13年間修業を重ねて目指した自分流の蕎麦屋

2024年2月、新狭山駅からまっすぐ伸びる道路「すかいロード」沿いにオープンした「手打ち蕎麦TARO」。「目指したのは、どなたでも入りやすい蕎麦屋です」と話すのは、店主の豊川慶新さんです。
もともと蕎麦を食べるのが大好きで、各地で蕎麦屋巡りをしていた際に気になったのは、「手打ち蕎麦屋は敷居が高い」ということ。そのため、自分のお店を出すときは、誰でも気軽に入れるカフェのようなお店にしたかったとのことです。

豊川さんは手打ち蕎麦屋をはじめ、海鮮居酒屋、焼肉屋などの飲食店で13年間修業を積んできました。
「最終的に蕎麦屋をやりたいという夢があったので、手打ち蕎麦は4店舗で修業しました。他のジャンルの料理を学んだのは、蕎麦しか作れない料理人になりたくなかったからです。実際、今は日本酒とともに楽しんでいただく一品料理も好評。最初から『自分のお店を持つ』いう夢に向かって一直線でしたね」と豊川さんは話します。
蕎麦の香りを楽しめる打ち立ての"外二八蕎麦"
ここでいただける蕎麦は、蕎麦粉10に対してつなぎの小麦粉を2の割合で配合した「外二八蕎麦」。十割蕎麦が持つ風味と、二八蕎麦のツルツルとしたのど越しの両方の良さを味わえる、細めで白い江戸前蕎麦です。打ち立てのおいしさを味わっていただくために、朝と昼の1日2回に分けて蕎麦を打っているというこだわりも。
蕎麦粉は時期によって産地が変わりますが、この日使っていたのは栃木県で先日刈り入れをしたばかりの新蕎麦。蕎麦の香ばしい風味が口いっぱいに広がります。
つゆは本鰹のみで出汁を取っているそう。「鰹を使うとコストはかかりますが、そのぶん間違いなくうまみのあるおいしい出汁が取れるんです」と豊川さん。

一番人気のおすすめは「天ざる蕎麦」(1,650円)。天ぷらは海老天と野菜天3種の全4品が付いてきます。野菜天のうちカボチャとナスは定番で、緑の野菜は時期により異なります。野菜は狭山市産のものを積極的に使っているのだそう。

お酒と一緒に楽しめる一品料理も充実しています。人気は「醤油玉子の崩し焼き」(680円)。中はトロトロの半熟で、玉子の濃厚なおいしさとだし醤油が相性抜群です。

「牡蠣の天ぷら」(1,200円)も定番の人気メニュー。広島県産のプリプリの牡蠣が4個、揚げたてで提供されます。狭山市産の抹茶塩を付けていただきましょう。
季節限定のメニューもあり、取材に伺った1月下旬はフグやワカサギの天ぷらがありました。

日本酒は狭山の純米酒「里平」を含め常時15種類ほどを揃えており、「日本酒利き酒セット」(3種セット・1,000円)もあります。お好きな日本酒から選べて飲み比べできるので、お酒好きにはたまりません。
店名の「TARO」は豊川さんの師匠であり、人生の先輩である方の名前から取ったそう。
「僕が20歳前後の頃、将来どういう道へ進むか迷っていたとき、『君はお蕎麦が大好きだから蕎麦職人が向いているんじゃないの?』と言ってくれたのがその人でした。それまで自分が蕎麦を作るという発想は全くありませんでしたが、尊敬する人のひと言で蕎麦打ちの修行を始め、ついにお店を持つまでになりました。その方は建設会社を経営されているので、お店の内装の工事をお願いし、さらにお名前を屋号に使わせていただきました。本人は『責任重大だな』と笑っていましたが、まさに自分にとっての恩人です」と語ってくださいました。

「ありがたいことにある程度常連さんもついてきているので、このままのペースを保ちつつ、もっとたくさんの方に食べていただけるよう邁進していきたいです。当店の成長とともに、商店街も一緒に盛り上げていけたらうれしいですね」と豊川さん。
狭山市にお出かけした際は、香り高いお蕎麦をいただきに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。
※価格はすべて税込
※販売商品、価格などが変更になる場合がございます。