子育てとともに歩んできた店

犬の尻尾をモチーフにした可愛らしいドアノブを引くと、テーブルに整然と並んだパンが目に入る。レジ周りはベンチが置かれ、ゆったりとしたキッズスペースに。大きな窓のそばには絵本とおもちゃが置かれているのも印象的だ。

オーナーの田中健治・玲奈さん夫妻が16年ほど前に店をオープンした当時は、お子さんが生まれて間もないころ。店の片隅で子育てをしながら店を切り盛りしていたという。その影響からか、小さなこども連れでもゆっくりとパン選びができる心配りが行き届いている。

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自慢はフランスパンとクロワッサン

フロアの奥にはガラス張りの厨房。中でパンをつくる田中さんの姿が販売フロアからも見えている。店の自慢はフランスパンとクロワッサンだ。
店にお伺いした時はまさにフランスパンの製造中。「マシュー」では香りや食感を重視するため、パンの種類によって小麦を使いわけているそうで、フランスパン系のバゲットやバタールなどはフランス産小麦を使用しているのだそう。

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小さいころから近所にあった店の影響でパン屋さんに憧れていたという田中さん。その夢を叶えるべく、製菓学校を卒業したのちは都内近郊に数十店舗あるベーカリーに勤務。その後、この店を開業した。
開店当初は譲り受けた古い釜を使ってパンを焼いていたそうで「古い機械だから扱うのが大変で苦労したのを覚えています」と懐かしそうに話す田中さん。

そんな話を伺っているうちに、ふんわりと香ばしいフランスパン(220円)が焼きあがった。

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もうひとつのおすすめはクロワッサン(150円)。
北海道の四つ葉バターを使い、16層で仕上げた生地はサクッと軽い焼きあがり。バターの芳醇な香りと小麦の香ばしさが相まって、あっという間に完食してしまう。

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デニッシュ生地にフランス産のバトンショコラを巻き込んだパン・オ・ショコラ(160円)もフランスでは定番。
焼き込んでも溶けない棒状のチョコレート「バトンショコラ」はデニッシュのために特別に作られたもの。上質なチョコレートを焼き込んだパンも複数あるそうなので、食べ比べてみるのも楽しそうだ。

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地域に寄り添いながらパンを焼き続ける

店内に並ぶパンはハード系よりもソフト系の割合が高い。本来はハード系も大好きだという田中さんだが、近隣のお客さまの好みに合わせると自然とスイーツ系や惣菜パンなどのソフト系が多くなっていったそうだ。自分の得意分野を強く主張するのではなく、求める人が求めるものをとそっと寄り添うようにパンを焼き上げる。

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実は田中さんのお子さんが保育園に通っていた時、その保育園で出す給食のパンをマシューで焼いていたという。その縁が繋がっていき、今では入間市の市立保育所のためにパンを焼き、さらには近隣のレストランもマシューのパンを使用するように。
まさに地域の味として親しまれているようだ。

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さらに驚くのがその値段の手軽さだ。上質な素材を使って丁寧に作られているのにもかかわらず、そのほとんどが100〜200円台。仏子に住む人たちが羨ましくなってしまう。

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休みなく手を動かしてパンを焼き続けるちょっぴりシャイな健治さんと、柔らかな接客で訪客の心を掴む玲奈さん。
二人が紡ぐマシューの味は、これからも地域の味として親しまれていくだろう。

※価格はすべて税込
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