入り口をはいるとそこは別世界
初めて訪れる人はきっと戸惑ってしまうであろう場所にある。しかし、ひとたびその外観を見れば、非日常的で愛おしい空間に引き込まれてしまうはずだ。
店内へ入ると、木の温もりいっぱいの柔らかな空間が広がる。元々は「飯能」駅の近くで店を構えていた店主の清水修さんが、この地へ拠点を移したのは約15年前だ。緑も何もない空き家だったこの場所を、前身の店を営業しながら作り上げた。
20歳のころ、清水さんはイギリスへ渡った。フルーツピッキングなどの仕事をしながら、農場の納屋で寝泊りしていたそうだ。印象深く残っているイギリスの古民家と自分が寝泊りしていた納屋のイメージがHotPotに再現されている。店名は、当時よく通っていたロンドンのお店と同じ名前にした。
地元の幼稚園から譲ってもらった窓は、清水さんお気に入りのカウンターを彩っている。表と裏で緑とピンクの二色使いをしており、その幼稚園出身のお客さんが来店した際は話に花が咲いたそうだ。
こだわりの自家製チーズケーキ
HotPotで一番人気のメニューは自家製チーズケーキ。
オーストラリアやニュージーランドのクリームチーズを使用しているため、さらっとした口当たりが特長。あえて半解凍の状態で提供しているので、口の中でほどける食感を楽しめる。フルーツの酸味が良いアクセントになり、チーズケーキが苦手な人でも食べられる、さっぱりとした味わいだ。
素朴でどこか懐かしい味わい
ランチプレートは山盛りのサラダが印象的だ。近くで農家を営む親戚から無農薬野菜を仕入れており、旬な野菜をたっぷりと食べられるのは嬉しい。その日仕入れた野菜によって内容を変え、漬物を出すこともあるのだとか。
添えられたピザも手作りで、冷めてもおいしいように味付けを工夫している。スタンダードなスパゲッティは、どこか懐かしさを感じた。ランチメニューはプラス150円でチーズケーキのセットにもできる。奥さま自慢の牛乳たっぷりアイスオーレと一緒に、食後のひと時を過ごしたい。
夢は大きく店舗展開
最近はブログなどの口コミで、台湾や香港から来店する方も少なくない。
清水さんは、「春には桜とモッコウバラが甘い匂いを漂わせ、暑い時期には木陰になってくれる。紅葉が終われば冬は暖炉にあたってしみじみと。自然に包まれながら食べる食事は格別です。自分の目の届く範囲で、もう2~3店舗ほど展開したい」と、顔をほころばせた。
絵本の中から飛び出してきたような不思議で温かい空間は、親しい友人のお家へ招かれたような、温かく満たされた気持ちになれる。チーズケーキ片手に、時には一人で、時には大切な誰かと。HotPotは心安らげる時間を過ごせる場所だ。
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