窓から公園を眺めつつ、くつろぎのティータイム

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住宅街の中にありながら、すぐ横には狭山丘陵を背景にした北山公園がある「茶 かわせみ」。お店に到着すると、澄んだ空気に思わず深呼吸したくなる人も多いはず。「となりのトトロ」のモデルにもなったという自然に囲まれたこの地域では、かわせみを始めとする野鳥がたくさん生息していることから、店名に「かわせみ」という名を付けたそう。耳をすませば、愛らしい野鳥の声が聞こえてきます。

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お店をオープンしたのは、17年前。もともとエンジニアだったという紺野章子さんが、ご自宅の1階を改装して、日本茶カフェを開きました。
「母の介護をするために会社を退職したことがきっかけでした。母が他界した後、何をしようかと考え、せっかくなら公園がすぐ近くにある自宅の立地を生かしてカフェを始めようと思い立ったんです。この辺りは休憩する場所が少ないので、ちょっと休める場所になれたらという想いもあって」と、紺野さん。

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もともと茶道を習っていて、日本茶が好きだったことから、日本茶カフェにしようと考えたそうです。真空管ラジオからジャズやシャンソンのBGMが流れ、ネジ式のボンボン時計が時を告げてくれる店内は、心地よい雰囲気。窓からは、公園ののどかな風景が広がり、時を忘れてゆったりとしたひとときを過ごせます。

日本茶の旨味をじっくり味わう貴重な体験

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日本茶は全部で7種類。いちばん人気は、国分寺線恋ヶ窪駅近くのお茶畑で栽培されている地元のお茶「国分寺茶」(450円)です。茶の香りを楽しんだ後、ひと口いただくと、口の中に出汁のような濃い旨味や甘みが広がり、感動的! その後にほのかな渋味も感じられ、日本茶の奥深さをじっくりと味わえます。煎茶と玉露は小さな急須で出され、二煎目以降はポットのお湯で、自分のペースでいただけるというスタイル。日本茶には、ちょっとしたお茶菓子も付いてきます。

日本各地で買い集めたという陶器もセンス抜群。国分寺茶の茎で作った香り高い「ほうじ茶」(500円)は、湯飲みをセレクトする楽しみも。「玉露」(500円)は、二煎目、三煎目の風味の変化に心躍ります。さらに玉露の茶葉はポン酢や香辛料で最後まで食べて楽しめるのだとか。

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ドリンクだけでなく、10食限定の「おかゆセット」などの食事メニューや、甘味もあります。そのほとんどが手作りというこだわり。中でも夏に人気が高まるのが、冷たい「おぜんざい」(500円)です。紺野さんが小豆から丁寧に煮たあんこはスッキリとした甘さで、モチモチの白玉がトッピングされています。

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冷たいドリンクも好評。水で抽出した「冷煎茶」(450円)は、ガラスの茶器で出され、見た目も涼やかです。

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「氷珈琲」(500円)は、凍らせたアイスコーヒーに、自分でミルクを注いでいただくので、氷が溶けても味が薄まりません。キリリとしてコクのある、ブラジル産のコーヒー豆の風味を楽しめる一杯です。

変わらぬスタイルでブレずに続けていきたい

最近では、「テレビを見た」と言って、わざわざ県外から訪れてくれる方もいて嬉しいと語る、紺野さん。
「この辺りは住宅街ですが、農家さんの直売所もいくつかあり、新鮮でおいしい野菜も手に入る良い場所ですよ。常連さんはご近所の方が多いのですが、お店の成長と一緒に年を重ねてきました。このまま、元気に続けていけたら嬉しいですね」

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最後に、これから見ごろになる北山公園の菖蒲もおすすめしてくれました。
「お隣の北山公園は菖蒲が有名です。6月に見ごろを迎え、10万本あまりが咲き誇り、菖蒲まつりも開催されます。その時期にぜひいらしてはいかがですか」と、紺野さん。
散策がてら、味わい深い日本茶で癒しのひとときを体験するのも良さそうです。

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