老舗果実店の3代目がフルーツパーラーを展開

「多根果実店」は、今年で創業から89年目を迎える老舗店。初代店主が果物専門店として国分寺駅前に店を構えたのが始まりです。店名の「多根」は初代の故郷である石川県の多根村が由来。8年ほど前に現在の店舗に移転し、孫の延命真一郎さんが3代目店主として跡を継いでいます。

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果物店に生まれ育った延命さんは、小学生のころからお惣菜を手作りして同じ家に住む11人分を賄う腕を持ち、幼くして既に料理人の気質が備わっていたそう。大阪の辻調理師専門学校を卒業後、地元に戻って果物について学びながら店を手伝います。その後は学生時代の同期である友人とともに八王子の「バーゼル洋菓子店」で洋菓子作りや人気メニューとなったカレーの開発など幅広い料理に取り組み、ヨーロッパでの修行も経て、2003年11月より「多根果実店」で洋菓子の製造販売をスタートさせました。

_Q5A5670.jpg_Q5A5635.jpgオレンジ色のランプで照らされた店内には、季節のフルーツを使ったショートケーキやタルト、焼き菓子、オリジナルのジュースや紅茶などが並びます。商品には一つひとつ手書きの POPが添えられており、作り手の人柄を感じる暖かな雰囲気です。

_Q5A5636.jpg_Q5A5794.jpgふと壁に目をやると、フルーツパーラーらしからぬ革製のジャケットがずらり。流行りにとらわれず長く愛されるものを好む延命さんのこだわりでセレクトし、販売もされています。このほかにもロボットのフィギュアや絵画なども販売されており、洋菓子以外にもお客さまのコレクター心をくすぐる商品がたくさん並んでいました。

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こだわりの詰まった内装も店主の手作り!

お店の2階はアンティーク調の内装がおしゃれなカフェスペースになっていて、落ち着きのある空間でゆったりとスイーツをいただけます。開放的なテラス席があるのも魅力です。

_Q5A5645.jpg「人が喜ぶことや心を豊かにすることで、自分にできることはなんでもやりたいと思っているんです」。そう語る延命さんは、なんとお店の内装も全てご自身で手がけられたのだとか。店づくりも自らの手で行うことで、この店をより長く続けていこうと決意したと言います。

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種類豊富なフルーツケーキ&スペシャリテの濃厚な「国分寺チーズ」

延命さんのモットーは、できるだけリーズナブルな価格でおいしいものを届けること。お菓子は全て素材の味を大切に、化合物や防腐剤などは使わず、安心して食べられるものにこだわっているのだそう。

_Q5A5750.jpg季節のフルーツを使ったタルトやショートケーキが常時10種類ほど提供されています。「苺のタルト」(770円)はカスタードクリームの素朴な甘さがいちごの程よい甘味と酸味を引き立てます。
「柑橘のタルト」(660円)はグレープフルーツやオレンジなど瑞々しい3種類の柑橘類を盛り込み、洋酒を効かせた大人向けの一品。甘さ控えめで柑橘の酸味がしっかりと感じられます。

名前の通りフルーツのイメージが強い「多根果実店」ですが、意外にもスペシャリテはこちらのシンプルなチーズケーキ「国分寺チーズ」(880円)。しっとりとした滑らかな食感と濃厚なチーズの風味が味わえます。

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「遠方からいらっしゃるお客さまが多く、保冷剤なしでも遠くまで運べるようなケーキがほしいとご要望をいただいたのがきっかけでチーズケーキを作りました。フルーツを使った見た目の華やかなケーキやタルトをたくさん作ってきた中で、あえてシンプルなものに挑戦した料理人としての集大成でもあります」と延命さん。
ひとりでも多くのお客さまを楽しませたいと、創意工夫を重ねる中で生まれた上質なチーズケーキは、フルーツを目当てに訪れる方にもぜひ味わっていただきたい一品です。

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「『ただの物売りになってはいけない』というのが祖父からの教えです。商品を売ることよりもお客さまに楽しんでもらうことが大切。人を喜ばせたいという初心を忘れずに、お客さまを楽しませられる店を続けていきたいですね」。
挑戦と変革を続けてきた延命さんが掲げる今の目標は、「多根果実店」が100周年を迎えること。熱い想いを持った3代目店主が営むこのお店は、11年後もその先も、きっと多くの人を楽しませ続けているに違いありません。

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