと雑貨

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カフェのイチオシは、限定20食の「ゆぬ蔵(くら)ランチ」(1,000円)です。季節に合わせて2ヵ月に一度内容の変わるワンプレートで、使用する調味料にまでこだわった看板メニューです。「ゆぬ蔵ランチ」で提供されているパンは、同じ川越にある「けやきベーカリー」から仕入れる天然酵母を使った「パン・ド・ミ」で、サクサクの食感がたまらないトーストに塩ホイップクリームをつけていただきます。

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デザートメニューやドリンクも充実しており、日替わりケーキ(600円)は常時3種類ほどが用意されています。特に人気なのが、所沢にある「森のとうふ屋さんの手づくり菓子工房」のシフォンケーキです。豆乳で作られているシフォンケーキはしっとりフワフワな口どけが特徴で、ファンの多い逸品。東大宮「ちひろコーヒー」から仕入れる豆で入れたブレンドコーヒー(500円)は香り豊かで、飲むと深い味わいが広がります。カフェで使われている美しい食器やグラスは店内の棚に並び、可愛い雑貨などとともに購入することもできます。

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これらこだわりの品々はすべて松永さんが調べ、制作されている事業所の方々と実際に話をして提携を決めたものです。「魂を込めて作られたおいしいもの、ときめくものを取り扱っています」と松永さんは語ります。

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une brise」がオープンしたのは2020年の8月。コロナ禍で受注生産が減少した「きぼう工房」のメンバーに、新たな仕事を創出するために始まりました。いまではその世界観に惚れ込んだファンも多く、遠方からもたくさんの人が足を運びます。
「これからも、きぼう工房のメンバーの仕事を作るとともに、お客さまに喜んでいただけるものを多く提供していきたいです。それが『une brise』の役目だと思っています」と語る松永さん。たくさんの人の想いが詰まった『une brise』では、今日も松永さんとスタッフのみなさんが、訪れる人を笑顔で待っています。


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